「ゴブリンスレイヤー(TVアニメ動画)」

総合得点
85.8
感想・評価
1044
棚に入れた
5039
ランキング
225
★★★★☆ 3.7 (1044)
物語
3.7
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.7

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

nyaro さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

再視聴。2つの月は神の象徴?なぜゴブリンは完全な悪なのか?

 2期を楽しみに寝かせておいたので、その前に予習がてら再視聴。やっぱり面白いです。

 サイコロと神が4話くらいまでと最終話のEDで出てくるので、そこの仕掛けがあるのかないのか。そして月が2つ。この組み合わせは観測と確率の話ですので、パラレルワールド的な世界観なのかもしれません。

 月が2つ。影(海)は一応我々の世界とは若干違うようですが、よく見ると現実の月の影を少しいじっただけの気もします。2つの月の影の濃淡は違いますが、同じ模様ですし。VRとかゲーム世界の仕掛けかなとも思わなくはないですけど、その辺これだけいろいろ仕込みをしているので何かあって欲しいです。

 なぜここまで徹底してゴブリンを相いれないものとして描くか。日本のアニメは「鉄腕アトム」「宇宙戦艦ヤマト」の時代から善悪を相対化してきました。本作とか「葬送のフリーレン」で対立する存在としての敵を「悪」として描いています。

 女性の性的なシーンでいろいろ物議はあるものの、その点を強調するためには必要な表現なのでしょう。ゴブリンスレイヤーは復讐者ではありますが、ダーク・アンチヒーロー(定義的には悪側の存在。違う定義をする人もいますが)ではなくあくまで、人間サイドの正義の執行者として描かれています。

 それにしては爽快感がありません。ゴブリンという完全に意思疎通ができない悪の存在を退治しているのに、人間の負の側面というより、弱さというか、そういうものが目につきます。
 人間側に若干性格が悪い人間の描写があるものの、基本皆協力的なのに、不思議です。また、それが本作に引き付けられる原因になっています。

 そして、神の使いたる神官(巫女)とのペアリング、大司教が現れたり、ゴブリンが昔の神殿のような場所にいることに意味を感じます。当然、サイコロを振っている神の存在が嫌でも気になってきます。
 神とは何か?月が2つあることは神であるということなんでしょうか?人間もゴブリンの等しく神の盤上で踊る悲しい存在…という見方もできますね。

 なぜ、ゴブリンが完全な悪なのか?そこがポイントなんでしょうか?ゴブリンとは?悪とは?そして神とは?その辺が分かってくると、奥行きが見えてくる気がします。大司教はなぜ目をふさいでいるのでしょう?何を見たくない=拒絶しているのでしょうか?

 
 作画は線と着彩は非常にそのダークな感じを表現するのにマッチした作画だと思います。ただ、キャラデザがもうちょっとリアルよりというか、重い感じにしたほうがよかったのでは?コミックの表紙を見ましたがあのすさまじい画力の絵を見せられると、物足りなく感じます。


 ということで再評価…と思いましたが、前回21年8月の評価の4.2、物語5.0、声優4.0、キャラ5.0、作画3.5、音楽3.5でいいような気もしますが、物語は結論を見てないので高すぎかな…5.0を4.5。キャラも同様に5.0を4.5に。その代わり作画を3.5を4.0に。調整で声優を4.0から4.5に。合計4.2は変わらずにします。

 2期見るのが楽しみですが、ユーチューブでみた作画は確かになあ…雰囲気が安っぽい気はします。






世界観が気に入りました。異世界もの?としては相当面白いです。

{netabare} 異世界における戦いって、本来こういうものなんだろうなあと思います。近代になるまで人間同士の戦いでも、敗者は男は虐殺され女は蹂躙されていたと思いますので、リアリティがありました。
 歯切れがよくポンポンと話が進みますし、だからといって説明不足にもなっていないので、ものすごく見やすかったです。おかげでストーリーも楽しめました。

 ゴブリンスレイヤーを戦いに駆り立てる動機も納得がいきました。ドロップとかレベルの数値化・スキルウインドウとかがない、武器や魔法も極端なチートが出てこないです。強さの設定もほどほどですし、勝つための要素が強力なスキルや魔法、武器ではなく、戦術でした。一部根性もありますけど。エピソードで、犯罪や武器の経済的価値の表現もちゃんとありました。総合的に言って世界観がすごく気に入りました。
 どうせならギルドとかクエスト、換金から脱却できればもっとよかったのにと思います。バトルそのものは少々ご都合展開な場面もありますし、少々ハーレムの匂いもするので、あまりテンプレ化しないでほしいところです。

 月とサイコロが出てきました。この2つがそろうと普通は量子論だと思います。猫までいれば確実なんですけど。月を見ていないときに月は存在するか。神様はサイコロを振らない。ですね。両方とも不確定性原理の事です。
 また、月の影が綿密に描かれていました。はっきり地球の月の影と同じでした。少し傾いてはいますが。
 この辺りをみると異世界ファンタジーではなく、SFの匂いもするのですが、本編中ではあまり表現がありませんでした。

 物語の展開は、ゴブリンスレイヤーがヒロインと組んで、ゴブリンをやっつける話です。途中、3人の亜人が加わって話が膨らみます。この間、主人公は人を頼ること、人を大事にすることを知ってゆきます。単純ですがエピソードの出来がいいし、人が描けているので面白いです。

 魔族の話や過去魔王を倒した勇者のグループなどまだまだ解き明かされていない謎が多いです。今後どういう展開になるか楽しみです。

 一部冒頭のレイプシーンについて批判があった記憶がありますが、冒頭描いた通り世界観を知るには必要なシーンだと思います。男は殺されてしまってますので、女性差別とか関係ないコンテキストでした。 {/netabare}

投稿 : 2023/12/19
閲覧 : 307
サンキュー:

9

ゴブリンスレイヤーのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
ゴブリンスレイヤーのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

nyaroが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ