「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ(アニメ映画)」

総合得点
65.1
感想・評価
116
棚に入れた
737
ランキング
3397
★★★★☆ 3.8 (116)
物語
3.7
作画
4.1
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.8

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

7でもない さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

魔法を使いたい

自分だけの魔法を使いたい 1980文字


色彩設計・魔法演出・作画演出・作画がすんごい。素敵なストーリー。やっている事はプリキュアみたいな感じだけど熱くなった。見始める前まではあまり期待していなかったけど、良い意味で完全に裏切られた。


魔法
ストーリー
音楽・声
まとめ



色、ほい!

色、配色、が好きだ。この彩色が本当好き。色はこのアニメで重要なファクターで、後半ヨヨやの魔力が尽きる時に穏やかな初音ミク色の髪が漆黒に染まり、魔力の枯渇や病んだ感じを実感できる。また初見が黒髪ででてくるアキのママも当初は金髪でやがて魔力を失って黒髪になったというストーリー上のギミックも面白い。

パステル調のマの国から、色の洪水みたいなエレベーターを通って実用主義的な色どりの人間界に行く。ここでもまた色の変化と内容がリンクしてて素敵。個人的にエレベーターというとツインススティックのレトロアーケードゲームCloak&Daggerのステージ間のアニメカットや、インセプションのエレベーターに乗って開けてはいけないフロアとかでぐだぐだするシーン、あと裏世界ピクニックやエイリアンズでモンスターに追われてエレベーターに駆け込み、▶◀ボタンを連打するシーンなどを思い出すけど、このアニメにでてくる最初、中盤と最後と3回でてくるエレベーターのシーンは印象的で秀逸。特に最後のシーンはCパートのマの国での接客シーンよりもこっちの方が締めとしては好きだ。

クライマックスでビルが花火みたいな色になって吸い込まれていく。それらが映えるように背景の空は夜になったり、霧っぽくなったり、青天に戻ったり細かく調整してあるなあと思った。

石の中のアキママの記憶の中が穏やかな淡い色どりから、人のどぎつい灰色と漆黒の欲望のシーン、そして純白の魔法を纏ったヨヨが力を振り絞って地球が虹色の魔法の糸に包まれるのが丁寧に描写されている、色で。




魔法、ほい!

魔法の描写が凝りに凝っている。こういうのがやりたいんだってくらい魔法の描写・演出はよくできている。もしかしたらこれだけの為に一人設定用の人間を雇っているんじゃないかってくらい。作品独自の魔法描写、魔法セオリーが作られていてそれが実に眼福。ただ、凝ってる時は凝り、省略する所では簡略化されているので間延び感は無い。何より凝っているってだけじゃなく、ちゃんと作品内容と溶け込んだ描写なのも素晴らしい。(ただ一部あまり好みではない表現もあったけどその話はやめておく)

魔法災害でビルや家がぷるんぷるん震えた後にスッポンスッポン抜けて向こうの世界に吸い込まれていく演出とかも他で見た事がなく面白い。その他魔法も演出も立体的で三次元的な奥行きを感じて楽しい。

また
・『最優秀お手本級魔法使い』
・『絵本級の大魔法使い』、
・『終言級超特大魔法使い』三人しかいない超特大魔法使いの一人で世界最強の魔法使い。(※ちなみに終言とは、宇宙が終了した後に綴られる文章の事を指す)

みたいな設定もオタク心をくすぐってくる


序盤で子安声の勇者カエルを魔法で簡単に蘇生するシーンや使い魔の猫(?)のビハクの生死を彷徨うシーンで人間界とマの国の生死観の違いを描いているのも素晴らしい。ハリセンで蘇生されるカエルの命が軽い軽い。ザオリク・ザオラル、アレイズ、リレイズが普遍的な世界なら死に対してもっとこういう風に考えるよね。


ストーリー、ほい!

正直自信無いけど、プリキュアや魔法少女っぽさはあるもののオタク的な作画演出やストーリーの難解さ的にあまり幼女向けじゃないのでは?と思った。子供向けなのかオタク向けなのかどっちつかずに思える。

またヨヨとネネと書いてあるけど、9:1くらいでネネは殆ど出てこないから肩透かし。

後半アキのママのネタバラシが始まってからは非常に面白いし、クライマックスは正統派すぎるプリキュア・ドラゴンボール展開なのに思いがけず熱くなってしまったけど、後半に至るまでの中盤の展開はなんか・・・なんだろう。なんか腑に落ちない。

あらすじを再度確認していて、ソシャゲが広まる様、ソシャゲの源と魔法の石の探索、石が歪んだ理由等を読むと、一件良くできているように感じるけど、見た時は、非常に言語化が難しいけどなんだろう。緊張感が無い、かな。親や友達が気持ち悪い半透明の魔物になってしまったのに、こんなにゆったりしていていいのだろうかと思いながら見てしまった。

この作品は現実現代とマの国が程よいバランスで違和感と親近性のバランスを取っている所は好きだ。ほどほどに現実・現代の価値観とマの国の価値観の違いがぶつかりつつも、若さと勢いで乗り越えている。言い直すと、2つの世界の違いをちゃんと描写している「異世界もの」だ。


音楽と声、ほい!

音楽も盛り上げてくれる。クライマックスでの盛り上がりは8割くらい曲の力かも。一か所[nZk]先生の曲調に似ているような気もする

それとついでに、この頃の諸星すみれ は黒沢ともよ みたいになんか声が硬質に聞こえる。久野ちゃんも昔は硬質だった。下手では無いんだけど、なんか堅い感じ。


まとめ

異世界と色とりどりの魔法。ほい。

初見2021/08

投稿 : 2021/08/10
閲覧 : 207
サンキュー:

0

魔女っこ姉妹のヨヨとネネのレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
魔女っこ姉妹のヨヨとネネのレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

7でもないが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ