「一週間フレンズ。(TVアニメ動画)」

総合得点
85.8
感想・評価
2601
棚に入れた
14219
ランキング
215
★★★★☆ 3.9 (2601)
物語
3.9
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.9
キャラ
3.9

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

記憶がリセットされる前の日の「またね」が辛すぎる、ある意味、残酷な清純恋愛物語

雨宮天さん演じるヒロイン「藤宮」がとても可愛い作品です。
藤宮は、人を避け、誰とも友達になろうとしません。
人から話しかけられると咳き込んでその場をやり過ごそうとします。
なぜなら「一週間で友達との記憶が消えてしまう」からです。
楽しかった記憶、仲のいい人、もっと一緒にいたいと思える人の記憶。
それが一週間ごとにリセットされてしまいます。


男の子が女の子と"まずは友達から"と仲良くなる最初の一週間。
警戒心と相手のことをもっと知りたいと言う興味が交錯する複雑な一週間です。
恋愛は、酸いも甘いもたくさん経験していくことです。
しかし、二人の間で最初の一口目の甘酸っぱさを味わえるのは、最初の一週間です。

そんな甘酸っぱさなら、何度でも味わいたいですか?
いえいえ、最初に女の子に声をかけるのは大変なことです。
最初は、死にそうなほど酸っぱいはずです。
甘さを味わえるのは、仲良くなった後です。

この物語では、記憶が消えるのは藤宮だけで、主人公の記憶は消えません。
そうなると、大好きな女の子に対して、毎週"まずは友達から"です。
ある意味、残酷なお話です。
主人公にとってもみれば、試練以外のなにものでもありません。

しかし、これであきらめてしまったら、所詮それまでの話です。
だから、主人公は、あきらめません。
そして、藤宮もそんな主人公を信頼し日記をつけてなんとか頑張ろうとします。
この物語は、そんな二人の健気さが刺さります。


日記は、一見、良いアイデアのように思えます。
しかし、日記に"記録"はあっても、自分に"記憶"はないのです。
日記は、本来、"記憶"を思い出すためにあります。
しかし、日記に「楽しかった」と書いてあっても、それを思い出せないのです。
こんなの残酷すぎます。

記憶がリセットされる前の日の「またね」が辛すぎます・・・。
なぜなら、次につながらない「またね」だからです。
それでも、主人公は、「またね」を次につなげるためにとにかく一生懸命です。
そして、何度も何度も「友達になってください」を続けるのです。

藤宮にとっては、毎週、汚れを知らない純白の恋愛です。
しかし、それはいいことばかりではありません。
日記に積み重ねられていく"記録"とのギャップが藤宮を苦しめます。

それでも、二人は何とか乗り越えようと努力をします。
物語が中盤をすぎるころ、そんな二人の努力が報われ始めます。
しかし、それもつかの間。
今度は、藤宮の記憶障害に直結する出来事が起こります。
またもや残酷だなと思います。

この物語は、意外と先が読めないやきもきする展開が面白いです。
また、物語全体にほんわかした温かさがあります。
それが、残酷さをそう感じさせないぐらいに包み込んでいるところが良いです。

そして、最後は、
{netabare}
症状が治るとか、過去の記憶が戻るとか、そんな安直な終わり方をしません。
症状は治らないままなのです。
それでも、繰り返し繰り返し続けていくことを、二人は選びます。
{/netabare}
そんな一途さが描かれていた、とても良い終わり方だったと思います。
切ないながらも、一生懸命な二人を応援したくなる清純恋愛物語でした。

私の中のやきもき清純恋愛物語は、次の3作品で決まりです。
「一週間フレンズ。」、「君に届け」、「月がきれい」。

投稿 : 2022/01/06
閲覧 : 315
サンキュー:

19

一週間フレンズ。のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
一週間フレンズ。のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

ひろたんが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ