「文豪ストレイドッグス(TVアニメ動画)」

総合得点
71.1
感想・評価
751
棚に入れた
3840
ランキング
1373
★★★★☆ 3.6 (751)
物語
3.4
作画
3.7
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.5

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nyaro さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.4
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.5 状態:観終わった

ソシャゲ原作の擬人化ヤオイアニメにしか見えませんでした。

 確かに文豪が出てきますが、それ故に楽しめませんでした。わかりやすく言えば、中島敦のトラの能力は山月記ですよね。一部の高校の教科書にも出てくる短編ですが、山月記の主人公は秀才が天才に追いつけない悲哀と、その逆恨みで人の心を失い虎になって昔の友人に襲い掛かろうとして思いとどまる話でした。
 この作品の持つ意味が一体どこに入っているのだろう?ってずっと考えてしまいました。
 谷崎潤一郎はデカダンスあるいはマゾ文学だし、ナオミは痴人の愛(ロリコンNTR文学です)の登場人物だし、この2人の組み合わせで何が言いたいのでしょう?佐々城信子に至っては誰?という感じでした(国木田独歩の奥さんらしいですね。そんなの知らねーよという感じです)。泉鏡花はそもそも男だろうというのもあります。TSがなんか意味あるのでしょか。作品的には思い当たりませんし、少女文学もやっていないと思います。まさか花が付いているので女だと思ったという事はないと思いますが、他の人の性別が合っているだけにちょっと怪しい感じもします。

 と考えると、文豪は超能力を登場させるための演出でしかないということなのでしょう。これでがっかりしました。ストレイは迷子ですから、道に迷った犬です。題名だけは立派です。萩原朔太郎的な雰囲気もします。が、文豪の苦悩の話ではありませんでしたし、それをモチーフにした若者たちの話でもありませんでした。
 まあ、入水ではなく、入水自殺っていう言い方から文学的ではないのでそんな予感はしましたが。

 また、樋口一葉に盗聴器をしかけた理由の説明もないし、江戸川乱歩の超能力も普通の科学捜査で線条痕とかあるんだから解決はできるよね?など、物語の作り込みの甘さが初めから目立っており、雰囲気だけの感じがしました。
 つまり、探偵ものなのに謎が浅すぎるし、エピソードの一つ一つもそうは面白くありません。

 過去の著名人が超能力を持つという設定は、ファーブルや平賀源内、マタハリなどが活躍するRODという先例はありました。RODも現実の人間とはあまり深いつながりはありませんでしたが、紙使い=超ビブリオマニアの対抗軸といして、敵側の超人としてギミックとして割り切って使っているのが読み取れるので違和感がありませんでした。

 対して本作はキャラ造形的に2次元のヤオイ層を狙った擬人化アニメを少しひねって文豪にしただけに見えました。登場人物が多いし、みんな細身のイケメンで髪型がそれっぽいし。なんとなくソシャゲの販促用の作り込みがあまいアニメに近いなあという印象でした。
(追記;太宰治の人間失格の文庫版の表紙が、確かこういうヤオイBL系の絵で話題になったことがあります。あれの延長線上の気がします)
(追記2;別に文豪そのものとキャラがリンクしなくても、キャラに魅力があったり面白ければそれなりに見られるのですが、要はチンピラが騒いでいるだけのアニメに見えるということです)

 ということで1クールは見られましたが、次のクールを視聴する気になるような作品ではないと判断しました。アニメは奇麗でした。

 

投稿 : 2021/08/31
閲覧 : 324
サンキュー:

2

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