「Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)」

総合得点
85.4
感想・評価
764
棚に入れた
2481
ランキング
238
★★★★☆ 4.0 (764)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

RFC さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

100年の旅路の果てに 

リアタイで視聴しようと思ったら忘れてて、
あにこれ評価がそこそこ高いので後追いで視聴開始。

【作品概要】
 AIと人間が共存していった100年後、
 AIによって人間が淘汰される世界の物語。

 100年前から存在する歌姫AIのVivy。
 100年前の彼女に歴史の改竄を託します。

【作品に対する感想】
 AIが身近になった昨今、タイムリーな作品だと思いました。
 ターミネーターなどロボットとかコンピュータの反乱みたいな
 作品は結構あるあるですよね。
 で、そこに絡んでくるのは「心」というのもあるある。
 ですが今作で差別化されているのは2点。
 ・歌
 ・時間軸が100年と長大

 AIが心の在り方で葛藤したり悩んだりしてます。
 丁寧に描かれており、キャラへの感情移入がしやすいです。

 また主人公のVivyが歌姫のAIだけに、
 歌のレベルも高いと感じます。

 タイムリープ物ととらえると物足りないかもしれませんが、
 私はリアル世界でのAIの今後の在り方とか漫然とした空想に
 思いを馳せながら物語に没入していきましたね。

 視聴して十分満足できました。 

1)物語
 「大事のために小事を切り捨てる」みたいなことは
 合理的な判断として普通に発生するので、
 物語としては割と辛辣ですが、
 リアリティとして肯定的に捉えました。

 シンギュラリティポイントと呼ばれる、
 人間の淘汰につながる事件を未然に防いだと思いきや、
 予想しない方向に動いて上手くいかなかったり…。
 未来の知識があるとはいえ、
 あくまで一つの世界線しか知らない状態なので、
 手探り感がかえってリアリティあってよかったと思います。

 また、個人的に「無機質から生まれる心」みたいな話は
 好きなので、余計にポイント高くなります。

2)作画
 バトルは体術が激しく、かなり見応えあります。
 またライブのシーンも近未来だけに演出が凄いんで、
 これまた見応えありますね。

 AIが徐々に進化したり、人が成長して行ったりと、 
 100年の時間の流れが絵でわかるように
 なっているところは好感持てます。

 AI達の無機質感を強調するためなのか、時折
 劇画調CGっぽい絵になることはありますが、
 あれはあれでいいのかなと思ってます。

3)声優
 福山潤さんのウザいAIの演技、GJ!

 難しい設定での演技だけに、他のAIの中の人も
 試行錯誤された上での演技だったとのことで、
 いろいろ奥が深い作品だと感じました。

4)音楽(2022/1/3追記)
 ED
 Fluorite Eye's Song Piano Version
 インストゥルメンタルですが凄く心に刺さりました。
 ドミノが倒れていくのは、時間・歴史・物語は
 繋がっている、続いているということを
 表しているのでしょうか?
 また、この曲はメロディーが
 想像した方向をちょこちょこ
 裏切った動きをするので面白いです。
 
 ※歌付きの方は6)➄に記載します。

5)キャラ
 ➀Vivy
  真摯な性格で好印象な主人公でした。
  昔でいうならToHeartのセリオとか?
  マツモトをジト目で罵る表情がたまりません。

  アーカイブ内で「何でセーラー服なん?」と
  突っ込んだ方多数ではないでしょうか?

 ➁マツモト
  ネーミングセンスに噴いたAI。
  いろんな方が「なんでやねんっ!」って
  突っ込んだんではないでしょうか?
  AIらしく合理的な判断を繰り返しますが、
  後半に進むにつれて…。
  ウザいけど頼りになる熊(嘘)。 
 
 ➂エステラ
  こういうおっとり、でも芯は強いキャラ好きなんで、
  無条件で好感度上昇。
  ARIAのアリシアさんを彷彿させますね。

 ➃オフィーリア
  こういうおっかなびっくりが覚醒していくような物語を
  期待してたんですけど…。
  この辺の辛辣さは物語としては肯定的に捉えました。
  でも報われてほしかったな…。

6)印象深いシーン
{netabare}
 ➀いつまで稼働するかじゃない。どう稼働するかでしょ。
  人間も同じですね。

 ➁佐伯さん自殺
  うわ、きっつorz
  佐伯さんからしたらグレイスと共にあることが
  生きる意味でしょうからね。
  シンギュラリティ計画を優先した結果、
  二律背反でVivyがフリーズするのもうなずけます。
  人間の世界なんて縦も横も
  二律背反と矛盾の連続ですからね。

 ➂センチメンタルジャーニー マツモト(2022/1/3追記)
  博物館のVivyに「出会った日」に会いに来るマツモト。
  合理的には無意味なことですが、
  無意味に意味をこじつけて行動するあたり
  人間臭い所が出てきてるなーと感じました。

  また、Vivyが作った曲を聞いてすぐに
  「シンギュラリティ計画の曲」と理解するところも
  人間の心らしいと思いました。

 ➃AIの歌
  恐怖でした。
  あのやさしいVivyの曲が
  あんなおぞましい響きになるなんて。

 ➄Vivyの歌(2022/1/3追記)
  シンギュラリティ計画という、
  使命と異なる計画を負ったVivyが
  歌でシンギュラリティ計画を完遂するという
  因果で綺麗な纏め方だったと思います。
 
  特に最後の畳みかけるような輪唱。
  単語なのは演算が怪しくなっていることを
  表現してるんでしょうか?
  Vivy独りではできない輪唱に関して、
  Vivyの心の中のエステラ・グレイス・オフィーリアが
  計画完遂のために力を貸してると想像すると、
  涙腺崩壊ですね。

{/netabare}

7)ちょっと引っかかるところ
{netabare}
 ➀マツモト やたら正史にこだわる
  歴史の改竄のために活動してるのに
  「正史ではこうだった、あり得ない」
  みたいなセリフが多いんですよね。
  変わっちゃったとか、
  そもそも「ゆらぎ」のようなランダム性は
  考えないんでしょうか?

 ➁アーカイブ人の顔
  人を否定しながら、人の顔を成したアーカイブ。
  漠然とした違和感を感じました。
  もっと人知を超越した
  なにかになってもよかったかなと。

 ➂Vivyは何を以って人を生かすとしたのか
  私も一応人間なんで、「人類が生き残る」
  ってエンディングは肯定したいところなんですけど、
  こんなに不合理で、独善的で、汚れ切った人間を
  「自らを止めてまで生かしたい」と
  判断したVivyの想いはどこから?
  使命?歌でみんなを幸せにする…の拡大解釈?
  その疑問に足る答えを
  作中からは見出せなかったんですよね。

 ➃タイムリープの設定があやふや
  100年前にマツモトを送ったと思いきや、
  最後はちょっとしか飛べなかったり。
  違和感がありました。
  そもそもなんで送れるの?
  
{/netabare}

ご清聴ありがとうございます♪

投稿 : 2022/01/10
閲覧 : 411
サンキュー:

33

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