「Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)」

総合得点
85.4
感想・評価
762
棚に入れた
2477
ランキング
237
★★★★☆ 4.0 (762)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

ERRUE さんの感想・評価

★★★★★ 4.3
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

歌で人類を救うAIの物語

正直、初めは「過去の類似作の二番煎じ」かなと思っていましたが、非常に分かりやすく面白かったです。

100年後に起こるAIと人類との戦争を避けるために、主人公のAI「Vivy」が歴史を軌道修正しながら、100年の時間を旅する物語。

「AIロボット」や「Back to the future」の要素が入ったSF作品です。

この先はネタバレです。
{netabare}
人間とAIの共存は、SF映画の中でも永遠のテーマです。

1つの使命を持って生まれ、人類を幸福に導くという目的の元に生み出されるAI。
人間の勝手な都合で作り出されるAI。そのAIも人間に尽くす年月が長くなるにつれて、人間の醜さや愚かしさを学習し、「人類にとって相応しい選択」が歪み始める。

◎あらすじ◎
人類がAIありきの社会を作り始めて100年が経ったある日、中枢AI「アーカイブ」により人類を滅ぼす反逆が起こり、人類とAIの争いを予見した「松本博士」が自身の命を懸けて、100年前のAI「Vivy」に人類とAIの争いを阻止する「シンギュラリティ計画」を命令する。
いわゆるシュタゲであった、記憶のタイムリープを行います。

その後Vivyの相棒になるAI「マツモト(松本博士が一緒に未来から送り込んだ)」とシンギュラリティ計画を実行し、未来を修正していく物語です。

◎感想◎
vivyがAIであることを忘れそうになる程、人間に近い思考で問題を捉えて解決していく展開に感情移入してしまいました。

相棒のマツモトが、シンギュラリティ計画を第一優先で進めようとする中、
vivyは目の前の人を1人でも救うために、計画の遂行と目の前の命を天秤にかけた葛藤に苛まれます。心理的描写がうまく纏まっていて、事件を解決する度にvivyの判断や行動が少しずつ変わっていく点に引き込まれました。

そして物語に登場する反AI団体「トァク」との衝突は必見です。人類とAIの共存という難しい局面の中、様々な価値観から「自分たちの住む世界を守りたい」という思いがぶつかり合い、人間側の主張も、AI達の主張にも一理ある内容でした。

終盤での松本博士との再会シーンは泣けました。戦争や争いにおいて、被害を最小限に抑えた上で、平和を実現することは現実世界においては不可能に近いですし、実際に起こったことは無いでしょう。

自身の命を懸けてでも人類の未来をvivyに託した松本博士も、Aiの機械的な判断では不十分だとアーカイブを説得しようとするvivyの感情が伝わってきて、最後は感動しました。

王道でありきたりなジャンルの作品ですが、最後まで楽しく視聴できました。

◎追記
以前に書き忘れた部分として「歌で人々を幸せにする使命」についてですが『歌唱は微妙だったような…』という意見があったので追記で書くことに。

自分の中ではタイトルのSongの意味は『詩』だと感じていました。表面的な歌唱力と言うよりは「人々の心に訴える力」に注力している内容だと感じました。

作中でアーカイブが「AIが自力で作詞作曲をした前例は無く、ディーバが初めてだった」と言っていましたし、Vivy本人も「自身の体験を正直に歌にした」と言うシーンがあったので、『歌』の意味を深く掘り下げて考えないと分からないなと感じていました。

生身の人間でも、相手に気持ちを伝えることは難しいです。

そんな中でも『正直な気持ちと行動で人(AI)の心は動かせる』とVivyは教えてくれました。
{/netabare}

投稿 : 2022/01/11
閲覧 : 296
サンキュー:

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