「白い砂のアクアトープ(TVアニメ動画)」

総合得点
75.8
感想・評価
443
棚に入れた
1334
ランキング
749
★★★★☆ 3.6 (443)
物語
3.4
作画
4.0
声優
3.6
音楽
3.6
キャラ
3.5

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ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★☆ 3.8
物語 : 4.0 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

風と花と珊瑚と心

白き砂

夏アニメイチオシ作品!
この作品は沖縄が舞台なのです。
沖縄と聞けば大抵の人は海を魅力的に思う人は多いと思います。
ですが、私は沖縄で1番好きなのは海よりも民家だったりしますw
沖縄を舞台にしたアニメは沢山有りますが、そのキャラ達が住む民家は少し古風で不思議と憧れが湧いてくるのですw


さて、物語は沖縄の水族館が舞台です。
今作は私が凄く学びになった部分が沢山ありました。

正直、私も水族館で働いてみたいと思った事はあります。
イメージとしては動物や魚と触れ合えて楽しそうだと思ったからです。
ですが、作中では大変な事ばかりですね。

しっかり栄養が偏らないように生き物達、1匹1匹の事を考えて餌にビタミン剤を混ぜるとか知らなかったし、健康診断を欠かさないで体重管理をし、どの子にどれだけの餌をあげるか考えたりしないとダメだったり、魚には薬がなくて人間用の薬を調整して使うとか、学びが凄く多かった。

水族館は楽しい所ってのはお客さんの立場だからそう思えるだけで、飼育員からすれば、やっぱり本当に大変なんだなぁ〜って。

作中で、ククルの「この子達の命を預かっるの」ってセリフが凄く印象に残っていて、あまり深くは考えたこと無かったけど、確かにそうなんだよなぁ〜って思い知らされました。

生き物を飼うって、命を預かる事なんだよね。
私は、ハムスターくらいしか飼った事ないし、どの子も、しっかり餌を上げてお散歩ボールに入れて遊ばせたりしたけど……一応自分なりに大切にしてたけど、ここまでの覚悟はもってはいなかったかな。

よくTVで外来種を放流したり動物を捨てたりして増えたって言うけどさ。
あれだって、生き物に罪は無くて、ただ、生きるのに必至なだけなのよね。

それなのに、人間が飼って動物が増えすぎたからとか、餌代が掛かるとか、大きくなり過ぎたからとか、そんな理由で自然に返しちゃうらしいけどさ……そんな事された動物も被害者だよね……あれだって、飼う前にしっかり調べたら解る事なのにさ……そうすれば、防げた事だよね。

だから、「この子達の命を預かっているの」ってセリフの通り、動物を飼う、育てるって、これくらいの覚悟がないとダメなのよね。
当たり前だけど、改めてこの作品を通じて思い知らされました。

後は、「ファーストペンギン」って言葉って凄く素敵だと思いました。
なんでも初めては勇気が必要だけど、中々踏み出せない時に、きっと私はこの言葉を思い出すと思います。

初めては誰だって何だって怖い事ばかり。
でも、勇気を出して1番に動き出す。
ペンギンが初めて海に飛び込むように。
未知への勇気ってのは自分が動き出す事で自分の世界が広がるけど、それだけではなくて、それを見た人がまた勇気を持ってチャレンジできる。
勇気を分け与えてあげる事が出来る、そんな気がする言葉です。


さて物語の方は。

風花は元アイドルです。

後輩がお婆ちゃんに見せたいステージに自分がセンターで立ちたいと言う事をマネージャーに話している所を聞いて、彼女は同情してしまい手を抜いて実力を発揮する事を辞めてしまい、やる気がないと思われます。

それは、そうですね。
それは優しさではありません……甘さです。

1つは、お婆ちゃんにそんなやらせのステージを見せて後輩は胸を張って本当にステージに立てるのでしょうか?
それを見て喜ぶお婆ちゃんの笑顔は嘘で塗り固めたものの先にある、それを知らないで喜んでいると思うと、お婆ちゃんに対しての罪悪感を感じる気がします。

風花も風花で……
甘すぎます……きっと後輩には才能がないのでしょう……だから、ステージにセンターで立たせてあげるには、こんな方法しか取れなかった。

本当なら……後輩を信じて全力で審査に挑み後輩が選ばれたら祝福を、自分が選ばれたら後輩は泣くでしょう……でも、後輩の望む形ではないけど……成長は出来る。

それでも、後輩をセンターに立たせてあげたいなら、全力の演技の後に先輩としてマネージャーに頼んであげる事は出来たはずなんです。
それなら、こんな形には少なくとも……
最初から手を抜くなんて、相手にも失礼だし、マネージャーやスタッフからしたら、やる気がないと取られるのは仕方ないです。

で、アイドルを辞めて実家に帰ると母に話したら近所の人達と残念会ってww
いゃ、言いふらさないでよお母さんww
帰りにくくなるよ……しかも、実績を残せなくて逃げて来た様に思われてるのは辛いですよね……いゃ、状況だけ見ればそうなんだけどさw
沖縄に逃げちゃう理由は解る……

でも、何だか少し良いですよね。
仕事を辞めて沖縄に無計画の旅って、少し素敵だなぁ〜とも思います。

でも、私はこのお母さんの本当の気持ちを聞いた時に、少し納得しちゃった。
娘は早くに上京してしまい、母親らしい事を充分にしてあげられなかった。
だから、帰って来るのが嬉しかった。
母親らしいことをしてあげられるから、それだけが嬉しくて近所の人に話してしまったのでしょうね。

でも、風花の立場だと解らないよねw
私が風花の立場なら余計な事して!ってなると思う。
親って、やっぱり沢山の事を考えてくれてるんだろうけど、子供にはやっぱり理解出来なくて、でも親も子供を理解出来なくて、その点もリアルに思いました。

そして、最後は娘の意志を尊重してくれてお世話になってるククルや家族に頭を下げてくれるいいお母さんです。

で、彼女は沖縄で沢山の人に出会います。
ガマガマ水族館。
そこで、居候として水族館で働く事になります。
彼女は最初は心配になるくらい不慣れでしたが、作中で1番成長を感じられるキャラでしたね。

最初はペンギンに噛まれたり水槽に落ちたりと……
でも、沢山の経験を積む中でタッチプールでの解説役を務めたり。
後は、生き物の不調や違和感に気が付く事も出来るまでになります。

実はこの時、お母さんが沖縄に風花を連れ戻しに来て、ククル達に逃げるように言われ逃走中だったのです。
それでも、生き物の様子がおかしいからと自分の事より生き物の為に水族館に戻ります。

結局、そのイシガキカエルウオは命が尽きてしまいます。
生き物との別れも切なくなりますよね。
彼女にとってイシガキカエルウオは少し特別な魚でした。

そうそう後、風花って凄く人の気持ちが解る女の子です。
手作りの看板を金融関係の男に壊された時に彼女は怒ります。
彼女はその手作りに込められた、ククルの気持ちと価値が解るからです。
そんな彼女の姿を見てククルは嬉しくなります。
気持ちを分かってもらえるのは嬉しくなりますよね。
この辺りから2人は打ち解けて行きました。

彼女に芸能界復帰のチャンスが来ます。
映画の主演女優の話が来ます。
その話を聞いて迷います。
彼女は水族館の仕事中もアイドル時代を思い出す描写がありましたし、やはり未練はあるのかな?と感じました。


ククルについて。

彼女はガマガマ水族館の孫娘で館長てす。
水の生き物が大好きな女の子で、凄く動物達の事をよく見て考えて、そうしてガマガマ水族館が大好きな女の子。

でも、ガマガマ水族館は閉館してしまいます。
彼女はガマガマ水族館を大好きだから守りたいけど……それだけじゃなくて、ガマガマ水族館を大切に思ってくれるお客さんがいる。
沢山の人の思い出の場所だったり、誰かの居場所だったりする。

そんな場所が閉館するのは寂しくて、彼女にとってガマガマ水族館は大好きな場所ってだけじゃなくて、沢山の気持ちが集まる場所だから守りたい。
彼女の水族館を守る!は同時に沢山の人の気持ちを守るって意味でもあると思います。

そして、ククルは凄く周りの人に恵まれて居ます。
風花やカイを初め沢山の人が頑張る彼女を応援してくれたり支えてくれたりと、それが見ていると凄く伝わります。

環境協会に取り合ってくれたり、ガマガマ水族館限定スイーツを考えてくれたり、夏休みの間に水族館を手伝ってもらえたりと沢山の人が力を貸してくれます。


彼女は風花が最初の頃に失敗してしまった時に凄く厳しくお説教をするシーンがあります。
でも、それは動物の事を本当に考えているからってのもありますね。
彼女の気持ちの強さを感じられるシーンでした。

彼女のガマガマ水族館への気持ちって本物で、彼女もそうだしお客さんもガマガマ水族館が大好きで、時々ガマガマ水族館では不思議な事が起きます。
それは間違えなく素敵な時間で幸せな想い出を見せてくれて悩んでる時や大変な時に元気をくれる。

それはきっとガマガマ水族館が沢山の人の気持ちであふれて居るからかな?って。
そうした誰かの想いが集まり大切な場所だから起きるのかもしれませんね。
そんな溢れた気持ちで沢山になった場所にキジムナーが奇跡を起こしてくれてるのかも知れません。

ククル達はキジムナーのお社に毎朝お供え物をしていたから、キジムナーも陰ながら応援してくれてるのかもしれません。

さて、彼女は閉館を阻止しようと頑張って居ましたが、ククルのお爺さんは閉館する方向に準備進めて居ます。

でも、お爺さん以外の従業員や沢山の人はみんな閉鎖して欲しくなくて、空也も口は悪いけど本当は大切な場所だと思って居て、本当はガマガマ水族館が大好きなんだって思いました。

次の職場もお爺さんが考えてくれているみたいだけど、そこじゃなくて、本当はガマガマ水族館で沢山の事をもっと教えて欲しいって思ってるのかな?って

風花だって、ガマガマ水族館がきっと特別な場所だと感じたと思うしククルの力になろうとしてくれてる。
それは、ククルの気持ちが解るからこその行動であり大切な場所になってきたのだと思います。

ウミヤンも余り閉館については言わないけど、彼は少し気になる少女が居ます。
彼女は病気で入院していて、移動水族館で病院に出張した時に出てきます。
恐らく彼女は自分の病気に絶望してたのかな?
今は歩けなくて自由に動けなくて……だから、移動水族館が来ても遠くから見るしか出来なくて……

でも、海の生き物は自由に泳いで居て、それが少し羨ましかったのかな?って。
逃亡したカニを捕まえた時に「生きている」って一言があったから、きっと病気と戦う決意をしたのかな?って。

そして、約束をする。
いつか元気になってガマガマ水族館に行く事を。
ウミヤンが多分ガマガマ水族館を継続させたいって気持ちはこの時に産まれたのかな?って


カリンちゃんは理解者であり協力者。
移動水族館で閉館前に移動水族館をして貰いたいって気持ちから観光協会から許可を得られた。

彼女はガマガマ水族館の閉鎖が覆らないって解っているけど、自分にとっても諦めたくない場所だけど、気持ちでどうにか出来ることでもなくて……現実が見える分彼女は1番辛かったのかもしれません。
それでも、力になってあげようとする姿は素敵でしたね。

カイは1番ククルを心配してくれていましたね。
恋心もあるのだろうけど、彼はやっぱり純粋に心配してるのだと思いました。

ククルの気持ちが本物だからこそ本気だからこそ閉鎖したら彼女が耐えられないのではないかと……彼の優しさを感じたのが、奇跡の幻を見る実験に付き合う優しさ。

そして、彼は奇跡の幻を見る。
ククルの「見た?」の言葉に優しく首を横に振る。
嘘だけど、見えたって話して希望を持たせてしまう事になる……だから、彼はその真実を伏せた。
傷つかないように
私はこのエピソードが凄く優しいと感じました。

ククルはその後に涙しました。
でも、彼女は「ありがとう」と……
もしかしたら、ククルはカイの優しい嘘に気がついていたのかもしれない。
だから、彼女は「ありがとう」と口にしたのかもしれません。


新設される水族館から研修生が来ます。
研修生は確かに水族館に詳しくて色々な知識がある。
彼女は言いました。

自分は水族館で働く為に必至に勉強をしてきたと、ガマガマ水族館での時間の無駄だと、ククルはお仕事ごっこをしている、狭き門をくぐり抜けて来たからしっかり仕事をしたい、甘い!と。

彼女の気持ちは本物だと思うけど……
彼女は気が付かなかった。
ガマガマ水族館だから学べるハズだった事が……

この作品を見ていると、ガマガマ水族館の従業員って生き物を大切にしています。
でも、大切にしてるのはそれだけじゃない。
ククルのお爺さんは伝説の館長と呼ばれて居たそうなんです。

それは、生き物を飼育するだけではないから伝説なのかもしれません。
館長は水の生き物だけではなく、お客さんと家族の様に接する。

だから、来店したお客さんは居心地がいい。
水族館でカードゲームをしてても、居心地がいいから足を運んでくれる

水族館が家のように居心地がいいから、我が家の様に掃除してくれる人もいる。

帰省してきたお客さんが、家族にガマガマ水族館を見せたくて、家族の様に接してくれる館長に近況報告をしたく足を運ぶ。

そうして、お客さんの事も一人一人を大切にしていてくれるから、お客さんもガマガマ水族館って場所を愛してくれる。

それが、恐らくガマガマ水族館から学ぶ事だったけど、彼女はそれに気がつかなかった。
彼女はガマガマ水族館には学べる事がないと見下し研修先を変えて出ていったけど、それに気付けない時点で気持ちは本物でも本気でななかったのかな?って。

さて、閉鎖が決まったククルが取れる選択肢は多くはありません。
それでも、彼女はそれを認めたくなくて、水族館に立てこもる。

空也は「子供かよ」と呟きます。
そうですよね。
私も思いました……
そんな事は時間稼ぎにしかならないし、そんな事で閉館がなくなるなんて事はない。
何も変わらないし変えない、意味がない。
我儘で沢山の人に迷惑を掛けて心配させて困らせて……普通に考えたら解る。

でもね。
ククルの立場を考えると見えてくるものがあります。

自分が守りたい場所が無くなってしまう。
打てる手は全て打ったし柵はない。
立てこもるなんて強硬手段しかない、、、

では、自分がククルの立場に立った時に貴方は同じ選択肢が出来ますか?

私は出来ません。
何故なら意味が無いし結果は変わらない。
多くの人は私と同じ選択肢ではありませんか?
結果論で結果を決めつけて諦めてしまう……

でも!ククルは1番解ってる!
立てこもる事で状況は変わらない!
そんな事で覆せるなら、閉館でなんて悩んでない!
彼女が1番頑張ってきたハズだもの!
問題はそう簡単じゃない!

じゃ、何故?立てこもる?
その場所を守りたいからです。

それが我儘だと解っていても、子供だと思われても、時間稼ぎでしかなくても、意味がなくても、迷惑をかけて困らせて心配させても、その場所を守りたい気持ちの強さの現れなんですよね。

意味がなくても、どうしても守りたい場所だから、そんな意味のない選択肢にも縋りたい!
それだけ守りたい場所なのです。

自分と比べた時、ククルって凄いなぁ〜って思いました。
私は結果しかみないから、絶対に出来ない選択肢だし、結果を考えて諦めちゃってるから、意味がなくても変えられなくても、守ろうとしたククルの決意はカッコイイなぁ〜と思いました。

結果を見て無駄ではなく、結果よりも守りたい!
そんな彼女の気持ちが伝わった気がします。

立て篭りの中、風花が手伝いに来ます。
ククルは風花にも言わずに立て篭りました。
おそらく風花にはアイドル復帰の話が来ていたし、いつか去る彼女には頼れないと思ったのかもしれません。
風花がいなくなれば、これから先に頼れなくなるのだから……

でも、風花はククルの夢を手伝いたいと言います。
風花は復帰の返事を保留にしてます。
それは、復帰以上にククルの力になってあげたいから、彼女の夢を応援したい!
それが、風花にとって1番大事な事なんです。
彼女が動くとしても、その後なんですよね。

後輩にオーディションを譲るようなお人好しの女の子なんです。
自分より誰かを優先してあげられる優しい女の子なんです。
逆に、ククルは風花のそんな性格を知っているから、1人でやろうと思ったのかもしれません。


ただ、その日は台風で、停電もあり。
雨風がククルの大切な場所を壊していくのです……ガマガマは老朽化が進み建物としてはボロボロだった……

それを見たククルは涙します。
全てを自分から奪って行く……両親との思い出であり彼女の家でもあり、魚達の居場所である、そんな水族館……もしかしたら、奪われてばかりだった彼女の最後の心の砦であったのかもしれません。
彼女は絶望の中立ち尽くす……

そんな中、風花はククルに喝を入れる。
私は本当に風花が、この場所に居てくれて良かったと思いました。
彼女が居なければククルは心が折れて、停電した中、生き物の命も危うかったと思いますし、何よりククルの心が完全に壊れていたと思うからです。

それからも2人で頑張るも沢山の生き物がいる中で中々手が追いつかず……そんな時に従業員の皆が助けに来てくれて事態を乗り越えます。

ククルは今回の事でガマガマがかなり傷んでる事を知りました。
事情は色々あったのだろうけど、1番はガマガマはボロボロで、このまま営業を続けていても建物が崩れたら生き物も従業員も危険な目に合うかもしれないから閉館させると決めてたのかもしれませんね。
人が少なくなったからって理由よりも、多分本当はそっちなのかな?って。

最終的にガマガマは閉館してしまう。
でも、ガマガマはククルに沢山の人や生き物との出会いや思い出を沢山くれた場所だし、何よりガマガマで見える奇跡はククル達へのガマガマなりの贈り物だったのかもしれませんね。

そして夏休み最後の日
風花とククルの別れの日が来る。

ククルは昔、2つの母子手帳を見つける。
1つはククルの、じゃもう1つは?
最初、彼女は生き別れの姉妹が居て会えたら嬉しいと言っていましたが、彼女には死別した姉がいた……

私事ですが、私は昔妹が欲しくてw
弟は居るのですが弟は生意気で可愛げがなくてw妹が欲しいとよく話してました。
それから、しばらくして実は私には流産で産まれて来れなかった妹がいた事を知りました。

だから、ククルの気持ち少し解るかなぁ〜って、ずっとククルの事を見守ってくれていた。
ガマガマの奇跡の力を使い応援してくれてたのかもしれません。

そして空港で……

風花はククルに勧められ芸能界に戻る為に……
そして、ククルはガマガマを旅立ち……ティンガーラへ行く事を決める。

でも、別れの後の空港で、風花はククルを探して駆け回る。
風花には解るのだ、人は1人になって泣ける事を……だから泣いてるククルを放って置けなかった。

ククルは風花に沢山の事を与えてくれた。
でも、風花が居なくなった後に彼女が1人泣くのならそれを放っておける訳がない!
そうして2人は再開の約束をする
「私がククルのお姉ちゃんになる!」

姉の真相を聞き、大切な場所を失った彼女……
だから、風花は1人には出来なかった。
自分が芸能界に戻れば簡単には戻れなくなる……だから再開を約束する
なぜなら、風花は自分の「やりたい事」にも気が付けた。
それは芸能界ではなく……


そして春が来て心生活が始まりククルはティンガーラへ就職する。

ティンガーラでは大好きな水の生き物の飼育!………じゃなくて!営業部……
よく思い出せば、ティンガーラ館長はククルをスカウトする時に「経営の才能がありまーす」とか言われてたなぁ(*꒪꒫꒪)
最初からフラグ立ちしてたのか……

そしてある人物に再会する。
以前、ティンガーラに研修できた南風原ちゆ。

そんな感じで色々ある中イベントを成功させようと頑張るククルですがイベントを中止するように副館長から言われてしまう。
心身共に疲れ果てたククルの目の前に現れたのは……夏以来の再開……風花でした。

登場の仕方がカッコよすぎじゃないですか٩(ˊᗜˋ°ᵖⁱ)وヤホッ♪
しかもマンションもお隣さんとかオチも素敵サプライズじゃん(◍´꒳`)bᴼᴷ

風花が居ると安心と安定感を認識したのがこの辺りですねw
そして、風花もティンガーラへ就職する。

風花の担当動物はペンギン
でも、彼女にはある試験が課せられる。
ペンギンの名前と個体識別と顔と性格と交友関係を覚えろと……む……難しい……(*꒪꒫꒪)
それでも風花はしっかり覚えて試験に合格します(◍´꒳`)bᴼᴷ

ガマガマ組は大変ですね。
派閥とか言われてるって話だけど単に仲良くしてるだけじゃん?って思うしそれは派閥ではないよね。

私は、南風原さんってあまり好きではありませんでした。
ガマガマの研修もそうでしたが、ティンガーラでも災い挑発する態度やら……

南風原さんって小さなお子さんの居るお母さんだったのですね。
しかも母子家庭だから大変ですね。

確かに彼女が言う様に、水族館で働けるのは当たり前ではないってのも解る。
本当は仕事に全力で取り組みたい気持ちも解るよ。
でもね、どんな理由であろうと「休んだ」のは事実だしその分飼育員の「負担」もまた事実なんです。

休むなとは思わないし大事な予定や緊急事態ってあるし、それは休むべきだと思います。
南風原さんの様なお子さんの事なら当然。

でも、1人が休むと負担だってあるのもまた事実です。
ククルは、飼育の大変さが解るから足りてない人員を補おうとして代わりに入ってくれた。
休みの理由を知っているから代わってくれた。
飼育が足りないと困るのは魚達も同じで飼育が足りないとバタバタした時に動物の健康状態も見落としてしまうかもしれない。
単純に、ククルの思いやりや優しさからの行動だった。

でも、南風原さんがとった行動は八つ当たりでした。
確かに休むと最初は気を使ったりして良くしてくれるけど当たり前になり始めると結局最後は周りの人が冷たく感じたり裏では不平不満を言われてしまう。
自分が必要のない人間に感じるかもしれない。

でも、その事で、子供の存在を隠したり理由を隠して働くのは絶対に違うって思う。
気持ちは解るけど、だから風花の言う事って本当にその通りですよね。

この焦りから私は1つ思ったのは……

南風原さんはククルにビビって居たのかなぁ?って。
ククルが自分の代わりに入った。
ククルはあの歳で館長の経験もある、南風原さんはごっこ遊びだと言うし、好き勝手に動くなと言っていたけど、しっかり経験を積んで居たククルが自分の代わりに入って、周りの人に信頼されて自分の居場所が奪われる事が怖かった。

彼女にはそれだけの実力がある。
それは南風原さんも何だかんだ言いながらも認めていたのかな?って。

だから、彼女はククルは営業部企画広報担当になり最初は安心していたのかな?って……飼育が出来なければ彼女の本領発揮はされない……少なくとも飼育の自分の居場所が脅かされる事はない……

でも、最後は南風原さんも反省して謝ってくれた。
そして、ククルと南風原さんが和解出来たエピソードでもあります。

よく考えたら、この2人ってお互いを嫌い合っていて……お互いを知ろうとはしなかった。
仲良くなる1歩はお互いを知る事から……かもしれませんね。

休日にククルと風花が皆をおもてなしする回……何このキラキラした充実した休みw
何か見てて凄く楽しい気分になるエピソードでした。
水族王ゲーム楽しそうだけど……細すぎて当てれないなぁコレw


ペンギンのヒナの撮影が来る話があります。
ヒナは怖がりで水の中を泳げないけど最後は風花が背中を押してペンギンを軽く突き飛ばす。

私はこのシーンで優しさと凄さを感じました。
多分、私ならペンギンの背中は押せないから……ヒナだけど弱くはないのも解るけど、溺れたらとか怖がらせたらとか考えると……
でも、これは優しさじゃなく甘さですよね……

一方、風花は本当にやさしいです。
本当にペンギンの事を思うならペンギンを信じて背中を押す事が正解です。
もしかしたら、これからペンギンに怖がられたりとか嫌われたりとかもある……

それよりも、飛び出したいけど飛び出せないペンギンに、自由に泳いで欲しい。
水辺の楽しさを知って欲しいからできた事。
相手を本当に思ってるから出来た事。

自ら足を付けて怖くないんだよって足で水辺を弾いて見せて、背中を押す。
恐がりビックリしながら鳴くペンギンを突き出す。
最初は上手く泳げなかったけど直ぐにしっかり泳ぐペンギンの姿がありました。

そして、彼女は見えない手で、もぅ1人の背中も同時に押した。
それは後輩のルカの背中です。
きっと、この光景も彼女にとっても勇気が出た瞬間かな?と思います。

さて、ククルは1つのプロジェクトを任されます。
それは新施設で水族館で結婚式。
素敵ですね。
魚達が沢山泳いでいる中で式をあげる。
見渡せば綺麗な魚が縦横無尽に泳いでいて、それはまるで海底の中のような不思議な空間素敵ですね。

てすが、ククルは生き物が大好きで、この企画に対して彼女は優しすぎて……生き物の負担を考えすぎてしまい結婚式の式場側の人に断られてしまいます。

うん、生き物に負担を掛けない事も大切だけど、結婚式での主役は人間ですし一生に1度の体験だと思うし思い出作りも大切で、こちらを立たせればあちらが立たす…………

お仕事に悩んだククルは無断欠勤してしまい行方を眩ませます……
無断欠勤はよくないですよね。
皆に迷惑掛けることになります。

実際本当に良くない事です。
やってはいけない事です。

でも、皆さんは思いはしませんか?
「あぁ、行くの嫌だなぁ〜話すのも嫌だし勝手に休もうかな?」

実際、やらなくても考えるくらいはあります。
私もあります。
じゃ、何故しないのか?
それは社会人としてどうなのか?とか、迷惑掛けるからとか、次に出勤する時にどんな顔すればいいか解らないし、とか色々あります。
だから、無断欠勤はしません。
そんな気持ちが、ストッパーになるからです。

でもね。
そんな気持ちすらストッパーにならないくらい逃げ出したい気持ちになったんだと思う。
私の様に、心にストッパーが掛かる内はまだ、大丈夫なんです。

でも、ククルは……そんな気持ちでも抑えられないくらい心が疲れていたのです。

だから、彼女は楽しかった時間と場所を見たくなった……でも、ガマガマは既に解体されていた……楽しかった時間や帰りたけど帰れない場所って誰にでもありますよね。

もし、その場所があれば……元気が出たかもしれないでも、その場所はなくて、頭で理解していても目で現実を見ると、心からポキッって
音が聞こえてしまう……だから彼女は行き場を失った。

無断欠勤は決して、どのような理由があろうと肯定してはいけません。
だとしても、その人が無断欠勤した理由が悩んで苦しんだ結果なら否定しちゃダメだと思うんです。

だから、その点を風花はよく解っていたみたいで理解者で居てくれた。
風花は無理に理由は聞かないでいてくれた。
ククルが話そうとしてくれるまで、話してる最中もしっかり見守ってくれて聞いてくれて、悩んだ時に話を聞いてくれる人が居ることは凄く救いになります。
溜め込むより吐き出した方が楽になる事って多いですよね。
ククルは本当にいい友達に出会いましたね。

そんな風花が、ククルを迎えに来た時に見た光景はウミガメの産卵。
そこで、彼女が向き合うのが、ウミガメの話。

作中で風花が興味を示した問題です。
私も中学生の頃に授業の一環でウミガメについて勉強した覚えがあります。

作中でもありましたが、ウミガメはよく異物を飲み込んでしまい死骸から沢山の異物が発見されるのはよくあるらしく私も習いました。

その時は、確か絶対に出てくるゴミは買い物袋と習いました。
ウミガメはクラゲを食べるのですが、ウミガメは買い物袋をクラゲだと思い誤って飲み込んでしまうそうです。

異物だから吐けばいいじゃんと思いますが亀は噛まないで異物を口からゴックンと飲み込んで仕舞うのです。

で、異物だと気づいてもウミガメの首内部は反しがついていてギザギザしているらしく吐き出したくても反しが邪魔して吐き出せないらしいです。
ウミガメが異物を体内に溜め込むのはこうした理由も1つらしいです。

でも、ウミガメは、生まれてからが大変だと言う事は始めて知りました。
人口の光に引き寄せられたり、目の前を遮られるだけで迷子になってしまったり。

あの光景を見て、ウミガメの問題を聞かされてしまうと……衝撃は強いですよね‪(͒ ⸝⸝•̥𖥦•̥⸝⸝)‬


そして、戻ったククルの最初の仕事はティンガーラウエディング。
実はこのプロジェクトの成功報酬があります。
それが、飼育員への部署移動!
ククルが、やりたかった仕事!

そして、プロジェクトが実現される事に!
魚の事を人の事を大切に思うククルだから出来た提案だと思いました。

そんな中で、頑張っていた、ククルでしたが、やり遂げようと頑張る中、営業部の仕事も生き物を守ることに繋がる事に気が付き営業部に残る決意をします。

そうですね。
飼育員って生き物の体調管理したりして生き物を守ってる実感も強いかもしれない。
一見、営業部は生き物と接することは少ないかもしれないけど、飼育員は飼育員でしか、営業部は営業部でしか守れないものはありますよね。
ククルの学びの回でした。

アクアトーププロジェクトが企画されます。
そんな時、海外研修の話が来ます。
風花は悩みます。
勉強はしたいけど、ククルとは離れたくない……ククルはククルが風花に心配掛けているからだと考えましたが、風花がククルと一緒に居たかった。

そうですよね。
当然ね。心配だからって理由だけじゃ人はずっと一緒には居られないですよね。
相手が大切だから大好きだから一緒にいられる。

風花が悩みながらも研修へ行く為の課題に望んだのも、チャレンジしたかったのかもしれません。
落ちれば、それでククルともいられるし諦められる……むしろ合格する方が彼女は悩んでいた。
でも、ククルの「今度は私がお姉ちゃんになるよ!」
ステキなセリフですね。

今までは風花に沢山助けられて来た……だけど、次は自分が背中を押す番だ!彼女の成長が目に見えたシーンでした。

最終話の魚を水槽に移す場面は何だか圧巻でしたね。
こんな風に移すんだと関心しました。
私はずっとクレーンだけでするものだと思います。

そして、風花は旅立ち2年が経って帰ってきた。
2年後の2人は少し大人っぽくなっていましたが、中身はあまり変わらずって感じですねw
お互い別々の場所で成長して再会する素敵ですよね〜

最後に、この作品は私にとっては色々得られた作品だった気がします。
沢山の学びもありましたし、生き物について考えてみたりするきっかけにもなった気がします。

投稿 : 2021/12/23
閲覧 : 234
サンキュー:

19

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