「無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 第2クール(TVアニメ動画)」

総合得点
88.5
感想・評価
723
棚に入れた
3107
ランキング
106
★★★★★ 4.1 (723)
物語
4.1
作画
4.3
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.1

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take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

あれ?この感覚…

1クール目に続き安定したクオリティで安心、安定。というより高いクオリティを維持していることに逆に驚きを感じてさえいる。

物語は未だ全容は見えず(原作未読)、進行も粗くもなく、細かすぎる事もなく適切な印象。1クール目からの魔力災害で飛ばされたルーデウス、エリスが故郷を目指しての旅を中心に据え、彼らの成長と苦悩。
また、同様に災害によって飛ばされた家族、友人を探し求める過程が描かれる。
そのなかで、新たな仲間や他のキャラクターのエピソードが語られる。

メタな言い方をすればこのくらいの時間的な空白を仕込んでおけば、新エピソード、外伝的ストーリー、キャラエピソードなども盛り込みやすかろう、と愚考。
イヤミではなく楽しみにしている、という好意的な意味と受けとってほしい。

このクオリティを維持できるのならば、先のストーリーは解らないが、息の長いシリーズにして欲しいと割りと本気で思っている。


作画についても、特に悪い方向でツッコミをいれたい点はない。
良い方向で言えばきりがないので、これがベストとは言えないが、そんじょそこらの作品、或いは映画作品にも、そうそう負けないレベルと言って差し支えないと思う。
このクオリティが幸いして、各キャラクターの印象も大変良い(クズ野郎は除く)。特に女性キャラは魅力、かわいらしさがUPしていると思う(オタクなオジサンの個人の感想です)。

それにしても、なぜこのタイミングでこれほどのクオリティの作品が登場してきたのだろうか。原作を知らないのに、こんなことを言ってはいけないのだろうが、この「無職転生」という作品は原作時点で、それほどの大作感があったのだろうか?
それともこのアニメ化は当たる、当てなければという並々ならぬ何かがあったのだろうか?
制作側がそれほどのリソースを投入しよう、と思った理由がシンプルに知りたい。
単なる興味心からなのだけれども。

声優さんたちも特に問題は感じなかった。
安心してみれたし、声のせいで興が削がれることもなかった。

音感も雰囲気とあっていてよかったと思う。ケルティックと言おうか、フォルクローレ風と言おうか、アコースティックな感じか好きだった。
後、映像とのマッチング、本編との繋がりの工夫が感じられて大変よかったと思う。

キャラクターはやっぱり作画、声優さんの力量に支えられ魅了的。
テンプレ感はあるが、ワンランク上のクオリティであれば、テンプレ感は越えれるケースもあると実感する。

エリスは明らかに成長しましたよねぇ。
素直さや無邪気を残したまま戦士としての強さを身につけ、成長感は一番かもしれません。
また、女性としての魅力も大きく、強くなったと言えるかもしれません。
(男の勝手な妄想と言われるかもしれませんが)へこんだ男を女性としての器量、包容力、優しさで何とかしよう、という気概は強さを感じます。
(ジェンダーな皆さんの、勝手に言ってろ、バカな男の言いぐさ、アホ言ってんじゃねえよ、というご批判は甘んじてお受けします。でも男が男を奮い立たせる事もあれば、女性の力でしか出来ないこともってあるんじゃあないかと思っている次第です。もちろん、その逆もまたあるでしょう。)

ルーデウスは中身がおっさん語りだったので、成長感はいまいちでした。
ただ、主人公として、パーティーリーダーとしてしっかりと物語を動かしていました。
この2クール最終盤での衝撃的な展開をみるに、彼の本当の成長(中身の彼含む)は2期目が真骨頂になるかもしれません。

ルイジェルドはこの作品でひとまず退場の様ですが、ルーデウス、エリスにとっては頼りになる兄貴的な役割だったのかもしれません。2人の成長の原動力になっていたと思います。
ただ、この成長は相互影響しているとも言えることで、お互いさまとも言えるでしょう。ここを描けていることも素晴らしいと思います。
仲間、パーティ感があります。

ロキシー・・・は、なんかそこはかとなくかわいらしい。
私的には観ているのが楽しい、好きなキャラクタです。
今回は彼女のエピソードもあって良かった。

パウロ:1期時の「たらしキャラ」を脱却(今作では)。ルーデウスとの和解シーンはちょっといい感じでしたね。
私個人としては、あそこまで素直に出来たらいいんだろうなぁ『遠い目(  ̄- ̄)』と自己嫌悪に陥った次第です。。

リーリャ:相変わらずキレイカワイイねぇ。

ノルン、アイシャ:なにこのかわいい生き物。

キシリカ・キシリス:なんぞコレ?
まー、後からキーになりそうな気はしますよねぇ。


さて、今回はここで。
この作品は現時点では非常にクオリティの高い作品です。
観る価値はあるとおもいます。
まぁ、作中の表現でセクシャルな方面で気になる方がいることは間違いないと思いますので、この点は『注意、配慮、準備』が必要なことは申し添えておきます。
が、面白いと思いますよ。
機会があるようであれば、是非ご覧下さい。
オススメいたします。


で評価のタイトル回収をば。
私はこの作品を見ながらある感覚を思い出したのですよ。

かつてアトムから始まった日本のアニメなのですが、いくつかの転機がありました。
ヤマトのブームがあり、ガンダムブームがあり、1980〜90年代にはオタク文化が花盛りとなり、多種多様な作品が作られ、現在大御所となっているクリエイターの多くが、頭角を現したのもこの頃でした。
TVシリーズ、映画は勿論、OVAも数多く作られました。
そんななかにTRPGから派生した「ロードス島戦記」のOVAがありました。この作品は当時のファンタジーブーム、RPGブームも相まって、小説、漫画、ゲーム等々マルチに展開されていました。そしてこのOVAは当初、毎月の月刊販売形式で書店販売されていたはずです。3800〜4000円程度だったと記憶しています。私も全巻集め、いまだに手元にあります。
今振り返ってみればTV、映画以外での表現の場(作品販路)を築きたかったんじゃないかと、そこに挑戦をしたかったのではないか、と今は思っています。

先に言ったように、当時この作品は既に大人気なタイトルで、角川書店の気合いの入れ方はなかなかのものでした。確かネオヒロイックファンタジーを掲げ、作品自体のクオリティもTVアニメとは一線を画していたのです。
私はこの作品を見て「スッゲー、これからこのクオリティが標準になんのか!?」と衝撃を受け、時代の転換点かも…と思ったものです。

ま、実際は、その後もそれなりな進化の仕方だったのですがw。
ただ、作品に「何か変えてやろう」「新しいものを作り出そう」という気概を感じたんですよ。

で、この作品を見て「ロードス島戦記」を観た時と同じような感覚に囚われたのです。
奇しくもKADOKAWA絡み、奇しくもファンタジー。

作品自体のクオリティも高く、随所、随所に規定の路線、定石を崩そう、変えてみようという気概を感じ取ったのです。
OP/EDの入りや、本編とのつなぎも工夫されています。
ただ本編の尺が足りなかった、と言う可能性も捨てきれませんが・・・w。

ま、あくまでも私個人の感覚で、ノスタルジックな視点が入っていることは否定できないので、個人の妄想です、になってしまうのですが…。

まぁ、もっと簡単に言えば「気合い入れて作ってんなぁ!!何かいろいろと変わるきっかけになりそう。がんばってくれ、期待してるぞ!!」って事なんですが…w。



ところで〜「ロードス島戦記」も既にラノベファンタジーとしては古典の部類に入っちゃうのかれませんが…(当時はラノベなんて分類あったっけな?)、キャラも世代交代してますしねぇ。
ですが、こちらも機会があったら読んでみて下さいね。昨今の作品ほどの機転の効いた展開は少ないかもしれませんが、オーソドックスでキャラも魅力的、読みやすく、大変面白い作品です。
保証しますよ。

投稿 : 2023/06/26
閲覧 : 479
サンキュー:

47

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