テナ さんの感想・評価

3.4
物語 : 4.0 作画 : 2.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態：観終わった

不思議な物語

古いアニメですね。
これは私が中学生の時に放送していたアニメですね。
CLAMPの人気作品の一つxxxHOLiC

最近、無料配信でYouTubeで1期全話出てそれで見直しました。
当時は中学生だしアニメに興味を持ち始めた頃ですが、xxxHOLiCはあまり真剣には見てなくてw

ツバサ・クロニクルの方が当時は好きでしたが、最近、原作が新装版として去年から毎月2冊出てて、集めてみたりしてましてYouTubeに全話配信されてて見たのが、こちらをみたきっかけてす。

さて、私は原作は新装版しか読んでいなくて原作の途中までしか知りませんが、基本は原作のエピソードに加えてオリジナル？の物語が数話ありました。
物語の順番としてはバラバラですが、基本は原作通りの話になっていました。
中には、原作ベースのオリジナル展開もありましたね。

画は手抜き？か、はたまたこの様な表現なのかモブキャラがシルエットだったりしたのが気になりました。
後は絵もなんか変？
違和感あるイラストも複数ありました。
あれ？四月一日君の手が長すぎない？wとかw

ただ、やっぱり原作シナリオもオリジナル？シナリオもよく考えていて面白いですね。
少し暗いけどミステリアスで、どことなく古風に不思議に不気味な1面を持ち合わせた素敵な作品だと思います。
安定のCLAMP作品ですね。

主人公の四月一日は、凄く良い子ですね。
彼は妖に憑かれやすく幼い頃から怖い思いを沢山してきました。
普通、怖い思いをした者なんて見たくはないでしょう。
でも、四月一日は妖達に優しくしてあげられる。

おでん屋の狐や、管狐や座敷わらし、紫陽花の下の霊魂、勿論人間にもそうですし、友達？の百目鬼君にも文句を言いながらもお弁当やお菓子を作ってあげたり。
この作品を見ていると彼の優しさがよく伝わります。


百目鬼も、普段はクールで偉そうで生意気な1面もありますが、いつだって四月一日の事を考えてくれています。
彼が居たから助かった事も沢山ありましたね。

侑子さんにも、四月一日の為に対価を支払ってまで助けてくれたりもします。
自分の事ではなく、誰かの為に対価を払える人は素敵だと思います。



さて、個人的に印象に残った話は。

1話で四月一日は女子高生に出会います。
女子高生は自分には霊に取り憑かれていて悩んでると友達に相談していました。
それに怯える女子高生に四月一日は「大丈夫だよ何も悪い者はついていない」と安心させてあげようとします。

でも、それは気休めではなく妖が見える四月一日が見てホントに取り憑かれて居なかったのです。
四月一日からすれば、思い込みで怖がっているから安心させてあげたかった。
なぜなら、自分も似た思いで恐怖してきたから……でも、女子高生はそれに逆ギレします。

彼女は嘘をついていたのです。
そう言えば、家族が友達や先生から同情して貰える。
人の優しさにつけ込んでチヤホヤして貰える事が凄く心地よかった。
だから、四月一日に真実を見抜かれて彼は逆ギレをした。

今のポジションを脅かされそうになったから。
そうして、四月一日に取り付いていた妖が女子高生に取り付いた。
彼女が望んだから……こちらの方が居心地が良さそうだと……

四月一日は、人に押し付けてしまったと後悔しました。
本当に優しいですね。
でも、本当に優子さんの言う通りで、妖を望まない四月一日から妖を望む女子高生に移っただけなんですよね。

この女子高生は、きっと後悔します。
いつまでも心地好い時間なんて続かない。
嘘で得た優しさには何も残らない……
周りはいつか気づきます。
彼女の嘘に……そうして離れていく……
そんな中で本当の妖に取り憑かれたからと言って誰が助けてくれるでしょうか？
理解してくれるでしょうか？

いぇ、残る物が2つありました。

後悔と妖に取り憑かれた事実。



猿の手の話。

何でも願いが叶うアイテムですね。
しかし、あらゆる願い……ろくなモノではありませんね……
まっ、無から有は作り出せないとは言いますが、何か欲しい物は何処かから移動しただけとか、思っただけで願いにカウントされたりなど……

結末は残酷ですが、自分は大丈夫と思い込んで人の忠告を聞かない人間が最後はどうなるか……教訓ですね。


22.23話の女の人の話

四月一日は子供を亡くした女の人に出会います。
四月一日も両親を亡くしていた事もあり親子の様に仲良くなりますが、日に日に四月一日は体調を崩していきます。

それは、その女の人に原因がありました。
このままでは四月一日が死んでしまう。
彼はそれでも女の人の元へ行こうとします。
理由は「貴女が寂しいと思うと俺も寂しいから」死ぬと言われて行くなんて変ですよね。

でも、四月一日は知っている。
自分の体調が良くない原因が女の人でも、その人は悪くない人だって、その人は凄く寂しがってるから1人にはしてはいけないと……

でも、限界がきた……そんな時に現れたのは百目鬼でした。
彼は四月一日を救う為に女の人に弓を向けます。
四月一日は「やめろ！」と庇いますが、百目鬼は矢を射る……庇う四月一日を無視して……きっと百目鬼は解っていたんだと思います。

女の人が庇う四月一日を庇う為に身を投げ出す事を。

何故なら四月一日から聴く彼女の印象から本当に悪い者でないって解ってた……
でも、矢を射ってでも四月一日と女の人を引き離さなければ四月一日が死んでしまうことも。

侑子さんが言ってましたが、百目鬼は四月一日を傷つけても四月一日に憎まれても四月一日が消えない選択肢を選んだだけ。

だから、選ばなければいけない……
四月一日も……そんな百目鬼を許すか、許せないかを……

結局、女の人の正体は明かされませんでした。
何かは解りませんが、侑子さんの店は願いがある者しか入れません。
彼女は「子供とコーヒーを飲むこと」と言っていましたが、多分本当の願いは「寂しくなくなる事」

その願いは多分、四月一日を連れていく事で達成されたのかな？
でも、会う度に四月一日の優しさに触れて考えが変わって行った……

でも、自分では何もどうしようもなくて……
冷たく突き放すしか出来ない……でも、女の人も寂しくて泣いちゃう……それでも、体調を崩して原因を知って死ぬかもしれないのに「寂しくさせたくない」「あの人、泣いていたな」なんて理由で笑顔をつくりボロボロになりながら現れる四月一日に、女の人も生きて欲しかった……

だから、自分を庇ってくれた四月一日の壁になる事を選んだ……彼に生きて欲しいから。

この話の四月一日、百目鬼、女の人の気持ちってどれも相手を思う優しさが交差していて……
その優しさは決して優しいだけではなくて、沢山の覚悟や決意の中にあって、ウルっと来てしまいました。


後は、管狐が可愛いですね。
あの小さいヤツw
管狐は可愛いから欲しいなぁw
何処のペットショップにいるのかな？ww