「ドールズフロントライン(TVアニメ動画)」

総合得点
60.7
感想・評価
95
棚に入れた
247
ランキング
5627
★★★★☆ 3.1 (95)
物語
2.6
作画
3.1
声優
3.4
音楽
3.2
キャラ
2.9

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ネタバレ

ひろたん さんの感想・評価

★★★☆☆ 3.0
物語 : 3.0 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:今観てる

この物語の行く末も心配だが、日本アニメの行く末の方がもっと心配になってしまった件

■物語について

女性だけで小隊を編成する戦術ゲームは、昔からありました。
戦術ゲームは、戦場において、各駒の特性に応じて駒を動かし戦います。
要は、将棋です。
駒が女性だと個別の特性把握と感情移入の両方が一緒にできます。
そのため、特性が沢山あってもすぐにゲームに馴染めるという利点があります。
また、お気に入りの駒の育成的な意味合いもあり人気があるゲームジャンルです。

この作品も、そんな戦術ゲームの基本は押さえた作りになっているようです。

第1話は、ボスがいる脱出作戦です。
地形と敵や味方の位置を把握してから脱出ポイントを確認し、作戦立案を行います。
敵との距離を計算した上での初回のグレネード攻撃と残敵に対する追撃をしました。
残弾数確認も怠りません。
最後は、ボスの攻撃特性に合わせて、駒の配置と攻撃タイミングを調整しています。

第2話は、雑魚敵の殲滅作戦です。
サブマシンガンを前衛に配置し、敵を掃討します。
アサルトライフルを後方に配置して、逃げた敵や不意打ちに備えます。

ここまで戦術ゲームの雰囲気をそのままアニメ化した作品は、非常に珍しいです。
ただ、その分、今のところストーリー性は感じられませんでした。

キャラデザは、第1話に登場した主人公たち4名は、良いです。
それ以外は無難か微妙です。
特に戦場には似合わない萌え系デザインはやめてほしいです。
一方、声優さんは、文句なしの面子でした。

戦闘シーンは、基本的に狙撃なので、敵か味方かのどちらかしか映りません。
下手をすると止絵に銃撃音だけと言う場面もあり、びっくりです。
そのため、バトルアクションと言う感じはなく、単調な場面ばかりで飽きます。

作画のクオリティは、バラバラです。
良いところもあれば、線画に色を塗っただけのような安っぽいところもあります。
ある意味、どこにコストをかけているかわかりやすいです。
逆にコストをかけていると思われるオープニングは、とてもかっこよかったです。

今のところ、この作品から戦術ゲームの要素を引くと何も残らない感じです。
このままだと、正直、ちょっときついかなと言う気がしています。



■日本アニメの将来が心配

私は、この物語の行く末よりも日本アニメの行く末の方がもっと心配になりました。
ここから先は、あくまでも個人的な意見となりますのでご了承ください。
{netabare}
この作品自体は、キャラデザを含め日本のスタッフが作っています。
エンドロールにも外国人がほとんど登場せず、逆に珍しいなと思いました。
つまり、見慣れた日本アニメって感じで違和感はありませんでした。
そう言う意味で、この作品自体は、日本のアニメです。
しかし、原作が日本ではないことが残念なのです。

日本のアニメの良さの1つは、原作にあると思っています。
漫画、小説、ラノベ、オリジナル脚本。
どれをとっても日本の独自文化が息づいています。

それは、日本文学がベースにあるからです。
日本文学は、古くは紫式部に代表されます。
また、その源流は、『古事記』や『日本書紀』に描かれる神話にまで遡ります。
日本文学は、同一言語・同一国家の文学です。
しかも、1400年近くにわたって書き続けられ、読み続けられてきました。
これは、世界的にみても例が少なく、めずらしいことのようです。

そんな歴史をベースに今の日本アニメの原作があると思っています。
他の国が日本のような原作を作ろうと思ってもおいそれと真似はできないはずです。
それは、1400年、脈々と受け継がれてきた日本人の思想そのものだからです。
そして、その歴史の積み重ねは、時間的には追い抜けないからです。
今の日本の原作は、その歴史を土台に独自の地位を築いてきたと思っています。

一方、この作品は、中国産のスマホゲームが原作です。
中国では、今、中国当局が2021年7月から新作ゲームを1本も承認していません。
しかも、中国国営メディアは「ゲームは精神アヘン」と報道しています。
こういうお国の原作を使わざるを得ない日本アニメの現実の方が心配になりました。

中国の原作を中国のアニメ会社が作るのは、とてもいいことだと思います。
でも、中国の原作を日本のアニメ会社が作るようになっていくのが心配なのです。
最近では、有名アニメ制作会社も中国資本に買収されています。
資本主義の原理なので仕方ない部分はあるのですが悲しい現実です。
気づいたときにはもう遅いと思います。
日本の原作がいつのまにか追いやられていないことを祈るばかりです。

それは、「iPhoneショック」と同じようなことが起こらないとは限らないからです。
iPhoneの原作と言うべきアイデア、デザイン、コンセプト、設計は、外国です。
日本の会社は、高い技術力を持っていますが、部品を製作する側にまわりました。

日本のアニメ業界もこうはならないでほしい・・・。
日本のアニメの原作(デザインやコンセプト、脚本)は日本であってほしい・・・。
今の日本の原作が日本文学として1400年後の日本にも息づいていてほしい・・・。
{/netabare}
そんなふうに思う今日この頃です。

投稿 : 2022/01/19
閲覧 : 288
サンキュー:

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