「天空の城ラピュタ(アニメ映画)」

総合得点
90.6
感想・評価
2355
棚に入れた
14189
ランキング
51
★★★★★ 4.2 (2355)
物語
4.4
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.3
キャラ
4.2

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ネタバレ

栞織 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

細部でいろいろひっかかり バルス祭りが憂鬱になる

これは当時映画館で見ましたね。見た知り合いは「子供をバカにするな」と言ってあざ笑っていましたが、私にはそういう感想はありません。むしろ子供向けなのに活劇としてはよくやったと思います。子供がよく乗れる話になっています。「未来少年コナン」の焼き直しのストーリーなのですが、コナンよりも短時間で見られてコンパクトにまとまっています。しかも昔の作品ですがナウシカよりも作画はかなりよくて、今見ても遜色はありません。よくできた作品だと思います。

ただ私が最近のバルス祭りに乗れないのは、この映画には細部でひっかかる描写が多いからです。例えば私がひっかかるのは、ムスカがシータと玉座の間の繁みに来た時、ムスカが藪蚊を手で払いのけながら、メモ書きの手帳を取り出して碑文を読み、「私にも読めるぞ」と喜び、それを見てシータが眉を顰めるシーンです。見ていて、語学習得者に対する非常に冷ややかな視点を感じる。そのような語学学習を一生懸命している者を、シータの視点であざ笑っているような感じを受ける。要するに、作り手のそのような浅はかな考えがにじみ出ている。こういった場面は他にも散見されますが、いちいち書き留めるのが面倒なので書きません。

そして物語の構造上、ムスカひとりに悪を集約している点もあまり感心しないです。だいたいムスカほどの人物が、シータひとりに入れあげるという描写もおかしなもので、彼にはあのようなドレス服を贈ったりするメッチェンが他にもいそうなものですが、それは映画にはまったく登場しません。まあロリコン男性としては納得のいく描写でしたが。比較に出して悪いのですが、カリ城では伯爵側に不二子の存在がいたので、バランスが取れていたと思います。この映画では不二子に当たるキャラが年寄りのドーラだけで、ムスカにまったく関与していないので、非常にバランスが悪い感じを受けますね。

まあそうは言ってもよくできた映画だし、昨今の月刊ムーに見られるような、超宇宙人地球関与説みたいなものをうまく描いているので、面白い作品だと思います。実際に地球に私も、古代では宇宙人が降りてきていたのではないかと思うのですよ。それが、土着的な一般民衆にその子孫がいるとした点で、この作品は画期的だったのではないでしょうか。

付記です。上記のムスカとシータの場面ですが、先ほど新説を聞きました。実はシータはムスカ以上の語学力を持っていて、ムスカが手帳をたよりにやっと碑文を読んでいるのを冷ややかに見ているというシーンなのだそうです。そう言えばシータは幼少時に、祖母から一度教えられただけで、古代言語の呪文を覚えていたようでした。シータがそんなキャラ設定とは気づかず、これは失礼いたしました。

投稿 : 2022/03/21
閲覧 : 180
サンキュー:

8

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