「群青のファンファーレ(TVアニメ動画)」

総合得点
58.4
感想・評価
117
棚に入れた
299
ランキング
6489
★★★☆☆ 2.8 (117)
物語
2.6
作画
2.8
声優
2.9
音楽
2.9
キャラ
2.7

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ネタバレ

クソアニメの魔女 さんの感想・評価

★★☆☆☆ 1.5
物語 : 1.0 作画 : 1.5 声優 : 1.0 音楽 : 3.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

東京24区を超越するクソさ。クソアニメマイスターなら必修です。

競馬学校で頑張る生徒たちの青春群像劇です。

ソシャゲにアニメ、漫画など、あらゆるメディアの質の高さから世間的に大ヒットしたウマ娘の影響もあって一躍人気になった競馬ジャンルにスポットを当てた本作ですが……

蓋を開けるとかなりの地雷アニメでした。少なくともウマ娘のクオリティには遠く及ばないです。
つまらない要因はストーリーにツッコミどころが多い上、キャラクターの魅力も薄い点でしょう。

良い点
キャラデザ、音楽、一部キャラの演技。

悪い点
シナリオ、設定他ほぼ全てに渡ります。競馬絡みの設定は酷いの一言。特に主人公に余計な設定が多く、性格も到底共感するのは厳しいレベル。

正直、悪い点だらけです。
風呂場でのエルコンドルパサーのくだりや3話のルール違反などが最たるもので、不快になる表現が多々あります。
他にも日本ダービーのシーンでゼッケンの色が違ったり、馬に負担の大きい二人乗りをしたり、試験で馬に乗るらしいのに乗った経験が無いといった矛盾する言動などもあり、競馬好きが観ると矛盾点は多いようです。リアリティを重視するタイプのアニメなのでそこが甘いのは致命的ですね。
素人目から見ても、馬要素が案外少ないのが微妙なところ。1、2、3話ともに馬をメインに押し出したエピソードは少なく、ダービーの話を除けばキャラクターの凄さをアピールするための文字通りの当て馬にされているような気がします。

キャラクターも結構酷い。
有村のアイドル要素に至っては現状変にギスらせるための余計な設定にしかなってないです。加えて有村は取材陣やファンを基本的に突き放しに掛かっているのでこれまでの資産を活かすかも怪しいですし、このままだと完全に死に設定になり得ますね。
3話でメインとなる転入生のグレイスは不快なキャラそのもの。同期を見下してイキっているだけでも不快なのに、実は逃げ続けて各地を転々としていたとかダサ過ぎます。この話は他の生徒たちもルールを破って一時学校から脱走するという、一歩間違えれば命を落としかねない競馬に臨む上で厳格なルールを叩き込んでいる競馬学校でやってはいけないことをやってしまっており、印象は最悪でした。こういうのはフィクションでも許せないです。
英語混じりの喋り方、いわゆるルー語を話す教官のキャラ付けも謎だし、全体的にキャラ付けが後先考えないインパクト重視で滑っているだけというか。

作画も凄まじい手抜きぶり。レベルとしてはそれなりではありますが低予算感が拭えないです。
馬のCGはコーエーテクモのゲームからの流用みたいですが、こちらもあまりよろしくない。臨場感などは皆無です。

良い点は澤野氏による劇伴とかキャラデザくらいですかね。

現状はかなり微妙な部類のアニメです。

4話
まだ4話にして合宿編。とは言っても訓練の描写が薄く、どちらかというと遊んでいる方の時間が長かったです。作画も静止画が多く、ローコスト感がより浮き彫りに。
ビーチのシーンではそれぞれのキャラクターが抱えている問題や悩みを匂わせます。そこはまだ良いんですが、有村やっぱファンのこと煙たがってんのか……上手く付き合う方がまだマシな気がするんですよね。
展開的に競馬学校を舞台にしている作品でやる必要の無いものも多く、視聴者と製作者のそれぞれ求めているものに乖離が起こっていることを感じずにはいられませんでした。まともに競馬要素を描写できていないのにバーベキューシーンの牧の謎発狂と花火トラブルは要らんでしょ。
秋樹と有村対立のくだりも2、3話で全く描かれなかったのに4話で思い出したように出してくるしで、キャラクターに魂が込もっているようには到底思えない展開でした。しかも秋樹が有村のファンだったんや、とか唐突過ぎる。2話のエルコンドルパサー!とかふざけたことやってないで彼の描写に力入れてくださいよ。4話でいきなり生えてきた設定なので驚きました。
そしてCパートの宝生が体重制限に引っかかった(?)みたいな描写もバーベキュー食べといてなんなん?って感じでした。ここは体重管理もまともにできない間抜けとしかなりようがないからある種のギャグに成り果てています。

クソアニメ待ったなしの出来になってきましたね。

5話
今までの話よりは大分マシかな。この話自体は悪くないです。ですが前述したようにバーベキュー食ってたから宝生が体重オーバーで受けていたショックには説得力が無いです。有村の騎手を目指す動機も現状かなり薄い上、宝生と話す時、オレはできる奴みたいになんか急にイキってるので、彼についての心象は相変わらず悪かったです。しかも明らかに悩んでいる宝生に有村が愚痴をこぼすのも自分勝手でデリカシーに欠けています。
ラストの馬の衝突も駿が馬の気が立っているのに気付いているのになぜか教官に言わなかったり、教官もそうした馬の様子に気を配っている描写が無いなど、細かいところは杜撰なままではありました。

やっぱアイドル要素余計なんだよなぁ……有村の動機は結局薄いしギスギスにしか使われてないし、ギスギスが解消されてもこの設定からほとんど発展していかないから観てて要らないとしか思えませんね。

6話
宝生と有村の馬が衝突し、有村の方は大怪我を負いました。そこから有村が偽マツコに傷口に塩を塗られるようなことをされて精神的にどん底に落ちるわけですが……

ちなみにこの6話自体も話だけ追うならまあまあ見られるんですが、バーベキューとアイドル設定のせいで土台が腐ってるから結局ダメな話です。もはやこの二つの設定はこの作品をつまらなくする呪縛そのもの。

まず言いたいのが有村怪我させるの早過ぎじゃない?有村に積み重ねが無いのにこんな展開されてもシラケるだけです。せめて話が熟してきた終盤に持って来れば良いものを、ここでこの札を切っちゃったらもう同じ手が使えないじゃないですか。先の展開が悪い意味で読めなくなりました。トウカイテイオーみたいに何回も怪我するパターンかもしれないけど、今のところろくに努力シーン無いからテイオーリスペクトしても絶対に面白くならないんだよなぁ……。
駿の身体能力も異常の一言。身体能力が自慢だからっていくらなんでもアマチュアが四階くらいまで登るのは無理でしょ。しかも普通に不法侵入だし学校の面子丸潰れ。3話の脱走と同じやばさが見て取れます。
有村の練習風景を見せる動画のコメントは皮肉にも公式自らする視聴者の代弁になっていました。有村の動機薄いの認めてるやんけ……。
キャラクターの不快感も増すばかり。
偽マツコは有村というより自分の事務所のことしか考えてないの丸分かりだから不快感丸出しだし、眼鏡のお姉さんも不快な偽マツコにぺこぺこしてるだけだからこっちも不快。そもそもこの作品の芸能要素が全部不快の一言に尽きます。
このようにお膳立てがまるでなってないので、有村が絶望するのはもはやギャグでしかなかったですね。
そうなる前提として、軸となる有村自身の立ち位置がふわふわしており、競馬を好きなことについての描写やそもそも説得力が全く無いので、駿への発言もただ空々しいだけなんです。アイドル活動は引退ではなく休止に留めているし、実力も示せていないのに偽マツコや宝生に対する口だけは達者という。そのせいで偽マツコと同じ穴の狢にさえ見えてきます。

ここまで積み上げた負の描写を後半分でひっくり返すのは絶望的でしょう。

24区をも超えた魔物をすぐにお出ししてくるANIPLEXさんには脱帽です。

7話
キング・クリムゾン?
これまでろくに積み上げてもいませんが、まさかの1話からの物語を雑に全部投げ捨てる暴挙に出てしまいました。

あまり叩きまくるのも良くないので一応良いところを挙げると、有村と宝生が自転車に乗って語り合うシーンや宝生父子のシーンはそこまで破綻していませんでした。そこは良いですね。そこだけですが!ちなみに他は言い方は悪いですが全部クソです。

まあ言いたいことはてぶくろさんと大体同じです。
まず田子さん絡みの話が全部ダメ。偽マツコにペコペコしていた彼女がいつの間に競馬学校に協力する心境になったんでしょうか。偽マツコの体制に思うところはあるような表情をするのが少しありましたが、あんな僅かな変化を伏線と言いたいなら分かり難過ぎる。あそこから察するのなんてまず不可能です。
このようにほとんど描写無しに改心されたので6話の駿の不法侵入の意味が無くなりました。生徒たちの努力は一体。
あと田子さんが罪悪感から有村の印象操作を目的にしたクソ動画を消したわけですが、そんな姑息なことをしてもあれだけの大事に起因した動画は拡散、転載されてネットの海を漂うことでしょう。無意味な贖罪お疲れ様です。
怪我が治りきっていないであろう有村が病院を抜け出し、咎められないのも異常。セレプロの鈴音の入院シーンと全く同じガバガバ具合でデジャブを感じましたね。
もしまた事故に発展したら競馬学校、病院双方に責任を問われるわけですが、そこのところを有村は分かっていたのでしょうか。
ここもてぶくろさんの意見とあまり変わりませんが、競馬学校の試験に本来無関係な芸能事務所が関わり、主導権を握ってるみたいになってるのが意味分かりません。あそこなんであんなになってるのか説明できる方、いらっしゃいますか?少なくともわたしにはさっぱり分かりませんでした。
ミスドクと試験のスケジュールが衝突したせいで起きた予定の繰り上げも、ミスドクの野郎競馬学校に迷惑掛けんなとしか言いようがありません。偽マツコとミスドクまじでシナリオ全編に渡って害しか与えてないんだけど。
生徒たちの取材もろくな積み重ねが無いのでふーんとしかなりません。1から4話が世界観もキャラも広がらない、くだらない話で終わった弊害ですね。しかも何キャラかカットされるギャグみたいな不条理。
大体この辺りで有村はブランクあるのにどうするんやろなあ、と考えていましたが、それは回想で描かれました。
で、その内容がトンチキそのもの。
ミスドクが病院に重たいものを含めた練習器具を大量に持っていくという訳の分からなさ。いくらなんでも無理があり過ぎるでしょ!偽マツコに良いように踊らされていたミスドクも田子さんみたいになんか協力的になったし、偽マツコもいきなり良い奴になってるわでこの話全体が?マークだらけですよ。
偽マツコに言った有村の誰にも負けない騎手になるという言葉も積み重ねゼロだから薄っぺらいし、偽マツコも偽マツコで違約金違約金とあれだけ執着していた有村をあっさり手放すしで、これまでの不快な描写の意味は全くありませんでしたとばかりに全てを闇に葬りました。

この話で個人的にはもう評価はマイナスに振り切ってます。サイトのシステム上最低点である1点にしていますが。

この7話で有村の話に一区切り(笑)がつき、次からトレセン編らしいですが、まあ期待はしないでおきます。

8話
競馬学校編はいきなりすっ飛ばしてトレセン編へ。いつの間にかみんなプロの卵になっていますが、そこに突っ込んだら負けです。

話自体は不要なアイドル設定を捏ねくり回していた7話までと比べて幾分かマシになっています。ただ、この8話は脚本家が変わったかと思うくらい毛色が変わっていて、有村の芸能事務所絡みのゴタゴタばかりを描いた7話までから急に今まで軽んじていた競馬軸にシフトしています。これが原因で8話全体に渡って難解な専門用語のオンパレードになっており、虚無だった前までの話から一転して今度は内容が分かり難くてしょうがない。曲がりなりにもライト層に受けるやり方をとっていたこの作品にあるまじき急激な方向転換で、これまで付き合ってきた視聴者をさらに秤にかけてきます。7話までが酷過ぎることを制作途中で知ってテコ入れをしたんでしょうが、それにしても極端なんですよね。競馬用語はただでさえ難解なのに、この作品のその伝え方といったら映像を挟まない説明台詞ばかりでウマ娘みたいな分かりやすい解説や描写は皆無です。ウマ娘に乗っかりたいならそうした良い点を踏襲すれば良いのに。
しかもせっかくの競馬軸にもかかわらず、馬の扱いは相変わらずおざなりだと思いました。
1部から出ていたキスケが過去の描写も無くいきなり引退を言い渡されたり、これからの目玉であろうオークダイヤモンドの初陣であるレース描写も全カット。ここら辺は今までのダメさをそのまま引き継いでいます。オークダイヤモンドの欠点だった足周りについて、どこをどう改善したのか、それを全部台詞で解説されるだけじゃ話に乗り切れませんよ。
駿の特殊能力もやたらとリアリティ重視で行きたがる傾向のあるこの作品にはいまいち合っていない設定です。素直に優秀な観察眼の方が納得いくと思うのですが。
あとは有村優に対しても色々言いたいですね。もうなんかことあるごとにイライラして当たり散らすただの嫌な奴になってる。正直なところ1部で芸能事務所に対してイライラしまくってる前の彼とそう変わらないです。イライラする対象であった芸能事務所が2部になってしがらみだらけのトレセンの環境に置き換わったに過ぎません。
仮にも主人公の一人なのになんで8話になってもこんなに不快でつまらない奴のままなのか。普通のアニメなら多少は良いところも出るだろうにそれすら無い。魅力を語る以前にイライラして他人に当たる以外の感情表現をしないつまらない奴をどうやって好きになれば良いのか分かりません。脚本家の方は良作のヒューマンドラマを100回くらい見返して欲しいです。長々と続いてる分、3話のグレイス以上に酷いですよ、今の有村。

9話
前回と話の流れはほぼ変わらず、オークダイヤモンドの育成、レースが主体です。
オークダイヤモンドの騎手だった林田さんってなんかずっとヘラヘラしていましたが、若駒ステークスでの敗北の後に駿に向けて言っていることは正論なんですよね。まあ馬を傷つけるかもしれない過激な方法を嫌う駿とは反発してしまうのですが。
そこを知ると結構好感が持てる良キャラなんですが、そんな彼をこのダメアニメはあっさり切り捨てるわけです。とどめに林田さんのレースは全カット、トレセンからの指示に背く以外、特に間違ったことをしているわけでも無いのでつくづく可哀想な人だと思わされます。
個人的には林田さんの後釜になった久慈騎手も根は悪くない人だとは思うのですが、いかんせん必要以上に高圧的な態度が目立って、有村との関係も含めてあまり好きではないんですよね。
加えて久慈さんと有村の関係はいまいちよく分からなくて不気味の一言。
8話にて有村は彼に反発したかと思いきや、後に彼の言葉を振り翳し、同期に当たりました。ここまではまあ分かるんですが、この9話では何事も無かったように正面切って自分の考え方を述べ、1年前のダービーでの彼の真意を探ろうとしました。しがらみに囚われながら先輩の顔色を伺うのを良しとしてぺこぺこしたいのか自分の考えを持って彼と向き合いたいのか、有村の考え方がこの一連の流れで全く分からなくなりました。1章からそうですが、有村の心情の変遷を描くのをこの作品は怠り過ぎだと思います。キャラぶれにしか見えません。
弥生賞における久慈さんのレースシーンはまあまあ。基本微妙なこの作品の中では比較的まともには見えました。CGもそこそこ見られる部類ではありましたし。駿が馬を甘やかすだけではダメだと気付いたのも良い成長かと。ただ、成長のきっかけになった林田さんを一切出さない理由は謎ですが。そこら辺はまさにこのアニメらしいですね。
グレイスの曇らせはなんというか、今メインを張っている駿の掘り下げの邪魔にしかならなそうです。全13話のうち、無駄な芸能界絡みのいざこざで7話も使い潰したので、他のキャラの描写をしている場合かというのが素直な感想になります。

最近観ていて思うんですが、8話からつまらなさ据え置きでクソ真面目になったものですから、段々と笑えないクソアニメになりつつあります。

10話
一見まともだけど、なんか無理のある構成でした。グレイスがメインのAパートはなんかサラッと片付けられましたが、特に目立った破綻は見受けられませんでした。ただ、Aパートだけであっさり終わるくらいなら、あまり要らなかったというのが正直な感想ではあります。内容自体3話の焼き直しに近いですし。グレイスの話はそこで一度ケリがついたのもあって、二番煎じなのが否めないです。
問題はキスケの話がメインのBパート。阪神大賞典を最後に引退するキスケの足の異常をトレセンの面々が気付いていながら駿の言うことを間に受けてスルーし、走らせた結果レース中に致命傷を負って亡くなってしまうといった流れ。
いくら駿の腕を買っているとはいえ、たかが訓練生の言葉をプロの大人たちが揃って間に受けてキスケの怪我の兆候をスルーするのは酷い。駿の特殊能力は具体的な根拠も示せていません。オークダイヤモンドの成功例があるとはいえそれはまだ一回きりだし、根拠・情報不足の怪しい能力に全てを委ねるにはあまりにリスキーです。現状調教の参考になる程度の能力止まりで、まともな大人がおんぶに抱っこするような魅力ある能力では断じてないです。なんで思考停止で全部託す流れになってるのか本気で理解に苦しみました。任せるとは言っていたけど、未熟さが残る駿のバックアップすら放棄している大人たちの無責任さには唖然としました。無理矢理に駿を挫折させる口実を作りたいようにしか見えません。一応マスコミがどうとか理由をつけてましたが、馬のためにそれをどうにかするのがトレセンの大人でしょうに。これじゃあ駿に頼ってるんじゃなくて単なる依存ですよ。大人たちが無能にも程がある。
挫折させる展開を作りたいならこのアニメお得意の突発的な展開で充分だったし、どうしても駿の特殊能力にアプローチしたかったのかなぁ。

いくらなんでも展開に無理があり過ぎて笑えてきましたね。

11話
また酷い回でした。
大まかにまとめると、オークネイチャの死で未来ちゃんに色々言われた駿が北海道の馬牧場まで逃げたことを知らされた有村が彼を説得しに向かう話です。
駿は冷静さを欠いていたとはいえ、連絡無しで厩舎を抜け出して挙句アポ無しで牧場に行くって展開はちょっとどうなのでしょう。普通に厩舎に迷惑掛かってましたし、ちょっと自分勝手が過ぎると思います。寮に閉じ籠るとかじゃダメなの?あと駿がオークネイチャの調教に携わっていたとはいえ、馬主が彼を働かせるのも変かな。駿が頼み込む描写などがあれば別ですが、案の定無いので。
有村が仔馬の前で怒鳴るのも酷いですね。前までの話だとグレイスとか久慈さんとかも馬の前で怒鳴ってたけど、この酷い展開何回やる気?ヒューマンドラマだとよく誰かが誰かを怒鳴る展開があるのでこれ自体は良いのですが、このアニメの場合は場所を弁えましょう。馬を大事にしていないのがよく伝わってきます。
馬は繊細な生き物なのは学校の授業で習っているはず。いくら駿に怒っているとはいえ、一年以上在籍しているのに全く意識していないのは問題ではないでしょうか。そういう点から見ると、よくヒスを起こす久慈さんはプロ失格な気がしますが。
その後の問い詰めない形での、有村の駿への寄り添い方や仔馬がオークネイチャの弟だったシーンなどは悪くはなかったです。キスケのお化けが出て来るシーンは爆笑ものでしたけどね。
一番酷いのはトレセン編の結にあたるBパート後半。7話並みに巻いていて、感情移入も何もあったものじゃないです。それに4話も使っておいて誰の何が成長したのかを描けていないんですよね。グレイスや駿は退化したのが元に戻っただけですし、有村も変化はあまり見られなかったです。他のキャラはそもそも掘り下げが無いので論外。
わたしとしては一番気になったのが駿と未来の関係の顛末ですが、そこはスルー。ついでにオークダイヤモンドのレースもカット。あの、この辺りは今回の話の肝なはずですが、スルーはおかしくないですか。まさか、あそこから五ヶ月も経って一度も会わなかったとかではないですよね。描写無しとかまとめ方下手過ぎません?

2章もダメだったなぁ。最初こそ評価は多少上向きにはなりましたが、結局7話時点での低評価に戻りました。

12話
話は一応それっぽいけど過程の描写が全く追い付いてなくて論外。今回は今まで空気だった牧にスポットが当たるんですけど、成長過程の描写ゼロな上になんか急にイキリ始めてみっともないったらありゃしない。いやまあ、成長して帰ってきたキャラが事情があって嫌な奴になるってよくある展開だけど、その事情が今更過ぎてあくびが出るくらいつまらない。オレには努力しかないとか言ってましたけど、こんなの1章で消化すべき内容です。まじでアイドル要素呪いの装備ですね。置き土産のごとく後の話もことごとくつまらなくしてる。
7話も使い潰してJO1ファンに必要以上に媚び売りまくるからこんなことになるんですよ。主題歌採用とかゲスト出演くらいは全然良いんですけど、スポーツジャンルであるこのアニメにとって異物でしかないアイドル要素を本筋にガッツリ絡ませたら視点が定まらなくなって話がぐちゃぐちゃになることくらい誰だって分かっていたでしょうに。
牧は中盤辺り有村にイキリ散らすけど、それが的外れ。有村は事務所でのゴタゴタで散々な目に遭っていたし、一概にアイドルが良いステータスだったとは言えません。しかも違約金まで背負ってるし、アイドル業界とはもうすでに決別しています。どちらかというとディスアドバンテージだと思うですが。
各キャラの描写の無さを擁護するつもりは無いですが他のキャラだって決して自分のステータスにあぐらをかいていたわけでは無いし、それに由来する苦労もしている。序盤でこういう展開になるならまだしも、長い付き合いの癖にそんなことも感じ取れないとか牧は同期たちのどこを見ていたの?
てぶくろさんの言う通り、このアニメはキャラクター同士ギスギスさせることでしか話を展開できないので観ていて毎度めんどくさい奴らだなとしかならず、今になってもキャラクターに魅力を感じるのが難しいです。終盤にもなってまさかこんな展開を見せられるとは思いもしませんでした。セレプロでもここら辺はもうちょっとマシでしたよ。
馬の描写も今までで一番劣悪、というかあまりカットしなかったのでダメさが浮き彫りになった形でしょうか。CG以外の馬の作画はついに微動だにしなくなりました。駿による馬のお世話シーンは木馬でも磨いてんのかなって思いましたね。CGも低品質でレース描写も話にならない。大量にあるツッコミどころはさることながらこういう雑なことするから競馬ファンの怒りに触れるんですよ。

今回の話もまあ酷かった。クソアニメとしてつつく分には楽しいですがね。次回はいよいよ最終回。結末はある意味気になりますね。

13話
最終回。
こちらもざっと見ての感想はてぶくろさんと概ね同じですかね。今までの描写の薄さによるツケが回ったのをなんとか誤魔化そうと、7話みたくそれぞれのキャラクターたちの結末を薄っぺらく語る形で適当にダストシュートに放り込んでいきます。
牧は同期たちの事情を知っている上で性悪なままとかいうとんでもキャラになったし、桜庭は描写すらされない親父との確執を謎に引っ張るし、グレイスは一歩進んで二歩下がった上に教官の変な言葉遣いを無駄に継承するし、秋樹や霜月はろくな掘り下げが無い始末だし、これだけ見るとこれまでの話はなんなんだって思います。
わたしとしては偽マツコの再登場に心躍りましたね。有村の両親死んでましたとか、偽マツコが本当に彼の親代わりでしたとか、キャラクターを構築する重要なファクターである設定たちが最終回でさらっと流されていきます。
あと、有村を大事にしてきた風なこと言って全てを水に流そうとしても無駄だからな。有村に違約金背負わせたり退学をちらつかせて脅したりと、今更DV加害者みたいにいきなり優しくなられてもやってきたことが外道過ぎて感情移入なんてできません。
未来ちゃんと駿の顛末もお粗末。描写無しでキスケのこと精算しましたって……美味しいところなのになんで描写しないの。あんだけお膳立てして描かないとか意味分からない。これを差し置いて描写するべきかなって思ったのは案の定あまり無いし、ほんとこのアニメはつくづく取捨選択が下手ですね。
あと有村が駿からよく分かんない特殊能力を受け継ぐのも笑いました。てぶくろさんの言う通り、ほんとオールマイトかな?世界観にそぐわないことされても白けるんですが……。
ここまでぐだぐだだと時折挟まれる競馬シーンに没入できるわけもなく、クソアニメのまま最後まで突っ走っていくのを見届けるだけになりました。

総括すると、これはまごうことなきクソアニメです。クソアニメとしての戦闘力は同じアニプレックス枠で比較すると東京24区よりも高いと言えます。この作品はシナリオ、作画、キャラクターに致命的な問題を抱えており、肝心の競馬描写もガバガバときていてどうしようもありません。
アイドル要素やJO1の声優起用などを振り返ると、無理にJO1とのタイアップを図ろうとした結果、ここまで歪になったとわたしは邪推しています。ウマ娘に続く二匹目のどじょうを狙うあまり、目先の金に目が眩んだ末路だとしたら、これ程の反面教師は無いでしょう。

投稿 : 2022/06/27
閲覧 : 1725
サンキュー:

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