「最果てのパラディン(TVアニメ動画)」

総合得点
69.6
感想・評価
302
棚に入れた
961
ランキング
1707
★★★★☆ 3.4 (302)
物語
3.4
作画
3.3
声優
3.4
音楽
3.3
キャラ
3.4

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buon さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

心を育み、祈りを捧げ、生きる

神も悪魔もいる、魔法もあるのに自然な世界。

荒廃した街で不死者3人と暮らしているのが主人公ウィル、
赤子のときから養われている。
この3人は過去の英傑であり、ウィルは幼き頃から英才教育を受ける。

15歳で成人となり、信仰を捧げる神を見出し、旅立つ。
それは育ての親でもある3人と、彼らが不死者であること大きく起因する。

悪魔も魔獣もいる世界での険しい旅が始まる。


さて、最果てのパラディン、
名前が既にかっこいい。

異世界転生ものではあるが、おそらく転生者は主人公のみだろう。
転生ものの特典は一般的に最強、チート、(舞台の先を行く)現代の知識だが、
今回は性格と動機付けと現代日本で通じる言葉ぐらいだろうか。
主人公の能力と性格を形成するのに異世界転生なしでもできたであろうが、
それをしてしまうと成人になる頃に1クール終わるだろう。
また血筋やら何やら別の問題(物語としての課題)も出てくる。
異世界転生にこういう使い方もあるのだとちょと感動した。

ウィルは新成人である15歳の中では最強だろうが、人間の枠からはみ出しはしない。
強くはあるが将棋で言えば飛車か角、チェスならクイーンに値するが、
その程度だ。
一度に2枚の駒は落とせないし、飛び越えることもできない。

魔法や祝祷術は優れてはいるが、ド〇クエやF〇の魔法の効果を超えるものでもない。
神ですら人間の手が届かない強さにない。
神も悪魔もいる世界観として、とても現実的なのだ。

ウィルは神官であり、物語に大きく信仰や宗教が関わっていることもすごい。
物語における信仰は非常に色濃い。
神と信仰は生活だけではなく個々人の性質、能力を大きく左右する。
目に見える影響を及ぼすため異常に見えるが、
神と人、信仰と生活が近い、近くなる状況下では自然なことかも知れない。

海を割く、とまでいかなくとも、
神の涙として貴重さを演出し過剰摂取を抑える、
使う手を分けることで衛生面を改善する、
断食をすることで飢饉や疫病を乗り切る、
祈りを捧げることで生活習慣を構築する、
神の使いとして貴重な栄養分と労働力を確保、
汚れとして疫病や接触の危険性を避ける、はたまた燃料の確保、
宗教の習わしは生活に密着しているのだろうな、
と発展途上国にいるとつくづく思う。
神話や逸話は拠り所、あるいは娯楽であったのかも知れない。
 ※刺さないでね♪

最近、宗教や信仰が近く感じる(ラマダン)ので、この作品が染み渡る。

ともかく、
この作品は、厳しい世界で生きる心優しく強い、これから強くなる人たちの物語だ。
多分、続きはやれない。
こんな感じの心がほぐれる、ただしとても厳しい現実的な作品、もっと増えないかなぁ。

投稿 : 2022/04/23
閲覧 : 146
サンキュー:

14

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