「Vivy -Fluorite Eyeʼs Song-ヴィヴィ フローライトアイズソング(TVアニメ動画)」

総合得点
85.4
感想・評価
764
棚に入れた
2481
ランキング
238
★★★★☆ 4.0 (764)
物語
3.9
作画
4.2
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
3.9

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ネタバレ

カミタマン さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

VIVYとマツモトさんの掛け合いが病みつき

2022/05/18 初投稿
2022/05/19 微修正

見始めて間もなく違和感を抱きました。
「AI」の定義はどうなっている?
説明されてたような気もしますが・・・迷子になってしまいました
普通AIと聞けばartificial intelligenceの省略,人工知能を連想します。(「アルデバランを歌っているのはAIです」と言う文章はちょっと例外になりますが・・・)
経験から学習し,自立的に行動する制御プログラムのイメージです。
ところが,本作ではハードウェア込みでAIと呼んでいます。
人間で言えば精神世界的なアーカイブ内(なぜ戦前の音楽室っぽい部屋?)ですら,リアル世界でのボディーの姿(しかも何故かセーラー服w)です。
100年という時間をAIに過ごさせることを考えれば,ハードウェアはどんどん進化し,新型のハードウェアにそれまでの学習という経験値を蓄積したAIをコピーしてインストールするのが自然のような気がします。
おそらくAIの高スペック化が核となるストーリーとの親和性が低い事と制御プログラムとボディーが一体型の方がキャラクターとして描きやすいという都合を優先した設定かと思われます。

これらAIには設計段階から明らかな格差が設けられているようです。ドローンのような機種(マツモトさんはこれの発展系でしょうか?)作業用ロボット的な機種。人間に近い形はしているが個性の無いからくり人形のような顔の機種。そしてカースト最上位にVIVYの様に人間と区別できないような容姿(というか,おそらくワンオフで注文主の好みに合わせ作られた容姿)を与えられ,機動性や強度など過剰な程のスペックを与えられたもの。(100年後の世界では警備タイプ?など男性タイプもあり量産されている模様)劇中ではAI人権法が制定されたという描写がありますが,どのタイプのAIにも人権が与えられたのでしょうか?そして,カースト最上位の機種については100年後を除けば女性タイプばかりで,なんとなくアダルトな用途にも対応可能な設計なのかと推測されます。人間(男)とAI(女)の結婚というのもありましたし・・・

AIの設定に引っかかりを感じながらも,作品にあっという間に引き込まれました。
とりわけ,核になるヴィヴィと松本さんのキャラクターが声優さんの演技と相まってたいへん魅力的でした。(ただし,ヴィヴィの見た目に関して自分は今ひとつと感じました。むしろエステラの方が魅力的に見えたのですが,やはりヴィヴィは第1号なので造形にこなれていない感を出したのでしょうか?それとも単なる自分の趣味の問題なのでしょうか?w)

ストーリーも謎や伏線をちりばめ,回収しながら2話1セットくらいのペースでテンポ良く進んでいきました。
個々のエピソードに関しては,特に中盤くらいまではすごく面白く感じました。
中盤以降は詰めの甘さというか,尺の足りなさがかなり気になりました。
端的な例を挙げると,{netabare}終盤に複数回タイムリープをしますが,物語冒頭の1回のみならまあそれほど気にならなかったのですが,さすがにタイムリープについての技術的な説明が全くされないまま,繰り返されるとご都合主義が過ぎるように感じました。{/netabare}
一方で秀逸に感じたのが,「歌でみんなを幸せにする」という使命!これはなかなか深い使命に感じますし,それをあえて史上初の自立人型AIに使命として与える事の意義はなかなかのセンスを感じます。プログラムには解けない曖昧な命令です。AI(人工知能)の学習の蓄積によって何をゴールにするかが初めて定義される類いの使命をあえて与えたわけです。もう少し掘り下げても面白かったかも知れないポイントです。
シンギュラリティー(Singularity)とか阿頼耶識とか厨二心を刺激するような単語もちりばめ雰囲気作りは悪くなかったと思います。

作画はたいへん綺麗だし動きもすごかったと思います。特にアクションに関しては,「進撃の巨人」や「甲鉄城のカバネリ」の経験値を生かした素晴らしい作画でした。ただし「歌でみんなを幸せにする」AIがなぜ?と思いはしましたがw得意な分野を生かすことは商業的に成功するためには欠かせないと思うので,これでいいと思います。

音楽面はさすが神前暁です。BGM,EDは良かったです。EDはすごくいい曲なのですが{netabare}何かが欠落している感じでした。とおもったらああ!そんな仕掛けが!!8話で作曲者名に変化が起こり,最終話挿入歌として完成します!しっかりと主人公が「歌でみんなを幸せにする」AI設定を生かしています。{/netabare}
しかし,ボーカル付き楽曲になると,設定がアイドル的な歌手AIなので自分の趣味としてさっぱりささらない楽曲ばかりで残念でした。ディーバ(歌姫)という本名よりヴィヴィという愛称を優先させた設定に引っ張られたのでしょうか?


総合的に面白いか?勧めるか?と問われれば,

答えは

「面白い!!見るべき!!」です

自分としての一番のおすすめポイントは

ヴィヴィとマツモトさんの掛け合いです

自分としては,「キャラクターの掛け合いの魅力を堪能させてくれる」そんな作品です。

評価の星の数はオリジナルアニメという点を加味しています。

投稿 : 2022/05/19
閲覧 : 339
サンキュー:

33

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