ひろたん さんの感想・評価
4.1
物語 : 4.5
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
五人の関係は正五角形(ペンタゴン)
物語の前半は、試験勉強に向かって五人が力を合わせて頑張ります。
そして、その過程で5人それぞれが自分と向き合い、成長して行く姿が見ものです。
物語の後半は、いよいよ5人それぞれが自分の恋に素直に向き合う時が訪れます。
前半と違い、五人五色の考えや行動を見せてくれます。
自分の気持ちに素直になれない子、積極的な子、消極的な子。
まわりを気にして空気を読む子、自分のことよりまわりを心配する子・・・。
この多様性が恋愛ものとして、とても面白い展開になってきます。
■五人の関係は正五角形(ペンタゴン)
{netabare}
なぜ五つ子なのかな?とちょっと考えてしまいました。
姉妹で同じ人を好きになる物語には、いろいろなパターンが考えられます。
恋愛なので最後は姉妹の中から一人が選ばれます。
それでも、姉妹の絆を保ったまま、最後は清々しく終わらせたいことがテーマです。
そう考えるとやはり五つ子がベストなのだろうと思います。
まず2人だと、ライバル同士になるのでドロドロになるだけです。
どちらかが身を引いたとしても、なんとなく天秤は傾いたままです。
次に3人だと、一見、安定しているようで実はそうではありません。
女の子3人は、2人が結託して、2対1となることが多いのではないでしょうか?
すると物語的に誰かが負けていく展開となり、面白くはありません。
逆に4人は、綺麗に2対2となることがあり、これも面白くありません。
そこで5人です。
5人の関係を図形的に考えてみたいと思います。
もちろん、顔が全く同じ恐らく一卵性の五つ子なので正五角形ですよね。
そこで、この正五角形に対角線を引くと星の形ができます。
この星の形は、五芒星と言われ、とてもきれいな形が特徴です。
その理由は、対角線が全て同じ長さだからです。
この性質を持つ正多角形は、正方形と正五角形の2種類しかありません。
また、1辺の長さと対角線の長さの比は「黄金比」と呼ばれています。
この「辺」と「対角線」を5人の人間関係として考えるとその面白さは見えてきます。
例えば5人が分裂したとしても、その対角線の長さ、つまり、距離感は同じなんです。
もちろん隣の「辺」と「対角線」の長さは違うじゃんと言う指摘もあります。
そこで、今度は、「辺」と「対角線」の長さは、「黄金比」と言う絶妙な比率。
「辺」と「対角線」の長さに差があるからドラマとしての面白みになります。
それでいて、破綻しないきれいな人間関係になるのが正五角形なのです。
5人の距離感をみているとエピソードによって近くなったり遠くなったり。
でも、近い角をつなぐ「辺」と遠い角をつなぐ「対角線」が描く図形は綺麗です。
すると、ドロドロになりそうな手前でちゃんときれいにバランスを保ちます。
つまり、何があっても、きっと強い絆で結ばれたままなので仲直りができるんです。
正五角形が持つ不思議な特性越しに、この5人を見ることができます。
まぁ、確かにこじつけです。
でも、観ていると不思議とそんな感覚になれる作品です。
例えば、今、この二人は、「辺」の距離感で、別の二人は「対角線」の距離感だなとか。
でも、それでいて、みんながちゃんと同じだけ関わっている、そんな感じです。
ちなみに5人が住んでいるマンションの名前は、「PENTAGON(正五角形)」です。
なんとなく5人の関係と正五角形は、必然性を感じます。
{/netabare}
■まとめ
人間関係について、図形的に考えてみるのも面白いかもしれません。
でも、これは、突拍子もない考えではありません。
なぜなら、よく「三角関係」と言うように図形的に考えることは多いです。
さて次は、いよいよ劇場版。
この物語は、結末が分かっていながら、その結末が分からないと言う大きな矛盾、
それこそが最大の見せ場となります。
つまり、結婚するのは分かっている、でも、5人のうち誰かが分からないのです。
さて、どうなるのでしょうか?
やきもきしますよね。
5人は、今までなんでも仲良く五等分と言うモットーでどんな問題も解いてきました。
でも、今度の問題は、5等分できません。
とても「難問」ですが、5人は、どのような「解答」を導き出すのでしょうか?
「赤点」回避はもちろんのこと、みんな合わせて「100点」でもダメですよね。
今度は、みんなそれぞれ頑張った結果の点数を見せてくれると嬉しいです。
そして、誰よりもこの「難問」を解かないといけないのは、主人公本人です。
劇場版が楽しみです。