「攻殻機動隊 SAC_2045 シーズン2(TVアニメ動画)」

総合得点
70.3
感想・評価
60
棚に入れた
249
ランキング
1550
★★★★☆ 3.7 (60)
物語
3.5
作画
3.7
声優
3.9
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

detteiu さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.6
物語 : 1.0 作画 : 4.0 声優 : 3.0 音楽 : 4.0 キャラ : 1.0 状態:観終わった

シマムラタカシが失敗の原因

つまらなかった。個人的には1期以下の評価。
1期はバトーの銀行強盗とか寝たきり&撲殺ポストヒューマンの回とか色々面白いところはあったが、2期は酷い。

色々考えてみたけど、たぶんシマムラタカシってキャラが失敗だったんだと思う。
陳腐な表現だけれど、ラスボス的な立ち位置のキャラが社会構造の大変革を望んで、行動に移すって流れはSAC2のクゼ・ヒデオと似ている。
でもシマムラタカシはキャラクターの構築に完全に失敗してる。

ポスト・ヒューマンという喋らないキャラにしてしまったせいで、クゼ・ヒデオと違って自分の思想を語らなくなった。
その結果、クゼは自身の魅力と思想で難民を集めたのに対して、シマムラタカシはよくわからんウイルス的なアプリで人々を集めたって設定になってしまった。
「郷愁」があると「N」になる、って設定はあるけど、それでは魅力で集めたってことにはならない。
作った側からしてみれば「同じことだ。シマムラの考えに同調した同志なんだ」って意見かもしれないけど、視聴者としてはそうは思えないんだよね。

設定先行で心がついていかない。設定だけがあっても、クゼと難民の関係と違って1ミリも共感できる要素がないから、なんで百万人だか集まったのかさっぱり分かんない。
分かんないから「なんかウイルス的なもので強制的に集められたんだな」と解釈する。今までの他のポストヒューマンのやり口がそうだったからね。

一期の最後の辺で語られたシマムラタカシの感染前エピソードも、視聴後に見てみればよくわからない。
結局、あれが「人類全体をなんとなくフワフワした幸福な状態にして幸せを作ろう」って動機とは繋がらない。
んで結局、わけわからんキャラがわけわからん事をして、少佐が負けたっぽい、って最後になってしまった。

というか、1984って小説は自分も読んだけど、世界観が物凄く奇抜で特殊な小説なんだよ。
奇抜でありながらも、その設定が国家の本質のようなところを突いている部分が魅力の核心。
混ぜるにしても、政治的なエッセンスを思想として混ぜていくんじゃなくて、単に奇抜な設定を別のSF世界観を持つ攻殻機動隊と混ぜて融合させたってなもんだから
全然好反応になっていない。SAC1では「ライ麦畑でつかまえて」が題材として取り込まれたわけだけど、2045は意味が分からない。

(例えば、国家体制に従順な役人は現体制の崇拝者でなければならない。だが盲信的な人材は現実に発生してくる諸問題を解決できないから、処理能力が低下して機能が麻痺してしまう。なので、体制が過ちを犯した時は懐疑的になりながらも、一方で盲信的に体制を信奉するという矛盾した思考が求められる。それがダブルシンク……なんだけど、その設定の理念や魅力的なところは使わず、上辺のワードだけ使ってしまった)

「経済的繁栄を目的としてデザインされた継続可能戦争」とかのアイデアは丸々借りてきて設定的には便利だったんだろうし、実際に1期ではちょっと面白かったけれども、2期では1984からの借用がすべて失敗してつまらない結果に繋がってしまっている。

投稿 : 2022/05/26
閲覧 : 272
サンキュー:

3

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