「ストライク・ザ・ブラッド(TVアニメ動画)」

総合得点
84.8
感想・評価
2764
棚に入れた
16805
ランキング
259
★★★★☆ 3.8 (2764)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.8
音楽
3.7
キャラ
3.9

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ひろたん さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

吸血鬼・ザ・時代劇

評価が高いわりにはエロが過ぎると意見が割れている作品です。
さて、どんなもんだろうと興味本位で観てみました。

■吸血鬼+エロは、昔からある王道のジャンル

若く美しい女性のうなじに噛みついて吸血する変態的要素。
これは、吸血鬼の元祖ドラキュラからずっと変わらない組み合わせです。
この作品のエロ要素は、男性目線と思われますが必ずしもそうではないようです。

Newsweekの記事によれば、2009年には、吸血鬼が大ブームになったそうです。
ドラマ『トゥルー・ブラッド』、映画『トワイライト』シリーズがその代表です。
このブームを牽引したのは、もちろん女性です。
どうやら、そこには女性の「好きにされたい」願望があるようです。
吸血鬼ファンの女性の大半が吸血鬼を退治する側になりたいわけではないそうです。
つまり、吸血鬼に襲われたいという願望を抱いていたと言うことのようです。
ある教授によれば、「吸血鬼の神秘性は90%が性的なもの」だそうで・・・。
この作品も例にもれず性的衝動と吸血衝動を結びつけています。

この作品の原作は、2011年です。
そう考えると、ちょうど吸血鬼ブームに乗った作品だったのかもしれません。
と、言うわけで、吸血鬼とエロは、昔からセットで1つのジャンルです。
ですので、この作品のエロについてもそう言うものと思って見るべきなのでしょう。

また、最初から女の子達を吸血しまくれば最強になれるのにと思わなくもありません。
でも、この物語のエンターテインメント性は、吸血鬼にあります。
やはり視聴者が求めるのは、段階を踏んだうえでのクライマックスとしての「吸血」。
そこにあるのは、男性は支配欲、女性は好きにされたいと言う願望。
それが、昔からの吸血鬼物語の王道の主題。
最初に吸えるだけ吸い尽くすじゃ、ただのホラーであり、根本がずれてしまいます。


■「ワンパターン」と見るか「時代劇」と見るかで面白さが変わる

この作品は、3話前後を1セットにしたチャプター形式をとっています。
つまり、チャプターごとにクライマックスがあり、一旦、締めます。

そして、各チャプターのクライマックスは、いつも同じ展開です。
まず、主人公が「ここから先は俺の喧嘩だ」と言います。
次に、ヒロインが「いいえ、先輩、私たちの喧嘩です」と付け加えます。
必ずこの二人の決めゼリフの後に敵を成敗します。例外はありません。

これを「ワンパターン」として見てしまうとこの物語は面白くありません。
これは、「時代劇」と同じなのです。
このシーンが出てきたら、「いよっ、待ってました!」となるそれです。
「遠山の金さん」の「この桜吹雪」と同じです。
「水戸黄門」の「この紋所」と同じです。
毎回、これがないと締まりません。
これこそ、視聴者が一番楽しみにしているシーンなのです。

ちなみに遠山の金さんは、いつも町娘に「金さん、金さん」って言われてモテます。
この作品の主人公もいつもみんなに「古城くん、古城くん」って言われてモテます。
なんだか、ますますこの作品がベタな時代劇に見えてきます・・・。


■まとめ

意外と真面目な「吸血鬼」と言うジャンルの作品でした。
つまり、それは、エロを禁忌とせずにちゃんと取り込んでいると言うことです。

また、驚くのは全24話をサクサクっと一気に観れてしまった点です。
こんなにもワンパターンな展開なのになんで?と思います。
それは、逆にワンパターンだからこそです。
つまり、3話前後で話がちゃんと完結するから、中だるみがないのです。
そして、毎回、決めゼリフを「待ってました!」の時代劇だからです。
毎回ワンパターンだと分かっていながらも、ついつい観てしまう、
それが「ザ・時代劇」なのです。

意外と楽しめた作品だったと思います。

投稿 : 2022/06/09
閲覧 : 579
サンキュー:

19

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