「映画 海辺のエトランゼ(アニメ映画)」

総合得点
計測不能
感想・評価
44
棚に入れた
104
ランキング
4609
★★★★☆ 3.7 (44)
物語
3.5
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.3
キャラ
3.7

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ひろたん さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

BLも百合も根本的な違いはないことに気づかされる作品

この物語は、男性同士の恋愛、つまり、BLです。

でも、あることに気付きます。
それは、この物語は、仮に男性を女性に置き換えても違和感なく成立するからです。
これは、意外でした。
BLにはBLの、百合には百合の、それぞれ特有なものがあると思っていたからです。

でも、こうやって、男女入れ替えても話が成立すると言うことは・・・、
BLも百合も根本的な違いはないのではないかと言うことに気づかされます。

仮に男女と言うものが両極端の存在だったとします。
もし、BLに登場する男性がより女性に近づいた存在なのだとしたなら、
もし、百合に登場する女性がより男性に近づいた存在なのだとしたなら、
それらの男女の心は、根本的には違いはないのではないでしょうか?
たまたま外見が男性ならBL、女性なら百合と言うだけのことです。
同性を好きになってしまうことに男女の違いはないのではないかと思ってしまいます。

この作品の原作者は、女性です。
そのため二人の男性を女性的な雰囲気で描いていたからそう思えたのかもしれません。
でも、それでもいいんです。
世の中にはこう言う人たちがいて、こう言う恋愛もあるんだと気づかされたからです。

この物語の登場人物は、同性を好きになってしまうことに躊躇い、悩み、苦しみます。
自分たちは、気持ち悪い存在なんじゃないかと悩むのです。

自分たちは気持ち悪いと思うのは、まわりが多様性を受け入れていないからです。
しかし、実際は、受け入れていないと言うより、分からないのだと思います。
当然、その中にいれば同性を好きになることは気持ち悪いことだと思い込みます。
でも、自分の気持ちに正直になればなるほどその気持ち悪さとのギャップに悩みます。

私たちは、多様性を受け入れるべきだと頭では分かっています。
でも、実際には、同性を愛すると言うことは、感覚では分かりません。
そのため、表面上は多様性を肯定しつつも、根本的な部分で違和感が残ったままです。
それが、見えない空気となり同性を好きになった人たちへの無言の圧力となります。

しかし、この物語では、世の中は多様性を受け入れるべきだとは主張しません。
あくまでも大切なのは、自分たちの気持ちだと言います。
そして、世の中にどう思われようとも、自分たちに素直になるべきだと言います。
とても地に足がついた主題でよかったと思いました。


■まとめ

この作品は、私が初めて観たBL作品です。
ちょっとドキドキしました。
それは、内容ではなく、禁断の扉を開けてしまったのではないか感の方です。
初めて百合作品を観たときも同じことを感じました。
また、新しい世界を知ってしまったのですね・・・。

私は、他の作品とは比較ができませんのでこれがどの程度のBLかは分かりません。
でも、キャラデザも好感が持てましたし、絵もとても綺麗で観やすく爽やかでした。
なによりストーリーや登場人物たちの心情がとてもしっかり描けていたと思います。
BLを観たことがない人やちょっと苦手だなと思っている人でも大丈夫だと思います。

ただ、私は、やっぱり恋愛は男女がいいなと思ってしまいました・・・。

投稿 : 2022/06/29
閲覧 : 227
サンキュー:

12

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