「プリマドール(TVアニメ動画)」

総合得点
67.3
感想・評価
137
棚に入れた
418
ランキング
2441
★★★★☆ 3.4 (137)
物語
3.2
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

TaXSe33187 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.3
物語 : 1.5 作画 : 3.5 声優 : 3.0 音楽 : 2.5 キャラ : 1.0 状態:今観てる

厳しい

戦争に使われた人形が主人公の泣かせにかかるやつ
key作品だけど麻枝脚本ではないので、神様になる日が来ないことを期待してる

{netabare}1話の感想としては、キツいの一言
最低限の舞台設定を提示しつつも、主軸はよく知らん脇役とよく知らん脇役の悲しい物語
主人公が何者で、周りの人形や軍人がどうして喫茶店をしてるのか不明
なんで女性型なのか不明、人形が戦争でどんな役割かは曖昧

土台が何も定まってないのに脇役がピーピー泣こうが割とどうでも…
なんかもう安っぽすぎてマジで無しか感じられない30分だった
「AB!」で例えれば1話で目覚めた直後の陽動で岩沢が消える感じ
そして消えた岩沢さんに音無が感情移入してる姿を見せて1話が終わるやつ
この人がすごいんだなーとか、こんな世界観なんだなー、を提示する前にやる話じゃない
脚本家が違うからこの例え方は不適切かもだけど、ほんと悪い意味でkeyっぽい

提示してる情報も少ないし、メインキャストの絡みもほぼない
キャラをチラ見せしただけで、この1話って存在する意味がそもそも無いよね…?
こんな脇役話じゃキャラ紹介としても微妙だし、感動演出も過程が出来てない
なんか後半で伏線回収とかやってドヤ顔してきそうだけど、全情報伏せてんだから伏線もクソもない
1話のシナリオに関してはほんと見るべき点がなかった

キャラに関してはビジュアルが可愛い
キャラ付け、特に性格面はもうキツい
これも「戦争に使われた過去」の振りなのかな?
視聴者のメタ視点で意味付けしてやらないと主人公がただイタいだけに見えてしまう
素直にドジっ子可愛い!と思えないのはキャラ造形が雑なのか自分が捻くれてるのか…

歌に関しては現時点ではちょっと…
アニメの曲って基準では特に問題ないんだけど、この企画は歌を押し出してるわけじゃん?
歌をウリにしようとしてる割に、キャラに合わせすぎて歌唱のクオリティを楽しむのが難しい
まぁ1話は脇役回だし、ロリを中心に歌ってると思えば理解出来なくはない
ここから本格始動すると歌もしっかり歌うのかな?
{/netabare}

1話に関してはマジでキツかった
裏返した紙切れを見せて「アレもコレも伏線なんやでぇ〜」なアピールをし、
顔面にハンカチを押し付けて「こんな可愛い子が泣いてるなんて感動すんだろぉ〜?」と強要する
そんな空気が終始漂っていて全然のめり込めなかった
2話でちゃんとメインキャラに焦点が当たってからが本番かな…


3話視聴
これは駄目なやつだ…
なんか古い時代の泣きADVの個別ルートを序盤から見せられてる気分
共通ルートが長すぎて崩れた「神様」と対極的なんだけど、ゲーム的なシナリオって意味では同類

{netabare}一番の問題はメインヒロインの灰桜
このキャラがあまりにも記号的な萌キャラで、見ていてストレスになってる
灰桜の存在自体が伏線(伏せる気ねーから伏線失格だけど)だからか、バックボーンがない

物語でやってることをそのまま並べると、

「ドジっ子で失敗を繰り返し、
周りの人形の過去を無遠慮に聞き、
「自分の思う良いこと」を相手に強要し、
なにか困ったことがあれば歌って誤魔化す」

この辺りってほんとにエロゲ的、記号的な個性付けで、アニメの主役にするには割と厳しい
「健気で可愛い女の子だから」「後半で悲しい過去が明かされるはずだから」
そういうメタ的な目線で言い訳をつけてあげないと、この子の言動を受け入れるのが難しい

何より問題なのは、この言動を周りが全肯定していること
明らかに性格的な難があるタイプなのに、周りとの衝突が一切ないせいでご都合めいた空気になってる
設定は戦争だの初期化のリスクだの重みがあるのに、その「重み」を受け止められていない

全体の構想的にキャラ紹介を1話ごとにきっちり消化したいって意図が強すぎる
キャラ同士の衝突を描くには話数が足りないから、灰桜の言動に反発する展開には出来ないんだろうな
そのせいで「灰桜に都合のいい世界」みたいな薄さがでちゃって、世界観と摩擦が起きてる
キャラが泣こうが笑おうが、これじゃ何も感じられないかな…

あと、仲間を死地に送り出した過去から声をだせなくなった、なんて1話で処理していい問題じゃない
話数が足りないから灰桜を積極的に動かして、
話数が足りないから灰桜のお節介が全肯定されて、
話数が足りないからキャラの悲しい過去は即精算されて、
話数が足りないから場面に見合わない個別の歌を強引に歌わせる
せめて偵察兵の子みたいに後半に引っ張る形なら気にならないのに…

それぞれのエピソード自体は気になるところがあるのに、ノルマ処理みたいなサクサク感で白けてしまう
せめて各エピソードを2話前後編でやってたなら個々の人形の気持ちを掘り下げられただろうに
「戦争が遺したもの」なんてどれ一つとっても映画一本分になるくらい深いテーマなのに、
それぞれを30分弱で片付けられてもついていけない
しかもその処理の中心にいるのが「暴走がちな性格のドジっ子」とくるともう…
{/netabare}

喫茶店にはあと一人、さらに追加でもう一人登場するから、あと2話はこんな薄い展開が続きそう
1クールの半分が薄いってなかなか厳しいけど、後半でどう盛り返すかはある意味見ものかな

歌に関する余談
{netabare}なんかさー、歌ノルマの消化の仕方が雑すぎない?
各話で必ず歌わせるけど、でも歌の入れ方も歌唱の質もどうにも半端
つーかこんだけ歌を押すならミュージカルに振ってもいいと思うわけよ
あるいは人形の機能として歌をメインに据えて、「リンクした人形の指揮に歌を用いた」とか
「どうしてそこで歌なのか」があまりにも雑

歌をメインにしたいなら、こんな変化球やらずにアイドルアニメでいいでしょ
あるいは喫茶店でなく小劇場みたいな感じでもいい
シナリオと歌の繋がりが薄いせいで、感動ノルマと歌ノルマを無理に押し込めた感じになってる

3話に関しては、兵士達を送り出すための歌ってのは展開的に上手いなって思った
まぁ肝心の歌がインストありきの曲なせいで「機材のない戦地で歌うアカペラ」としては駄目だったけど…

売り出したいモノに対して各要素を馴染ませる工夫があまりにも欠けてる
シナリオをただ流しただけ、歌をただ歌っただけ、で相乗効果が全く無い
シナリオと楽曲の両面から人々を感動させたkeyにしてはほんとにお粗末
{/netabare}


6話視聴
{netabare}予想通り個別のキャラ回を2話やって、全員揃った最初の回
話を大きく動かす前の日常回って感じかな?

お風呂でお喋りしたり、
喫茶店のテコ入れ計画を練ったり、
仮装して歌って踊ってみたり、
可愛い女の子がキャッキャする普通の日常回
人形じゃなければ、戦争で疲弊した情勢でなければ悪くない

世界設定に対するこだわりより、その場の見栄えを優先した話
食材の目利き、機動力から黄色の子が材料調達に行くのはいい
でも、あの程度の野菜じゃ喫茶店で提供する1日の食材にはならない
可愛い女の子達がお風呂で戯れるのは、作画もあって見せ場にはなる
でも、そもそも人形が入浴する意味が分からない
加えて言えば全身綺麗に皮膚が覆われていて、人形らしさを感じない
人形が背負ったものがエンジンだか燃料だかなのはいい
でも、民生人形はエンジン不要で、灰桜達も入浴時は降ろしているので背負う意味自体がない

設定全般が毛ほども役に立ってない
「世論的に厳しい立ち位置でも頑張ってます」のためのただの記号
可哀想な女の子って記号のために設定を用意して、その割に設定を日常に落とし込む気がない
シナリオの作り方に「頑張る女の子の涙」以外の引き出しがないんだろうなと

あと、やっぱり灰桜を全肯定するための世界に変わりはない
これは今後も一切変わることはないんだろうなと確信させられる
「ライターの脳内では」灰桜のバックボーンや行動原理に筋道が通っているんだろうな
でも、それが作中で何も明かされておらず、明らかに灰桜の事情を知らない人間すら肯定的
視点の切り分けが出来てないせいで、誰と話しても得られる答えが同じになっている

そういう「灰桜のための世界」が悪い意味で一貫しているので、世界設定が蔑ろになる
元だか現職だか分からんけど軍属が「楽しそうだから」の一言で街の電力を浪費するって…
いや、それが許容されるほどポップな世界観なら別にいいんだよ?
でも資源不足はずっと言われてるわけで、その状況と反することをするって…

オーナーの監督責任と灰桜の考えなしが根っこにあるので、灰桜が泣こうが不快感以外何も浮かばない
「そらそうやろ」な理由で営業停止食らって、灰桜が軍人のお姉さんに謝罪する流れは完全にギャグ
そしてその流れを前提にしたお姉さんは「人形が皆お前みたいだったらよかったのに」なんて言い出す
もう話の流れが酷すぎてドン引きするしかないんだけど…

つーかここが一番引っかかるポイントなんだけど、人形へ向ける感情の流れおかしくない?
「人形は頼もしいが、敵としての恐ろしさも感じた」という理由で人形を怖がるんだとか
なんだろう、完全にギャグのつもりなんだろうか…

それは人間同士でも同じこと言えるよね?つーか銃だの剣だのも変わらないよね?
「人形がまるで道具のように…」みたいな話もあったけど、みたいも何も道具だよね?
「敵に車で逃げられた!だから車は悪いもの!」みたいなボケ方しててなんとも言い難い

多分だけど「人形の権利」みたいな話になるんだとは思う
でも、根底があくまでも「道具」としての認識なんだから忌避のされ方がそもそもおかしい
こんな設定にするなら「可愛い女の子の喫茶店」なんて欲張らずに奴隷兵役の人形って設定のがいいのでは…

なにより、人間と人形がキッチリ区別されてる世界観なのに、ビジュアル的な違いが分からないのがなぁ…
今までの話では背負ってるアレが人間と人形の違いだと思ってた
あの動力源で「異質なもの」と一発でバレるから、人間との区別がされてるみたいな
でも、実際にはアレなしでゆっくり入浴出来る余裕があって、戦闘外ではそもそも背負う必要がない
なのに、街中では一発でバレるし写真を見たらすぐ人形だと気付く
いやいやいやいや……
{/netabare}


結局「可愛い女の子」を優先したいがためにあらゆる世界観を投げてるんだよね
可愛い女の子が笑って、泣いて、歌っていればそれでいい
設定は女の子を泣かすフレーバーだから詳細を考える意味はない
そういう割り切り方を見る側に求めてるのかもしれない
それならせめて灰桜の出番を無くしてくれないかな?という感じ

{netabare}
話が酷いのは諦めるけど、歌の入れ方はマジでなんとかしろ
「じゃあ歌いましょう!」「それなら歌うんです!」「歌が得意なんです!」
この一言さえあれば流れをガン無視していいと思ってんのか?
歌に向かう流れがここまで全然上手くない

つーか歌ってる曲が世界観に沿ってないからほんとに浮いてる
入れたい要素をただ全盛りして、そのすり合わせを一切できてない
「リコリコ」見りゃ分かるけど、話がガバついてても見せ場の流れが成立してれば盛り上がるわけよ
歌につなげる流れがこれで、肝心の歌もあんなじゃ評判になるわけねーって…
{/netabare}

投稿 : 2022/08/08
閲覧 : 831
サンキュー:

8

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