「Re:ゼロから始める異世界生活(第2期)(TVアニメ動画)」

総合得点
82.9
感想・評価
684
棚に入れた
3140
ランキング
338
★★★★☆ 3.8 (684)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
3.8

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芝生まじりの丘 さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

タイトルなし

1期では3つくらいエピソードをやっていたのに対しこちらでは2クールで1エピソードやっているのにもかかわらず、説明は丁寧とはいえず描写が足りていない部分も多い印象。
適当に倍速やらながら視聴やらで見ていたせいもかなりあるかもしれないが
・ガーフィールはなぜ初回では脱出に協力的だったのに2回目以降非協力的になったのか
・ロズワールはその内実をほとんど知らないようなそぶりをしながら聖域にわざわざ入る決断をした言い訳をどのようにしたのか
・英知の書はエキドナの意思が書かれるのか、ロズワールの願望を叶えるための未来が書かれるのか、単に未来が書かれるのか、ロズワールの行動はどの程度エキドナの思惑なのか、というかロズワールって結局スバルに何をさせたかったんだっけ?
・聖域の原住民は外に出たいと思っているのか、残りたいと思っているのか
・聖域から出られないのが原住民とエミリアだけなら聖域を急いで開放するメリットは?
などなど物語の進行の根幹に関わるところにおいてもあまり深く描写せず流れていくので、若干ただ目の前の展開を咀嚼するしかないような感じがした。が、文章でひちめんどい屁理屈を読ませられてこれ以上冗長になるよりはマシと言って良いかもしれない。


1期目の感想でエミリアが受動的であるのが欠点であると述べたが本作が他のなろう系と比較して優れていた点は主人公以外の人物にそれなりに能動性を与えていた点にあると思う。ライトノベルや特になろう系作品においては主人公のお説教や計画や暴力ありきで登場人物が動く、という展開が基調になっていることが多く、他の人物はほとんどデクの棒同然になってしまいゆえに自画自賛的で我田引水的で気持ち悪いものになってしまいがちだ。しかし今作品にはラムのロズワールへの献身やペテルギウス司教のサイドストーリーなどそれぞれの登場人物が主体的に動くことが良い形で描かれていた場面が多かったと思う。(脱線になるが特にペテルギウスの過去のエピソードは変転後を見ているだけにかなり味わい深いものだった。人の意図が全く反対の変容を遂げる皮肉は自分の物語の楽しみにとってかなり重要な役割を占めているのだと思う。)
本作品では結局最終的な関門の突破でさえエルザに対するラインハルトであったり、ロズワールに対するラムであったり、主人公と違う視点の人物によって行われることが多くそれはこの作品を良いものにしていると思う。

また、話はずれるが魔女の造形もそれなりに優れていると感じた。定番の手法であるが、一期の展開的に魔女自体の印象を最悪レベルまで下げておいて上げてくるのはちょっとした驚きを与えられている。
特に「憤怒」を愛のための怒りとし、キャラデザをああいう感じにしたのは意表をついていてかなりよかったと思う。


個人的に残念だったのは最後のベアトリスの奴隷宣言のような契約で、個人的にベアトリスが好きだっただけに、彼女が最後スバルスバルと名を叫ぶのを見ていて寝取られを体験しているような胸の痛みを感じたた。この手のハーレムもの、なろう系における恋愛で不愉快なのは関係性に対等なところが感じられず、ヒロイン側の主人公への好意ばかりが語られ、結局主人公のための都合の良い道具、奴隷的な立場に甘んじることになることだ。恋愛未満の関係においてはベアトリスと主人公の関係にせよあるいは一般の他の物語の主人公とヒロインの関係にせよ、対等さがあるのだが、主人公がヒロインを「落とした」とき、ヒロインは主人公に屈服し、主体性は薄れ、発揮されたとしてもそれは自分のためではなく主人公のため、という行動原理を主人公に依存しきったキャラクターになってしまう。そうしたときの人物はあまりに卑屈に見え、つまらなく感じられるのだ。
ベアトリスとの最終的な契約はもろもろ含め、このヒロインの奴隷化の宿命を象徴的に表しているように感じた。

この現象に類似のことは同性の間でも発生することで、敵同士や一時的な共闘というのでは面白みがあるのだが、別勢力の人物が自分の軍門にくだって、一切の反抗心を捨てて服従するようになったとき、味方になったとき、その人物は至極つまらない人物となるのように思う。


もともとハードルをかなり低くしてみたこともありわりかしベタ褒めしてしまったが、終盤にかけて徐々にバトル要素が顔を出してきたり、お説教バトルやら度を越したハーレムみたいなラノベにありがちで苦手な部分が出てきつつあって、これ以上は厳しくなってくるかもしれない。あと、これもこういう長期連載モノの苦手なポイントだが話が流石に肥大しすぎ。館に住む面々の伏線回収をするということでそれなりに充実感はあったが話の軸がブレながらスケールが広がるのはいささか残念。
物書きなんて想像力豊かな人種なので多分話をつくっている間にどんどん話が広がっていってしまうのだろうが、何巻でどういう感じで終わるか、みたいなところを見越して書くことはできないもんだろうかと思う。

投稿 : 2022/07/05
閲覧 : 219
サンキュー:

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