「メイドインアビス(TVアニメ動画)」

総合得点
92.8
感想・評価
2114
棚に入れた
8638
ランキング
14
★★★★★ 4.2 (2114)
物語
4.3
作画
4.3
声優
4.1
音楽
4.1
キャラ
4.1

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とまと子 さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

空想は深淵を求める

 
リアタイで一度、1話だけで観なくなってしまっていたのですが、あまりにも評判がよいので「これは絶対観直さなきゃならない!」って思っていました。
で、最近になって一気観しまして、そのまま映画「深き魂の黎明」まで観ちゃいました。

確かに、これは傑作です。
それは、間違いないです。


”グロい”って評判の作品ですが、実をいうとわたしとしてはそこはそれほど抵抗がなくて、では何故”1話切り”しちゃったのかというと、その「設定の凝り方の半端なさ」に怖気づいちゃったからでした…。

ゴリゴリに凝りまくって現実世界の常識を一切持ち込めないようなその世界観は、
『さあさあ、この世界に入るからにはまず首までドップリ浸かってそのまましっかり一番底まで降りてかなきゃいけないよ!一見さんお断りだ!あんたは大丈夫かい??』
ってにじり寄られてるような迫力を感じてしまいました。

で、『わたしみたいな中途半端なニワカちゃんが、この作者の趣味に最後まで従いていけるんだろうか??』と自信をなくしちゃったわけです。。


これは、「映像研」のアサクサ氏がスケッチブックにひとりで描き貯めていた膨大な量の設定画をわがままいっぱいに広げちゃったような、「設定至上の完璧な世界」のお話です。
なので、ストーリーの3分の1くらいで世界を描いて、3分の1でその世界設定の説明をして、残り3分の1でメインストーリーが進んでいく…みたいな感じすらします。

もちろん、それはそれで特にSFとしては大いに「アリ」なんですけど、このアニメはその深さと”閉じ加減”がすごくて、覗き込んでも底は見えず、ただ何か恐ろしい力がその深淵から呼びかけてくる…。


と、もう何を言いたいかおわかりかとおもいますけれど、わたしにはこの「メイドインアビス」という作品自体が、深淵=アビスに思われるのです。

作者のつくしあきひとさんは元々イラストレーションやキャラクターデザインをやられていた方で、このメイドインアビスが今のところ唯一の物語作品のようです。
なので物語世界としてはその想像力、空想力のすべてを注ぎ込まれているのかもしれません。

アサクサ氏のスケッチが、ひとつの構造物を描いた先にまた新しい構造物をつなげて広がっていったように、空想に空想を重ね、設定に設定を重ねて、イマジネーションのたて穴をどんどんどんどん深みに向かって掘り進んでいく…。

その行き先は、自分自身の心の深淵です。

「…ほら、こんなところに子供の頃に見たおとぎ話の残骸があった。…ほら、こっちにはあの日の風景、抱いて寝てた大切なぬいぐるみ…」
「…そしてほら、ここにあるのはボクの頭蓋骨の中身… そしてそこにあるのは胃袋の中身、内蔵、はらわた…。。。」

生命を求めるように空想力は奈落を目指し、真実という名の悪夢の正体を暴いていきます。
ヒトの正体を見極めるために、その対価としてヒトはその身を切り刻まれ、部位を失い、ヒトならざる者となっていく…。


終盤、「憧れは止められない」という意味のセリフがありましたが、いやいや、それは「憧れ」なんていうもんじゃないでしょう。

それは、わたしたちの心を作る「魂の物語」というものの、抗えない引力なのだと思います。

投稿 : 2022/07/12
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サンキュー:

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