「とらドラ!(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
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ランキング
42
ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ライトノベルの学園青春ラブコメの金字塔的名作。めんどくさいヒロインを長い目で見守れる人向き?

※作品データベース様より転載一部加筆

【良い点】
家庭環境に何らかの歪みを持つ少年少女たちが、恋愛同盟や裏表なく直球勝負で向き合っていく素晴らしき青春ラブコメ。
ライトノベルらしいライトさと、面倒な文学性の高さ?を奇跡的に両立してのけた。
メイン軸の竜児と大河だけでなく、他三人の青春群像劇ラブコメもヒケを取らず。
裏表なく罵りあったりケンカして殴り合ったり、互いに成長し、分かり合う素晴らしき熱血青春友情劇。ベタを最高水準で貫いた。
皆どこか面倒な葛藤抱えつつも、ライトノベルらしい親しみ易いキャラ付けや掛け合い、学園コメディーとして楽しい関係性、
周囲のサブキャラも含めた学園ドラマとして良好な雰囲気に、シリアスな青春や恋が温かく見守られる。
昼ドラめいた面倒な波乱の連続で飽きさせない一方、ギスギスが尾を引くことなく、テンポ良く前向きに進行していくバランス感覚。
シリアスと学園コメディーと真剣なラブコメの緩急が抜群、全編通して引き込まれる。
かなり重い内容なのに2クール苦にならない。いかにドラマの内容が良くても苦行はしたくないので、この点は極めて大事。

毒親にまつわるギス要素を絶妙に処理している塩梅が重要。
大河父や母との関係とか、過度に尺取り過ぎて踏み込み過ぎていない。本作が上手いのはこの取捨選択。
例えば大河がスキーで迷子→母に迷惑かけるエピソードも、竜児と視聴者には詳細を描写しない。
北村を殴った父とか、本編に登場しない。
ここは枝葉…と言わぬまでも面白くない場面だろうし、肝要なのは大河たちが親関係で歪み抱えている事実のみなので、
詳細に描写しなくてもいい。
それでいて竜児と母泰子の関係は丁寧に描いている。
ここは大事であり、子供も大人も関係ない、互いに思い合って人生歩んでいく。
大河含めて欠陥抱えたキャラたちが前向きに成長する上で大事なポイントは抑えている。

魅力的キャラたちの交流掘り下げで関係性や内面の気持ちが変化していく様を瑞々しく描きつつ、
ドラマが加速していく後半は特に、印象的な名場面やセリフが多数ある。
紆余曲折を経て主要キャラ全員が成長し、恋も青春も結論を出す。同年の「true tears」風に言えば皆が「ちゃんとするから」だった。
2クール通してほぼ完璧な内容、原作を少し変えてでも綺麗に完結させた。完成度が素晴らしい。

安定した良作画に主題を捉えた良主題歌など申し分ない。

メインヒロインの逢坂大河が抜群に可愛い。キャラデザの可愛さに加え、釘宮理恵ボイスが抜群にハマっている。
釘宮ヒロイン筆頭の一角。
暴力系で性格に難がありすぎるが、エピソードを重ねる程に可愛らしい面や守ってあげたくなる弱さを見せる。
彼女の未熟さや暴力性に説得力のある背景と、温かく良い方向に許容してくれる親友や恋人がいる、欠点も含めて愛おしい名ヒロイン。
結構賢く図太い側面も魅力的。

みのりんの朗らかな可愛さにコメディー面が大分救われていた一方で、
次第に彼女の歪み、無理をしている脆さが露呈する後半以降、大河にヒケを取らぬ魅力が出てくる。
実は一番闇が深刻、クリスマスのガラスの飾りを壊してしまい、元通りにはならないと涙こぼす…
竜児が直る!と力強く宣言する一幕での、傷だらけのガラス星が美しくロマンチックだった。

川嶋亜美は腹黒さを裏表無く見せてくれる、ある意味一番素直なヒロイン。
策士な割に一番奥ゆかしかったり、貧乏くじを引き受ける。
亜美だからこそ大河は存分にケンカできたし、かけがえのない友達になれた。

北村祐作は普通の作品ならば主人公の友人Aな立ち位置と思いきや、彼の存在感も抜群。
頭の良いムードメーカーでありつつ、彼もまた真剣な恋愛ドラマを見せた。

サブキャラでは先生が素晴らしい大人で生徒たちを温かく見守ったほか、
亜美の友人たちなど個別にスポットが当たらないモブに至るまで、学園ドラマのキャラクターとして厚みがある。
モブは竜児が寝言で大河ー!と絶叫した際に誰も嘲笑わなかったり。普通の作品ならば笑われるのがテンプレだろうに。
細かい点だけど、こういう雰囲気も本作の魅力。

竜児は面倒見の良さで、非常に面倒なヒロインだった大河と相性抜群だった。
ふたりの掛け合い見ているだけで終始微笑ましく、楽しく視聴できた。
彼が一番朴念仁で、他三人に支えられて結論を出す、青春群像劇ラブコメの要たる良主人公。

【悪い点】
バランス感覚が抜群とはいえ、面倒な修羅場が多いため、万人にとっつき易い作風ではない。
大河筆頭に性格に難があったり、ギスの兆しが頻出、無邪気に楽しい萌えラブコメではない。
とはいえ、そこ含めて本作の魅力なのは間違いない。

作画は安定しているが抜群に綺麗という程ではない、当時の一般的ラノベアニメ水準。絵的に無茶苦茶美少女というわけでも。
作画の奇麗さで圧倒してくるtrue tearsには見劣りする。
とはいえラノベアニメとして申し分ない水準はある。本来は悪い点で挙げる事でもない。

【総合評価】10~9点
ライトノベルの学園青春ラブコメの金字塔的名作。
2022年現在から振り返ってみて、今なお色褪せず人気が高いのも納得。
欠点が皆無ではないが評価は「最高」

【余談】
true tearsも2008年産だった。2008年、凄い当たり年。
自分は両作とも名作と見做している(最高評価)けど、どちらもマリー脚本であった。
当たり外れが著しいけれど当たり作品は本当に素晴らしい。

親との関係で苦悩抱える青春ラブコメといえば「Myself;Yourself」も名作で
少年少女たちが家庭環境の歪みを乗り越えて交流と友情恋愛が勝りポジティブな成長見せる、相通じる気がする。
的外れかもだけど、こういった作品を自分は名作認定する。

更に余談。2020年公開の映画「ジョゼと虎と魚たち」とヒロイン同士ちょっと似ている。
高飛車めんどくさいには理由があり、そこを長い目で見守るタイプ。
あとタイトルに「虎」髪の色も似てるような…

投稿 : 2022/07/22
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サンキュー:

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