「まちカドまぞく 2丁目(TVアニメ動画)」

総合得点
75.6
感想・評価
278
棚に入れた
901
ランキング
775
★★★★☆ 3.8 (278)
物語
3.7
作画
3.8
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

ふんぬらばー!

『まちカドまぞく』は、伊藤いづもによる日本の4コマ漫画作品。『まんがタイムきららキャラット』(芳文社)にて2014年8月号から9月号のゲスト連載を経て、同年11月号から連載が開始された。
第2期『まちカドまぞく 2丁目』(まちカドまぞく にちょうめ)は2020年8月に制作が発表され、TBSほかにて2022年4月より7月まで放送された。(wikipedia)

うわぁ~い!きららだきららだきららが観れる~!(*´ω`*)

みたいな感じで楽しみにしてたなどということでは決してなく本作に関してはたまたまほんっとたまたま一期を観ていたのでこりゃ一応続編も観とかなきゃなというかる~い感じで観たに過ぎないのですお願い信じて!

……嘘です。こと本作に関しては結構楽しみにして観ました。そして一期の頃と同様の圧倒的な完成度、正直圧巻でした。原作は見てませんがきららのアニメ作品って意外と高品質なんですよね。この作品に限らずどれもこれも。

とはいえ一話を観た段階では正直ちょっと戸惑いました。おや?こんなに情報過多なアニメだったっけ?って。とにかく会話が早口で間が無いんです。あれ?ワシ、また老化してる?耳だけでなく認識能力まで低下してる?と結構ガチで怖気立ちましたが二話以降は普通な感じに。おそらく一話では一期のおさらいじみたことも含めるためにあのような感じになったのでしょう。

構成としては1クールの中にクライマックスが3つあるような形でした。そして2期の半分ほどを占めたのが「千代田 桜」篇と仮にしますが、ここまではどちらかというと1期の流れの中にあるので実質1.5期みたいな感じでした。そして残り半分をそこから派生した「千代田 桃」闇落ち篇と「陽夏木 ミカン」の呪い篇(どちらも勝手に仮称)のような形で埋めてあったという感じです。

最早「きらら」あるあると言っても良いんじゃなかろうかと思うような「暗い過去」設定が本作にもあって、主人公の吉田優子ことシャミ子の幼い頃が命にかかわるレベルの病気だったりで、1期の時にはほとんど謎の存在だった桜はその伏線を埋める役割を果たしていました。

本作って見かけによらず……と言っては失礼でしょうが結構ゴリゴリに設定や伏線練って作られてるんですよね。シャミ子は夢魔とのことで、その能力に対しご先祖でもある「シャミ先」ことリリスによって説明されるのですが、まあ夢の話ですし?せいぜいユング心理学あたりを持ち出してくるんだろうなと思ってたらまさかの有情非情……正直仏教用語を持ち出してくるとは思ってませんでした。そこで行われた説明自体は簡素なものでしたが、ひょっとしたら唯識辺りを踏襲してたりする?

全体の流れとしても非常に良く出来ていて、桜の情報を得るために自身の深層心理に潜ったシャミ子を助けようとして桃が自ら闇落ちするわけなんですが、今度はそのデメリットを解消するために奮闘することになります。そしてラスト二話は少し状況が変わって今度はミカンに主眼が移るわけですが、そこでもちゃんとそれまで出てきたキャラである白澤やリコを有効利用していたりして見事な繋がりを形成できていたと思います。こういうのってやり過ぎると「都合が良すぎる」という感じにもなってくるんですが、元々がギャグベースなところがあるためそこはあまり気にならなかったのは良かったと思います。

キャラとしても皆大変に良く出来ていると思います。主人公のシャミ子に関しては、もう「あざとい」と言っても過言ではなくらいに完璧に作られたキャラ。背が低く、くりくりおめめでやや肉付きがよく、巨乳で声も喋り方も可愛く性格も良い。極めつけは自己主張激しくぴろぴろと動く尻尾。これを嫌いになる方が難しいという描写でさすが魔族恐るべしといったところでしょうか。

相方ポジションである桜も特に喋り方に特徴があると思います。かなり無機質な説明口調でありながら嫌な感じがしない。ルーツを辿ればエヴァの綾波、ハルヒの長門と言ったあたりの系譜になるのでしょうが、下手すれば棒読み的になってしまうキャラのため結構声優さんの力量がモノをいう気はします。更に言えば元が四コマ漫画というところも大きいかもしれません。実はwikipediaで調べる前から何となく四コマっぽい流れだよな~とは思っていたんですよ(信じて!)。どちらかというとショートアニメのテンポが続くことが多かったためそう感じたのですが、これは何故そうなるかというと基本的に四コマ目でオチる展開が続くためメリハリがつきやすいんですよね。逆に言うと四コマ的なものにショートアニメが多いのは尺を稼ぐのが難しかったりシチュエーションがころころ変わるという理由が結構大きいとは思うんですが、本作においてはどちらも見事にクリアしているからこそ標準フォーマットでも充分耐えうるんだと思います。(そういえば以前レビューを書いた『RPG不動産』もきららの四コマが原作だったようですが、こちらはあまり四コマ的なテンポとは思わなかったんですよね。それは勿論アニメ化にあたって構成が変わるという点もあると思いますが、おそらくそこまでオチが強い作品じゃなかったんだろうなという気はします。)

新キャラである白澤(しろさわ)やリコもキャラが良く立っていたと思います。設定も適当なように見えて非常によく練り込まれているというのは先述しましたが、強いて言うならミカンの弓が遠距離の方が良く当たるという設定は微妙だった気はします。勿論その設定によりリリスの依り代が限界ギリギリまで消費されるというコメディ的な前フリにはなりましたが、一方その後で闇落ち桃を救うために至近距離で撃って当てるという流れがすぐに出てくる以上あの設定はむしろ邪魔だったのかな~とはちょっと思いました。ただまあ、違和感あったのはそれぐらいですかねえ。(撃つにあたり震えていましたが、あれは桜を撃つという時点でストレスかかって当然なわけですし。)

本作は(一期も含め)爆笑を誘うようなタイプではありませんが非常にハイセンスな掛け合いの応酬が繰り広げられており、かつその傍らでは細やかな小ネタ描写も満載で、かなり密度の高い仕様となっています。安定して高品質に維持された作画も含め、正直このレベルのアニメはちょっと記憶に無いです。勿論爆笑を誘う作品自体は他にもちょくちょく出会いますけど、ネタの情報量という意味ではこの作品の右にでるようなものは正直パッとは思い浮かばないですね。多分原作も一つのコマの中にも複数のネタを仕込んでるんだと思います。

まあそんなこんなで本作はお気に入りの棚行きとなります。これは二期だけでなく現状未レビューの一期も含めての評価となります。

それはそうとミカンの変身シーン、あれ桃のに比べて可哀そ過ぎひん?

投稿 : 2022/07/23
閲覧 : 152
サンキュー:

14

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