「球詠(TVアニメ動画)」

総合得点
67.8
感想・評価
250
棚に入れた
668
ランキング
2250
★★★★☆ 3.2 (250)
物語
3.5
作画
2.6
声優
3.2
音楽
3.3
キャラ
3.4

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 3.0 作画 : 1.5 声優 : 2.0 音楽 : 3.0 キャラ : 3.0 状態:観終わった

真っ当にスポ根してるかもですが。

【概要】

アニメーション制作:studio A-CAT
2020年4月1日 - 6月17日に放映された全12話のTVアニメ。

原作は、マウンテンプクイチによる、
『まんがタイムきららフォワード』にて連載中の漫画作品。
アニメ版の監督は、福島利規。

【あらすじ】

4000校が高校野球に加盟している女子野球が凄く盛んな世界での話。(現実は44校)
埼玉県の新越谷高校に入学した武田詠深(たけだ・よみ)は、
小さい時によくカラーボールでキャッチボールを一緒に興じていた親友の、
山崎珠姫(やまざき・たまき)と再会する。

中学時代にピッチャーだった詠深は、練習に練習を重ねて突出していたが、
変化量から魔球に近い詠深の本気のカーブを捕れるキャッチャー不在のチームで、
全力で投げられずに公式戦未勝利。
勝利への執着心がなく気楽に部活したい中学のチームメイトの中で、
1人だけ本気過ぎて浮いていた詠深だった。

中学で野球を卒業したつもりの詠深だったが、
中二時点で名門チームの正捕手だった珠姫との久々のキャッチボール。
捕逸0の記録通りに魔球カーブすら逸らさずにキャッチする珠姫のおかげで、
中学時代に得られなかった真剣に野球する喜びに涙を流す詠深。

かつての強豪校も最近は低迷が続き、昨年の暴力事件で停部状態だった、
新越谷高校野球部だが、新年度では既に停部期間が満了。

再びやる気になった詠深は珠姫とバッテリーを結成。
そして双子の川口姉妹の合計4人で野球部の再スタート。

更に新入生が数人。廃部にならないよう籍だけ残していた先輩2人も仲間に。

合計10人の女子高生と新しく顧問となった藤井が目指すは甲子園。
トレーニングに仲間同士の親睦、対外試合となる練習試合。
大会に向けての新越谷高校野球部の挑戦が始まったのだった。

【感想】

第8話の入場シーンの作画の酷さを話題にしてるネットでの知人がいまして、
興味が持てずに放置していた作品ですが、
ある時にニコニコ静画で原作漫画を読んで、あれ?普通に面白い!?

きらら系美少女たちが筋肉で太ももがパンパンになるぐらい鍛え上げて、
汗だくになって真剣に白球を追う尊み。
野球に対する真面目さやら、美少女同士の微百合描写やらで読める内容です。

10巻まで読みましたが、原作漫画はたしかに面白いです。

それを頭に入れた上ででアニメ版を見てみますと、
『誰やこれ?』レベルで全然顔が似てないですね。

その原作作画に似せて作ると「はるかなレシーブ」みたいな映像になるはずが、
「Wake Up, Girls!」よりはマシ程度に顔の描き方が酷いですね。

キャラクターデザインをしたのは、「この素晴らしい世界に祝福を!」にて、
ギャグ表現重視で綺麗さにこだわらない絵柄で評価を得た菊田幸一氏ですが、
今回は萌え成分を大幅に削っての動かしやすいキャラデザでしょうかね。

のちの「賢者の弟子を名乗る賢者」でもクオリティの低さが問題になっているように、
studio A-CATが作画スタッフを集めるのに難がある会社のうえに、
コロナ禍の影響で満足な体制も難しかったでしょうかね?

監督の福島利規氏は、週刊少年サンデーの超有名野球漫画の「MAJOR」
のアニメ版の監督を3期から6期まで務められた方ですが、
しっかりした野球アニメを作りたいというこだわりから、
きらら成分に興味が無くて、野球描写だけに注力した感じですかね。

もともとスポーツアニメは一般的な日常萌えアニメと比べて難易度が高く、
アニメーターにも相応の知識と技量が必要とされるジャンルですね。

実在の女子野球の選手をモーションアクターとして、
現実の野球の動きを、そのままアニメに反映している。
その甲斐があって、野球の動きへの評価は好評だったりしますよね。
それでも、アニメーターが手描きで競技の動きを再現している作品と比べたら、
ボールを追ってグラウンドを走る姿などが、
まるでPS4の野球ゲームみたいに決まったルーチンで動いているように見えますが。

その、比較的に評価されてる野球の動きと比べたら、
アンチョコの無い日常の動きや表情などが本当に低レベルで華がない。
加えて若い声優が多くて、キンキン声がうるさいキャラいたりで、
平均的にも演技力が高くはない。

野球を魅せようという取り組みは評価しますが、
単純にアニメーターや声優らの技術不足が顕著すぎて、
流石にクオリティの低さの誤魔化しようがないですね。

萌えと燃えを両立して楽しめる原作漫画と比べても、決して出来は良くはなく、
無い物ねだりですが、「はるかなレシーブ」のC2Cにアニメを作って欲しかったですね。
スタッフも大事ですが、どのアニメ会社が請け負うかも大事。
アニメ会社の持つ作画力とブランド力とは、一部の有名アニメ会社に限らず、
丁寧に真っ当に仕事をする能力であり、実績から来る安心感。

逆に、持たざる者の負のスパイラルに陥ってるのが、A-CATですね。
ですが、アニメ本数過多の時代が続いて、こういう会社でも仕事に困らないのが現状ですね。

その持たざる会社が“工夫された演出”で良作を作るのも面白いかもですが、
それはそれ、あっちはあっちで完全に分けて混ぜずに扱うべきですね。

能力を信用しない企業として扱うには、これを含めた複数の作品で十分であり、
仮に自分の贔屓原作がこの会社の手にかかれば確実に詰み状態であり、回避するべきと思いました。

余談ですが、このアニメには男性がモブですらいない、完全に男性が絶滅した世界なのですね。
試合中に観客席から女性の声で野次が飛ぶのですが、
野次の内容が完全に野球観戦が趣味のオッサンのもので、
そこは原作通りなのでしょうけど、男が全くいない世界に恐怖を感じました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/07/29
閲覧 : 278
サンキュー:

23

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