「盾の勇者の成り上がり Season2(TVアニメ動画)」

総合得点
68.6
感想・評価
344
棚に入れた
1228
ランキング
1975
★★★★☆ 3.3 (344)
物語
3.0
作画
3.3
声優
3.5
音楽
3.3
キャラ
3.3

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ネタバレ

エイ8 さんの感想・評価

★★★☆☆ 2.5
物語 : 1.5 作画 : 3.0 声優 : 3.0 音楽 : 3.0 キャラ : 2.0 状態:観終わった

女子率高すぎ問題

『盾の勇者の成り上がり』(たてのゆうしゃのなりあがり、英:The Rising of the Shield Hero)は、アネコユサギによる日本のライトノベル。イラストは弥南せいら。2012年から小説投稿サイト「小説家になろう」にて連載中。また、2013年からMFブックス(発行:KADOKAWA、企画:フロンティアワークス)より書籍化されている。書籍はWEB小説を元とした物語となっているが、大幅に加筆・修正を加えており、話の流れや展開が大きく変わっている。
2022年4月から6月まで第2期(Season2)が放送された(wikipedia)

タイトル通り、いくらなんでも女子率高すぎでしょ。主要メンバーのラフタリアやフィーロはまあいいとして、いつの間にかパーティーに加わる形となったリーシア、ピンク髪のエクレール=セーアエットだったりババア呼ばわりされてるエルラスラ=ラグラロック、さらには霊亀の化身たるオスト=ホウライに異世界の四聖勇者である風山 絆(かざやま きずな)、果ては悪役キョウの幼馴染であるヨモギ、挙句に異世界女鍛冶師ロミナまで……主人公サイドに現れたるはどいつもこいつもおんな~おんな~オンナ~~~!(ジ〇ーラモものまね風に)。これに加えて一期組のメルティ、女王ミレリア、異世界からやってきた元敵のグラスにテリス……ぶっちゃけ仲間で存在感のある男キャラって元敵のラルクだけじゃないですかね?その次は自爆したレイキ国の将軍か何かでしょ?いくらなんでも寂しすぎます。(船の勇者のエスノバルトは現状性別不明なので除外、まあ男キャラでしょうがどっちにしろそれほど目立ってませんし。)
とはいえ一期の時はそれほどそんな感じなかったんですがね、味方ではないですが残りの四聖勇者たちに加え武器屋の親父に奴隷商人もいましたから。というか、一期は味方自体少なかったですもんね。女性キャラが多すぎようと別に元が「なろう」だからしょうがないとも思うんですが、ハーレムものでもないのにこの構成ってちょっと極端過ぎる気もします。
(そういえばピンク髪でエクレールというと個人的には某コクーンで後にファルシのルシになったためにパージされた元ボーダム治安連帯軍曹のライトニングことファロンさんの方を思い浮かべるのですが、キャラな感じからしてもモデルにした可能性ありそう?)

とはいえ真の問題はシナリオの方です。ちょっといくらなんでも強引すぎる展開が多すぎなんですよ。
まず第一にオスト、彼女は実際には霊亀のコアと同等の存在で、彼女を殺せば霊亀も殺せるということが後に明らかになるわけですが、実際に作中の人物も彼女の首をはねて霊亀も死ねばしめたものとちゃんと提案したのに対し、オストの答えは「不可能です。霊亀自体を倒さなければ私をいくら殺しても何度でも復活してしまいます」というもの。ここまではっきりと「不可能」と言ってる以上、どう見たってこのシーンは文字通りオストを殺しても霊亀は殺せないという説明であり、だからこそこの時点で彼女を殺さなかったことになる筈なのですが、まさかの彼女自身が自分の特性をわかっていなかったという伏線として働くというオチ……はっきりいってこれは良くないミスリードです。更に言えばこんなことされると霊亀が後生大事にコアを守ってる意味がなくなるんですよね。首と心臓を同時に落とさないとコアが叩けないなんて難易度高い条件をクリアしなくてもどう考えたってオスト狙った方が早いんですから。だから最低でもオストが霊亀の関係者であることをおおっぴらにしてはダメなんですよね、ただでさえ側室かつ宰相とかいう結構際どい地位にいる人で命を狙われる危険の多いポジションなのに……とはいえこれに関しては後付けでもいいから首と心臓を同時に落とした後じゃないとオスト自身も殺せないという設定を付与したら一応なんとかなるかなとは思います。

どうにもならないのはキョウの方ですよね。彼が異世界に逃げ込んだ時に尚文らも後を追いかけたものの実はそれが罠で無限迷宮に送り込まれることとなるわけですが、後にこれは尚文がラフタリアから引き離された時の「そのツラ」を見たかったからとか何とか……いやいやいや、無限迷宮ですよ?一度入ったら二度と出てこれないと言われてるところですよ?何で脱出すること前提にしてるんですか、尚文を高く評価するにも程があるでしょうよ、っていう。正直視聴している時はイベントとして過去に送られて、だからこそレベル1に戻り、まだ産まれてなかったフィーロは存在しない扱いになってると思ってたのにぜーんぜん違いましたねw尚文の「この盾見たことない」みたいな伏線は何だったんでしょうか?というか少なくともあの時点では龍刻の砂時計を使った転送が行われる保証なんてなかったわけですから、無限迷宮からの脱出を「その時」として待つ方が普通だと思うのです。無限迷宮からの脱出を見越していた筈なのですからw
更にキョウが「波」を発現させる流れになるものの……いやいやいやいや、もう少しまってりゃ普通に波来たじゃないですか、それをわずか2,3日短縮させてどうするんですかタミフ〇じゃあるまいしw仮にキョウが呼び出したのが通常とは違う強力なものだったとしても、普通の波で勇者たちを疲弊させた後にまた呼んだ方が良いに決まってるじゃないですか、何でわざわざあんな中途半端なことをしたのか理解不能ですよ。
更にはヨモギ、尚文がブチ切れてる顔を見て「あんなに恨まれるだなんて何をしたんだ……」みたいな感じのこと言ってましたがいやいやあんたキョウが人体実験とかしてたの見てたでしょ、あんなことしてて怨み買わないわけないでしょwそれとも何ですか?この世界では人体実験自体はそう目くじら立てるものではないとかそういう設定ですか?w
その他にもラフタリアに斬られたカズキがカッコつけたがために死んだりとか、わずか一瓶の薬の値段をつり上げるために大量の薬を犠牲にするとか……いやいやそうはならんやろの連発でしたね。
まだありました。フィーロを見世物にしてた奴隷商人の心を容赦なくぶっ壊した一方で尚文ら世界そのものをぶっ壊そうとしていたグラスらとはいつの間にか仲良くなるとかどういうつもりなんでしょうね、あれだけキレ散らかしてた癖にw
ああそうそう、グラスらと言えば捕まってる時に武器持ったままとかwいくら力を減退させられてるとかいってもガバガバ過ぎでしょ何考えてんですか実際脱獄されてますしwほんと、突っ込む方の身にもなってくださいよw

まあ元が「なろう」なんでこういうツギハギ的シナリオも致し方ないのかなという気もします。これが商業漫画だと連載のページ数が基本的に決まっていて、その中でメリハリつけてオチを持ってくるなり次回へ続くとなりますし、小説でも連載はありますがラノベとかだと書き下ろしという形で物語を完成させることになると思うんです。一方WEB小説は良くも悪くもフォーマットがないため自由に更新できるわけですが、それが結果的にストーリーがその場しのぎになったりだとか展開がダラダラしたりするんだと思うんですよね(「なろう」系の二期がハズレがちなのは多分このせい)。勿論中には完成させてから小出しに更新する人とか、初めからフォーマット作って更新する人とかもいるんでしょうが、まあ大抵はその場のノリって感じになるでしょうからこういう展開になるのもしょうがない……って思ったら本作は書籍化にあたり大幅加筆修正されてるらしいですね。それでこのシナリオっていうのはちょっと擁護できない領域ですかねえ……まあ作品的にはストーリー自体より感情を揺さぶるシーンの方を重視してるんだろうなというのは見て取れますから、あんまり論理的な整合性は二の次なのかもしれません。一方で設定には相当こだわってるようなので、本当に披露したいのは世界観自体の方なのかもしれませんね。

とはいえ、目玉のエモさも二期はやや振るわず。第一にオスト幻で出てき過ぎ問題、一度ならず二度までもって感じでした。ぶっちゃけそんな関係性築き上げたキャラですかね?
それより個人的に特に引っかかったのは奴隷紋を失ったラフタリアに対する尚文の言葉「お前はもう自由」……おいおいおいおい、こんだけ長く苦楽を共にして、挙句命懸けで送り届けてくれたラフタリアのことをお前はまだ信頼してないのかっていう。やっぱ尚文くんも陰キャですねえ~、そこは有無を言わさずガバッと抱きしめるとこでしょうが何予防線張ってんスか普段斜に構えてる癖に鈍感系キャラ気取りッスか。結果ラフタリアの方から尚文にハグ「させる」展開に。ないわ~。

ついでにキョウに煽られてブチ切れて本音ダダ漏れのシーン。あれ自体はまあ悪くなかったですね、ぶっちゃけ自分もリーシアに対しては似たような感想を抱いてましたしwですが個人的に一押しなのはキョウの死に際ですよね。まあ実際に死んだかどうかはわかりませんが一応ちゃんと悪役らしく散ってます、これが良いんです。何故かというとキョウくんって前世(現実世界)ではネットでオラつきまくってた癖に開示請求来たぐらいで飛び降りちゃうという小心者なんですよ。だけど異世界ではちゃんと死ぬまでオラついてるんですからこれを成長と言わずなんと言うのでしょうw元来安全圏でないとイキれないタイプなのに安全圏でなくなってもイキれるようになってるわけですから。もっとも本人の中ではあくまでキョウはゲームのアバター感覚だったのかもしれませんが痛みとかもちゃんとあるわけなんですからね。
実際この辺の感覚とかどうなんでしょうね?盾以外の四聖も尚文に「いつまでゲーム感覚でいるんだ!?」みたいなこと一期に言われてましたけど、やっぱインターフェース出たりレベル上がったりするのがそう思わせるんでしょうかね?

それはそうと本作にはもう一つ大きな問題がありました。ズバリ、緑率も高すぎ問題。尚文の装備、リーシアの髪、絆の服にヨモギの髪まで……ここまで緑の多い作品はちょっと記憶に無いですねw

投稿 : 2022/07/30
閲覧 : 188
サンキュー:

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