「ハイキュー!! セカンドシーズン(TVアニメ動画)」

総合得点
77.9
感想・評価
792
棚に入れた
4805
ランキング
573
★★★★★ 4.1 (792)
物語
4.2
作画
4.1
声優
4.0
音楽
3.9
キャラ
4.1

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ネタバレ

退会済のユーザー さんの感想・評価

★★★★★ 4.7
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

【更新】ひたむきに…頂の景色へ!青春の汗と輝きの結晶!

2015年10月~ 原作 古舘春一(少年ジャンプ、コミック) 制作 Production I.G 2期 25話+OAD。シリーズ全話視聴済。原作未読。シリーズ発行部数累計5500万部を超え、後のスポーツアニメに大きな影響を与えた男女を問わず大人も楽しめる秀作。

【まえがき】
本作との出会いは、スポーツアニメの概念を根底からぶっ壊された。まるで自分がその場に居るような圧倒的な臨場感と描写力!

スポーツは体格・資質に恵まれた者はそれだけで大きなアドバンテージだ。
そして概ね、才有る者も人並み以上の努力は怠らない。それがチームスポーツでは相乗効果となり、夫々の努力の積み重ねだけが大輪の華を咲かせ可能性を手繰り寄せる。

本作は、挑み、挫けそうになっても流した汗の煌めきを開花させ、栄光へのステージへ踏み出すシリーズ最高の物語。

【本編・見どころなどについて】
1期で強豪 青葉城西(以下、青城)にフルセットの激戦の末、敗れた古豪 烏野高校...。
飛べない烏と揶揄され、その悔しさをバネに這い上がり「春高バレー(全日本バレーボール高等学校選手権)」への出場を目指す。

日向、影山を主軸に、烏野を含め他チームの選手(尋常で無いキャラ数)のプレースタイル・技術力・性格面・応援等が丁寧に描かれており、3次元で動かすアニメでそれを成すProduction I.G恐るべし!

メインは選手の成長の描写だが、ひたむきに前進する若者達を随所で大人が支える点も物語に深みを与えている。

・武田一鉄(現文教師。バレー部顧問・監督。バレーボールは素人だが、生徒の頑張りを影で支える。各方面に頭を下げまくり、試合や合宿参加のセッティングなど多方面で活躍。選手を鼓舞する台詞も多数。精神的支柱)

・烏養繋心(バレー部コーチ。烏野バレー部OB。烏養元監督の孫。選手個人の能力を理解し伸ばす方法を模索し、チーム力アップの技術的・精神的支柱)

・烏養 一繋(烏野バレー部元監督。バレーボールに対する卓越した知識・見識・戦術等を兼ね備えたかつての名将。日向の新速攻完成の指導者)

・田中 冴子(田中龍之介の姉。女子大生。日向が憧れる小さな巨人の同級生。烏野バレー部員から姐さんと慕われている。和太鼓チームリーダー。烏野応援団の主力)

・谷地 円(谷地仁花の母。デザイナー。仁花を母としてデザイナーとして支え、素晴らしいポスター作成等に助力する)

・その他(バレー部OBが指導に協力したり、遠征資金集めに協力したり、地元住民商店会が応援団を結成したりと精力的に支援する)

もう一つは「先輩・上級生」の存在力。
シリーズを通して言えることだが、日向、影山、月島、山口をはじめとする1年生は、夫々素晴らしい素質・能力はあっても1年前迄は中学生だったいわば未熟なひよっ子…。

烏養元監督引退以降も、チーム内の蟠り(わだかまり)、夫々の葛藤と挫折、不遇な時代を乗り越え、チームを存続させて来た先輩達。そこに新たな戦力が加わった事で起こった化学反応的相乗効果が発揮される。
先輩達の芯の強さが、支えがあるから試合や様々なピンチを乗り越えられている事が随所で描写され、進む先を示している点が物語の厚みを増している。


{netabare}
2話。
清水マネ(以下、潔子)と日向との会話で「私達3年は次の大会が終われば居なくなる…。強くなる皆を見て、来年とか再来年とかを改めて考えてみたんだ…私も自分の仕事をやっておかなくちゃ…」結果、谷地仁花1年がマネージャーが加わる事に。

3話。
インハイ以降、初の対外試合(練習試合 vs 扇西高)。谷地マネ(以下、仁花)は潔子に「~スタートに必要なのは、ちょこっとの好奇心くらいだよ」と教えられる。
母には「本気でやってる人の中に入って、中途半端やるのは一番失礼なこと」と指摘されもする。

そして、試合に挑むメンバーの表情から、自分が何処に踏み出したのかと心がザワつく仁花…。
東京遠征合宿の事を未だ母に伝えられておらず、日向に背中を押され、引きずられるように駅にたどり着き、母に「私、バレー部のマネージャーやるからぁっ!」と叫ぶ。仁花もチャレンジャーの一員になった瞬間だ。

1クールを敢えて学生としての日常と練習(強豪校との合同合宿等)を描く事で、精神的、技術的成長、チームスポーツに不可欠な多くの事を迷い、葛藤しつつも前進・成長する意味をキャラ達と共に学べます。大人が観ても得られる素敵な描写が多く、辛抱強く観て頂きたい。

それは、合宿終了後の猫又監督の台詞に表されます。
「後悔の残らない試合など知らない。~それでも後悔のない試合をして欲しいと思うし、そうであるよう力を尽くすしかないのだろうなぁ…」監督・指導者・大人としての使命、願い、想いが詰まった胸に響く言葉だ。

そして春高に挑むかつての強豪烏野高校。
「全部倒して全国に行きます!」と宣言する日向の表情描写に心臓がドクンっ...と。
着実に勝利を重ねる烏野。各試合で相手チームの選手、背景、心理描写が丁寧に描かれる点も好感が持てる。
1次予選を突破し自信と手応えを感じる烏野は、2次予選でも試合を通じて進化を続けるのだが…。

16話~18話(vs 和久谷南戦)
チームの大黒柱、澤村大地(キャプテン。以下、大地)とアタッカー、田中龍之介(以下、龍之介)が接触し、大地が負傷し戦線離脱…。大地は西谷 夕(リベロ。以下、西谷)と並ぶ守備の要でもあり大ピンチ!その代役として投入された縁下 力(2年。次期主将候補。以下、縁下)。メンバーは彼を慕い、頼りにしていおり投入は当然と思っているが、彼は一時期厳しい練習から逃げたという負い目を抱えていた...。そして1年の山口 忠(ピンチサーバー要員。ジャンフロの使い手。以下、山口)...彼もビビりな自分に負い目を感じていた…。
スポーツに関係無く、誰しも過去の誤ちや心に傷の1つや2つはあるものだ…。此処の描写は心に刺さる…。
キャプテン不在というピンチを、夫々がプレーを進化させ、仲間に背中を押され、自らも奮起してチームの勝利に貢献する。
そして、自らを鼓舞する事が出来る勇気に賞賛を。

20話~
いよいよ因縁のライバル青城との対決。夫々の脳裏にはインハイで敗れたシーンが焼き付いており、緊張がはしる…。それでも超えなければ成らない壁...。
日向、影山コンビの新超速攻は威力を発揮する事が証明され、1セットを先取し順調な滑り出しに見えたが...。
県内最強セッターと言われ、強烈なサーバーである及川に加え、新たに加わった未知の存在、京谷に翻弄され、山口の活躍も及ばず2セット目を落とす。結果、フルセット(3セット)を戦う事に。

23話~24話。
武田監督は言う「いつか倒さなければ成らない敵を宿敵と言うのなら、烏野にとっての青葉城西がまさにそれ。戦いの舞台は整いました。宿敵との大一番。勝つのは君たちです!」
そしてキャプテン大地は「ファイナルセット。俺達は青葉城西を超えて行く!このチームで超えて行く!」と鼓舞するシーンに胸が高鳴る!

癖の強いキャラとして描かれる京谷が、チームでメンバーと向き合い信頼関係を築くシーン、先達おっさんの言葉、チーム競技が仲間と共動・共感・協調する事の大切さを改めて表しており、ラストの間話として優れた描写だ。そして手に汗握る緊張感溢れる素晴らしい描写の連続!
及川の超強烈なサーブで先にマッチポイントを奪われるが、頼もしい3年生の精神力と意地!
ラスト。影山は日向に上げる!最後までボールが見える様になった日向が放つアタックは!?拳を握りしめる日向…26対24...!
県内最強 全国常連校 白鳥沢学園への挑戦権獲得!

{/netabare}

25話(最終話)。
烏野が勝った事は素直に喜んだ。
が、グッと胸に染みたのは負けた青城の監督の台詞…「何を言おうとも、結果は結果のまま…。悔しさが薄まることもない…。後悔の残るプレーも有るだろう…。それでも先ずは言わせて貰いたい…よく戦った」号泣する選手達…ラスト、渾身の一撃を決められなかった青城のエース岩泉に共感し胸が熱くなる...。
そして...決勝進出を知った学友たちに祝福され爽やかにエンディング。さぁ...コンクリート育ちの力は、牛島率いる白鳥沢に通じるのか?! 3期に続く…。

【あとがき】
第1クール︰OP曲「アイム・ア・ビリーバー」歌唱 SPYAIR。作詞 MOMIKEN。作曲・編曲 UZ。ED曲 「クライマー」歌唱 Galileo Galilei。作詞・作曲 尾崎雄貴。編曲 Galileo Galilei。
第2クール︰OP曲 「FLY HIGH!!」 歌唱 BURNOUT SYNDROMES。作詞・作曲 熊谷和海。編曲 いしわたり淳治。
作中音楽担当︰林 ゆうき。

チームスポーツの魅力は「仲間と共に目標に向かう」事。自分の能力と仲間の能力が相乗効果を発揮して、成し得た結果を皆で分かち合える事でしょう。勝っても負けても、その感情を共に分かち合えるのはとても大きな財産です。特に、本作では全試合を通じ、負けたチームにも拍手を送りたくなる素晴らしい描写に感服しました。青春と言える限られた時間の中で、こんな素敵な仲間と共に過ごせたら…。その輝きを魅せてくれた本作に心から感謝を。

投稿 : 2022/08/28
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