「東京ゴッドファーザーズ(アニメ映画)」

総合得点
77.7
感想・評価
650
棚に入れた
3369
ランキング
554
★★★★☆ 4.0 (650)
物語
4.2
作画
4.1
声優
3.9
音楽
3.7
キャラ
4.0

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ネタバレ

愛しのレイラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

異色作

清白の聖歌隊のハーモニーが響き渡る
やや、長めの神父様の御言葉に無聊を託つ
クリスマスの慈善活動に群がる失業者の長い列
そんなブラックユーモアを独特な社会風刺で描く
日本の信仰観と生活文化の一端を捉えた短編物語として
筆舌に尽くしがたい魅力を凝縮した異色作(^^♪

◆「概要」
クールな東京の裏路地の醸す猥雑な場末な界隈で
ホームレスのギン・ハナ・ミユキの三人がクリスマスの夜
ひょんな事から捨てられた赤ちゃんを発見、その場に有った
手掛かりを元に展開する、分類すればハートフルな物語

余儀なくされた現在の姿と過去に因果関係が有った人物
そんな鍵を握る人物が劇中の限られた中、次々と登場するが
言わば、赤ん坊をきっかけに彼らの過去の点と点が繋がる過程
離れてしまった家族との再会で余儀なくされた彼らの人生模様を
断片的な過去の回想を巡り「沁みる」趣きと「不思議」な感覚という
難しい表現を高い次元で具象化した説得力の有る表現も見事でした(^^♪

昔、漫画アクションに掲載『迷走王 ボーダー』の雰囲気も感じました

◆「作画」
イメージとした呼応した猥雑な界隈を中心にアンダー気味の露出
薄暗い吹き溜まりと起立する高層ビルや何気ない商店の夜の街灯なども
美麗なアニメっぽい趣でなく、誇張の無い光学的な趣きがとってもリアル
街灯の下で照らされた粉雪のディティールも、その場の空気を大切した趣き

◆「時間芸術」
共産党のポスターと黒塗りの車、組の娘の結婚式に乱入した
ヒスパニック系の殺し屋、ホームレス襲撃、ハングル文字の路地
ハナのかつて働いて店、病院でギンの娘と再会、自殺願望者に至り
赤ちゃんの泥棒発覚から、ラストへの展開は、限られた時間で表現する
ご都合主義や現実主義の向こう側、これは時間芸術の一つとも言える

◆「キャラ」
劇中の「社会におんぶに抱っこ」と自虐ネタで彩られてますが(^^ゞ
悲壮感漂った中にも、芝居的な前衛芸術(アバンギャルド)な雰囲気を
感じさせるのは「ハナ」のオカマキャラによるものが大きいのでは…

◆「相対感」
過去の生き様の影を上手く物語に落とし込んだ渋めのトーン
猥雑な場末な雰囲気の背景で、爽やかでリッチなリゾート地という
そんな相対した関係が随所で垣間見えるのも本作の特徴と言えます

また、正対したカットも「規則的、整然」といった表現にも見えました 

◆「音楽」
寄席の舞台袖で演奏される下座音楽っぽい趣き
それに聖歌、第九など…何ともバラエティーです(^^♪

◆「奇跡」
年末ジャンボの抽選、一等、11組111111(2億円)

◆「加速する展開」
赤ちゃんを追いかけてトラックを追走するギン
タクシーで追跡するハナとミユキ、それまで淡々とした進行から
枷から解放された、その趣きは単勝オッズの高いノーマークの古馬が
四コーナーを過ぎて本命馬と叩き合い、差し切るカッコ良さが有り

トラックが激突した内部から視覚、薄暗いモノトーンの世界で
残骸と噴煙の中で浮かび上がるタクシーのライトに破壊後の余韻と美

屋上で追い詰められ身を投げる幸子と駆け付けた泰男
これはアニメと言うよりも芝居や舞台っぽい一味違った趣きで
説得し止めに入るが、やむを得ず転落し、尚も懸命に赤ちゃんを守る
壁面の垂れ幕に食らいつきバウンドし静止した位置で光が射し粉雪が舞う
その何とも奇跡的な動作、無音で光学的な美しい光景は圧巻でした(^^♪

そして病室でポケットから宝くじの番号、11組111111…

投稿 : 2022/09/08
閲覧 : 41
サンキュー:

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