「アルテ(TVアニメ動画)」

総合得点
72.0
感想・評価
263
棚に入れた
871
ランキング
1117
★★★★☆ 3.5 (263)
物語
3.6
作画
3.5
声優
3.6
音楽
3.5
キャラ
3.6

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ネタバレ

愛しのレイラ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

ルネサンス期の女性画家

◆「時代背景」
16世紀、ルネサンス初期~盛期 古代ギリシャ・ローマ文化の
再生期とも言われ、遠近法を用いてより豊かな表情の人物画、風景画
ギリシャ・ローマと同等の美術が完成された時期と言われており
ゴシック以前は、キリスト教美術と言われる空想上の背景で
のっぺりとした表情の宗教画がメインだったと記述されています

※ルネサンスの誕生の大きな要因としてキリスト教の弱体化が有力視

十字軍が聖地エルサレムをイスラム教諸国から奪還する際の
遠征が元で始まった東西の貿易の品にネズミが混入してしまい
数億の単位で猛威を振るったペストが欧州全土で広がって行く…

ほぼ聖職者で構成された軍はそんな状況を「神の怒り」と揶揄するが
忠誠心を掲げた所で変わらぬ地獄絵図にキリスト教の信用は大きく失墜

そんな中、東方との貿易が好調に進んだ本作の舞台となる
イタリア・フィレンツェは金融業・毛織物業で大きく繁栄して行ったが
中でも「メディチ家」は銀行(両替商)で大当たりし自治体にまで成長
国・教会に加え、芸術家の三つ目のパトロンの位置付けになったとされてる
※時代背景としては大まかに、こんなイメージでしょうか…

◆「フィレンツェ編」
※町のシンボル「ドゥオモ」「ヴェッキオ橋」の佇まいも素敵でした♪

髪を切ったり、肉労働的な無理難題を押し付けられたり
これでもかと「女のくせに」と女性蔑視の発言の応酬の数々…
過剰な根性論めいた展開にかなり違和感を感じましたが(^^ゞ

考えてみると、ルネサンス期に限った事ではないんですが
この頃の建築を含めた美術関係に至っては木版画や肖像画など
小規模な作品から天井や大広間の様な大きな空間に描かれる
大きな規模の作品にまで、多種多様に及んでいる訳です(^^♪

大広間の足場に登って漆喰を塗り、乾燥する前に絵を描く
ま、言ってみれば、重労働な側面が強い過酷な仕事だと言う事
言い換えれば、現世で言う建築現場の持つ厳しさも有ると思います

華やかな芸術作品の下地には幾つもの肉体的に精神的にも
汗と涙の結晶の上で成り立っているのは避けては通れない事実

重い資材を運んだり、木版を磨ぐ、基本作業から始まり
絵の具を作る技術が発展し、より緻密な描写が主流になった
言わば、こういった男臭い仕事としての色合いが強いのも
女性を蔑視する描き方の一つとして関与してるのかなと

ヴェロニカの人生指南の元で得たスキルを駆使しながら
ビジネスライクな頑固者ウベルティーノとの商談を纏める器量
また、レオの師匠からの続く、互いに悪態付きながらの利害関係
そういった先代からの繋がりを描いたエピソードも余韻が有り
アルテが庶民に扮した目線で、当時の過酷な職業となる下地として
労働の内容の一端と生活習慣ぶりを描いた序盤、中盤も良作でした

◆「ヴェネツィア編」
※運河が縦横に広がる風光明媚な水の都として鮮やかな表現
レオの師匠の娘・ルザンナを助ける為ヴェネツィア行きを決意

幼少期に六年間、乳母に養育地で育てられたカタリーナ
フェリエル家の料理人の親子・ボーナとジモと共に暮らす事に
自分の親以上の感情を抱き、頑なに貴族的な仕来りを拒否し続ける

一方で、多額の持参金も必要になって来る女性に対して
父フェリエルの拒絶感も伴い、本当の親子との間には大きな溝が有った
そんな貴族社会からなる女性への不遇と身分制度が産んだ悲しき現実

自分と似た境遇のアルテに徐々に心を開き始めるが
不祥事が原因でアルテが家庭教師を解任される展開で
カタリーナの示した行動、一歩踏み込んだソフィアの姿
そんな前向きな三人の気持ちが交錯した良質エピソードでした

マテイの言葉は寓話的だが、逆境にめげず訪れたチャンスを
自らのモノにしたアルテの成長の証とも言えるんじゃないかな

◆「先天的な身分」
物乞いだったレオも立派な画家職人になった苦労人
貴族出身の女性が画家として真っ向から受けて立つアルテ
この物語の意図する事は、そんな先天的な身分からの逆境に
立ち向かうポジティブな姿勢を純粋に楽しむのが正道かと

◆「相反したキャラデザ」
やや不適なイメージだが、異教的で官能的な女性の作品を
オマージュしたものと強引な仮説で承諾を得る事にしましょう(^^♪

◆「持参金」
女性側が持参金を用意する習慣は、古代ギリシアや古代ローマから存在
庶民など、持参金を用意出来ない女性は条件の良い結婚をする事が難しく
貧しい未婚女性に持参金を寄付する行為は慈善活動と考えられたらしい

聖ニコラオス伝によると、結婚に際して持参金を用意出来ない
貧しい姉妹の住む家に金貨の入った3つの袋をこっそりと投げ込んだという
サンタクロースが靴下にプレゼントを入れる伝承の元になったとの事
※Wikiより抜粋

◆「食事」
中世欧州の平民は裕福な家庭では白パンにスープ、加工された豚や魚が中心
城塞都市に住む庶民は茶色い二級品になり、肉や魚を食べる回数も減少する
さらに貧民になるとオートミールに野菜といった食事が多かったそうです♪

◆「音楽」
OP曲は、始まりの爽やかさと希望というイメージ
ED曲は、その日の追想と新しい明日というイメージ
双方共にアルテと物語にお似合いの良曲かと…

◆「その他」
こうやって、後日に文面として纏めてみると
内容は良質な物語なのですが、適さか尺不足で
ヴェネツィアでのカタリーナとのエピソードも含め
総じてココ一番の見せ場では、もう少し丁寧さが欲しかった

有名なアーティストのオマージュ作とは違ったフィクションとして
アルテの前向きな等身大の人柄がとても伝わる良作だったと思います

因みに原作も未読ですし、絵画にも詳しく有りません(^^♪

投稿 : 2022/09/13
閲覧 : 37
サンキュー:

5

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