「宝石の国(TVアニメ動画)」

総合得点
81.5
感想・評価
904
棚に入れた
3615
ランキング
376
★★★★☆ 3.9 (904)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.0
音楽
3.8
キャラ
4.0

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ネタバレ

愛しのレイラ さんの感想・評価

★★★★★ 5.0
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 5.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

古代生物の欠陥

現世から離れた異世界という閉鎖的な地で生き抜く人間の末路
かつて存在した人間の名残として比喩される宝石の体を持つ生命体
幻想的ロケーションと散りばめられた謎、厳しい戦いと儚い生命
叙情的ながら「勇敢、惨酷、尊ぶ、習う」といったテーマを明確に
婉曲した表現の中にも人間的な温かみが垣間見える作品でも有り
その類稀な世界観とクオリティに否が応でも惹きつけられる魅力が有る

◆「概要」
襲い掛かる月人に対して、日常パートでは可憐なキャラの癒し系
戦いでは、スピード感、キレ、美麗な演出と共にバトル要素も申し分なく
負傷した部位、散り際の儚さも、独特な夢幻的な表現で描かれるのが特徴
かつて存在した人間を比喩的に「魂・肉・骨」に分類されるのですが

肉となるアドミラビリス族は生殖と死を繰り返し、知を紡ぐ特性を受け継ぎ
骨となる宝石は長い時を生きる術を身に着けたとされる長寿が故の侘しさを
魂となる月人は新天地を求め、肉と骨を取り戻すべく彷徨ってる…
そんな、哲学的な思想と壮大なテーマで描かれる作品
今後、どんな展開で回収されるのか楽しみな作品では有ります(^^♪

◆「擬人化の目的」
CGヘアスタイルの質感、顔や腰のクビレは女性的ですが、一人称は「僕」
ステイタスとして硬度が指標になる反面、「へき開」という致命的な脆さ
き裂による、圧力に対して耐えられる粘りの強さを指標とした靭性
それらを評価する試みとして、響く音として表現する様も独特なもの

愛称「ダイヤ」硬度10、靭性2級という…中性的なキャラが多い中
茅野愛衣の演技も相まり「女子らしい」立ち振る舞いが特徴の癒し系キャラ
また、硬度10、靭性特級の「ボルツ」は、当に男役といった雰囲気で
冷静かつ合理的な戦術眼に優れる戦闘狂、そんな最強の剣士との関係性…

そんな憎悪や憧れといった感情を独特の世界観でより高尚な趣きで
人間や性別を超えた表現として擬人化させる意味合いを持たせており
何方かが語っておられた「宝塚歌劇団」とは巧い言い回しだと感心(^^♪

◆「無欲と副産物」
色んな宝石を擬人化された様々なキャラは可憐な趣きで
役目もそれぞれ異なるのですが、主人公の「フォス」は硬度も3半…
先天的な脆さが仇となり、一人前の任務に就くこともままならないといった
劣等生的なトラブルメーカーながら、仲間想いで純粋な面も兼ね備え
子供の持つ柔軟な思考と身体の硬度が比例した様なキャラ像も興味深い

従来の欠落しやすい性質ながら、他鉱石との互換性に富んだ特性が有り
仲間の危険に乗じた任務で負傷した部位を欠損しながら、他材質を結合させ
優れた特性を吸収し能力を上昇させていく展開は「わらしべ長者」的な趣き

■アドミラビリス族のウェントリコススと月人に捉えられた弟アクレアツス
弟の開放に利用された図式のフォスたが、純粋が故の無欲さに感慨を受け
結果的に自身の殻からアゲートの詰まった2本の棘を与えられ俊敏な脚を得る

■硬度2ながら、体から水銀を自在に操り戦闘力はかなり高いが
その能力には毒が同時に付き纏うという諸刃の剣とも言えるシロモノで有り
自己承認欲求より、悲しき宿命の「シンシャ」を想う気持ちが原動力となり
白金の持つメリットが水銀のデメリットを凌駕する強力な能力を得る訳だが
硬度と逆の物質を互換させる意味合いとして身体と思考面での柔軟性を説く
ことわざ「柔よく剛を制す」的な古来から伝わる原話的な趣きも感じさせる

■硬度3ながら、通常は液体だが気温が下がれば結晶して人型になる
誠実で責任感が強く感情的にならない理性派で金剛先生の人望も高い
身代わりに散った「アンターク」の思考と理念へ敬意が伝承されたのかな…
以前に比べ、理路整然と状況を説明する様子を見る限りそう思います

◆「柔と剛の実力者」
春になり、全くの趣きの変化に大人気の様子ですが(^^♪
一方で、体の欠損と記憶の喪失、能力の上昇と思考の変化という
思考の柔らかさ(少年の心)視覚的な(あどけなさ)が変化して行く感覚

以前は、新型の月人の前に恐怖で動けなかった「フォス」だったが
慕う相手の強い想いを糧に、それぞれの能力を想起させるが如し
異なる材質を互換させ開花させて行く訳だが、その類稀な戦闘能力は
最強に位置される「ボルツ」にパートナーとして切望される程のレベル

より大型の月人「しろ」が校内に残った「ダイア」を襲うが
身を潜めながら懸命にやり過ごす様は、派手な能力とは違った心理的な怖さ
一人で果敢に戦い満身創痍のダイアとボルツの絡みも秀逸な描写でした

◆「新たなる展開への布石」
金剛先生と月人の関係を提示し…新たなる展開への布石となる終章
序盤では異なる立ち位置で「シンシャ」へ憧れを抱いた「フォス」だったが
終盤、同等の目線で新展開へ誘うシーンも感慨深いものでした

◆「音楽」
OP曲は、幻想的なソウルジャズの打ち込みという雰囲気
米のソウルジャズシンガー「ジャッキー・デイビス」の影響を受けた
カロ・エメラルドのジャズ・エレクトロスイングが色濃いナンバーで
Voは何処かノラ・ジョーンズ的な女性的な雰囲気を感じる

動きの有るシーンの劇伴はデイヴィッド・フォスター"Winter Games"を連想

◆「その他」
妄想世界という輪郭のはっきりしない世界観が
人によって合う合わないがハッキリする様な作品で
「灰羽連盟」あたりが好きな人には刺さると思います

難点はキャラが少し多いところでしょうか
白衣が素敵な医療担当「ルチル」はお気に入りです(^^♪
原作も未読ですので、今後の展開がとっても気になる締め方でした

投稿 : 2022/09/19
閲覧 : 54
サンキュー:

6

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