「戦国乙女~桃色パラドックス~(TVアニメ動画)」

総合得点
60.9
感想・評価
318
棚に入れた
1516
ランキング
5546
★★★★☆ 3.4 (318)
物語
3.3
作画
3.4
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.5

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ネタバレ

てとてと さんの感想・評価

★★★★★ 4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

現代っ子な女子中学生が美少女戦国武将たちの異世界に転移するファンタジー。かなり面白い

※作品デタベース様より転載

【良い点】
一見してありがちな戦国武将女性化系と思いきや、異世界転移系として設定や世界観がしっかりしている。
異世界で良き日々過ごして最後は名残惜しんで帰る、いわゆる「行きて帰りし物語」の王道で完成度が高い。

2話と早い段階でノブナガなどの武将が女しかいない疑問点をふんわりとではあるが言及、以降も並行世界云々と理屈付けしている。
12話伊達先生の難解な多元宇宙云々をノブナガが「異邦人なのだな」とアッサリ片付ける下りなど、上手い。
主人公のヒデヨシちゃんがアホっぽい天真爛漫な現代女子中学生なためか、現代知識を濫用せず。
携帯電話を早々に壊して現代要素消す等。
この点は「信長協奏曲」と少し似ている面白さ。

主要キャラが軒並み可愛く魅力的。
ヒデヨシを能天気な現代っ子で甘え上手な妹系で結果愛される人たらし、というキャラ付けも絶妙。
2話と早い段階でヒデヨシの持ち味と本作全般のスタンス(やさしさや思いやりで楽しくいこう)が分かり、ノブナガが同調することで確定。
ノブナガが痛快な女傑で魅力的、ノブナガ様に心酔するもヒデヨシへの嫉妬や疑念に揺さぶられるミツヒデ、
という主要三者の関係も良かった。ミツヒデがツッコミ役としてコメディー面の楽しさにも貢献。
この他戦国大名たちの立ち位置やキャラ付けもB級感あるがむしろ良い、適度なキャラ数でシンプルな関係で分かりやすい。
イエヤスちゃんが腹黒幼女で可愛かった他、大らかなヨシモトお姉さまの魅力も何気に高い。今川ヨシモトも中々の人格者だった。

優しい世界の和やかコメディーと、伝説の甲冑にまつわるシリアスのバランスが絶妙。
モブに優しく人死には出なかったり、9話囚われたヒデヨシちゃんへの拷問がくすぐり責めだったり、サツバツさは回避。
それでいてシリアスは適度にハラハラさせる緊迫感ありつつ、根底にある絆が大事というメッセージが勝つ流れ。
全編通して完成度の高い脚本、お気楽コメディーやりつつも早期から着々と伏線を張り、ラストまで綺麗に回収。
イエヤスちゃんの黒い野心を早々に(視聴者に)開示したり、ミツヒデの本能寺ゲージが蓄積されていく心境の変化も丁寧。
6〜10話本能寺に至るミツヒデのドラマはヤンデレ気味な百合として良質だった。
ライトな百合コメディーと、真剣シリアスな百合ドラマのバランスが絶妙。
ライト百合として見ても姉ポジのノブナガと妹系のヒデヨシ、ヨシモトお姉さまとイエヤスちゃんなどあざとい。

終盤バトルの盛り上がりが非常に熱い、下手なバトル系アニメよりも良い。
最終話の総括も非常に良い、お館(ノブナガ)達と過ごした日々が輝いていた、終盤の感動に説得力がある。

作画も綺麗ではないがキャラデザは申し分なく可愛い、アクションも要所で盛り上がる。
OP「陽炎-kagerou-」がカッコ良し、印象に残る。

【悪い点】
伊達先生の動機の掘り下げがやや唐突感。
山場が12話イエヤスちゃんで終了、伊達先生はやや蛇足感が。

犬が結局何者?とか、いくつか未解決の謎を残すラスト。

西国三大名がカマセ。限られた尺で善戦していたので悪くはないけれど。

予告の声優実写パート。声優さんは顔出しいらんです。

【総合評価】8点
一見B級の戦国女体化の一作品に見えて、侮れない良作。
可愛さと楽しさとしっかりした物語を1クールで見せてくれる。
評価は良い寄りの「とても良い」

投稿 : 2022/10/02
閲覧 : 197
サンキュー:

3

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