「ジョゼと虎と魚たち(アニメ映画)」

総合得点
78.3
感想・評価
183
棚に入れた
757
ランキング
553
★★★★☆ 4.0 (183)
物語
4.0
作画
4.2
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 4.5 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

恋愛アニメは素敵なカップルに惚れ込むのが好き。

【概要】

アニメーション制作:ボンズ
2020年12月25日に公開された98分間の劇場版アニメ。
原作は、作家の田辺聖子による同名の小説。

監督は、タムラコータロー。

【あらすじ】

下肢麻痺で幼い頃から車椅子なしでは生活できない山村クミ子(ジョゼ)は、
祖母とふたりで大阪の古民家で暮らしている。

大阪の大学で海洋生物学を専攻する大学4年生の恒夫は、ある夜のバイト帰りに、
天王寺の愛染坂にて車椅子が猛スピードで止まらなくなって投げ出されたジョゼを、
出会い頭に受け止めた。祖母の言うには、ちょっと目を離した隙に車椅子を誰かに押されたとか。

礼にと、ジョゼの祖母に夕飯に招待された恒夫は、帰り際に祖母からバイトを紹介される。
恒夫は、海洋生物学の勉強のためにメキシコ留学費用を貯めている最中であり、
今のダイビングショップなどのバイトと掛け持ちで、仕事を引き受けるが、
仕事内容はジョゼの側にいて、彼女の言うことを聞いて世話をすることであり、
始めて見ると、可愛らしい見た目に反してのジョゼの態度の悪さにムカムカする恒夫なのだった。

【感想】

原作小説も、妻夫木聡さん・池脇千鶴さんが主演の実写映画も観てないですが、好感触の作品でした。
イケメン俳優の中川大志さんが演じる恒夫くんかっこいいですし、
自分の世界に閉じこもりたいのに、垣根を越えてくる恒夫くんをどうにかクビにして排除しようと、
最初はいけずでつっけんどんだったジョゼが心変わりをして、おばあちゃんを目を盗んで、
デートみたいな外出を重ねていくうちに恒夫くんを好きになってくのも可愛いですし、
恒夫くんに惚れてる舞や司書の花菜さんなど含めてキャラデザや表情が良い。
総じて作画のクオリティが高いです。
「ヴァイオレット」「鎌倉殿の13人」のEvan Callさんの劇伴が良かったですし、
ジョゼ役で本職は声優ではない清原果耶さんの関西訛りが良いと思ったら、
彼女は大阪府大阪市生まれのネイティブ関西人。一人称の“あたい”が強烈ですがそれすら可愛い。
おばあちゃん役の松寺千恵美さんは女優として活動してる傍ら、
NHK朝の連続テレビ小説で「大阪ことば指導」でたくさん方言監修してる。
ジブリアニメで声優を排除してタレントを使うのには否定的なのですが、
言葉や声に関してこのアニメでの出演者の俳優への不満は一切なかったですね。
演技のディレクションなどをきちんとやっているからかもですね。

と、映像作品としてはかなりお気に入り尽くしなのですが、
原作や実写映画と違って、お綺麗な話としてまとまっているみたいですね。
ジョゼちゃんが足が動かないことに付け込むスケベエなおじさんに悩まされていて、
それをきっかけに恒夫くんと濡れ場になる原作。実写映画では恒夫くんには江口のりこさんが演じる、
性的な関係のある女友達がいるのですが、アニメは健全ですし恒夫くんは好青年。

やらしくて退廃的な部分を無くして、
障がい者差別的な部分は一部残しているものの全年齢向きの表現にして、
ショッキングな出来事に何度も見舞われて行き詰まりや挫折を感じながらも、
純朴でひたむきに生きる若い男女の物語としての再構築。
原作通りじゃないとダメ!って思う人もいるかも知れませんが、
自分としては有り無しで言えば、有りですね。

夢ややりたいことがある人、自分の殻を破って強くなりたいという気持ち、
辛いことがあっても乗り越えていく強さ、それは一人では無理で、
人の支えになりたい気持ちと行動でお互いに思い合うのが二人の絆を深めていく。
それには頑張って自分の気持ちを伝えて歩み寄っていくことの大切さ。

綺麗な理想主義寄りにアレンジされたアニメ映画版ですが、
映像の美しさと爽やかな気持ちになれるラブストーリーは個人的にはかなり良い作品でした。


これにて、感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/11/08
閲覧 : 236
サンキュー:

31

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