ハニワピンコ さんの感想・評価
4.1
物語 : 3.5
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 4.5
キャラ : 3.5
状態:観終わった
ベタベタなセカイ系を一般層にも突きつけた作品
新海リバイバルにて3年振りに鑑賞
前はIMAXだったかは忘れたけれど、前作よりは音や迫力のある画というのはそこまで重要じゃなかった
内容はド直球のセカイ系で、少年少女と世界(東京)の終わりという作用を、好きだからという理由で選択をする実に単純でありながら「まぁそれも良いよね」と観れる様に仕上がっているのは、そういう「セカイ系」というジャンルの持つ力というよりはむしろ、創作の主人公には多少なりとも悪漢的要素を持って欲しいといういわば憧れと、東京沈没という魅力的な響きが合わさったためである
選択に対しても、元々東京は滅ぶという運命でありながら、突然力を与えられた少女を犠牲にして滅亡を止めることも出来るのであり、一人の犠牲で大多数が救われるという物に反発して動き、そして救い出すまでに至るというのが寧ろ面白いのであり、もちろん一切の責任が無いわけではないが、その責任を二人で負う事が更に良いんじゃないか
大筋としてのプロットは楽しめたが、全体的なキャラやそもそもの原因描写という部分では、穂高がそこまでして島から出て来た理由も、陽奈と凪が施設などではなく二人で生活している理由も完全に不足していた
前者はなんとなくの憧れや息苦しさという部分が示されていたし、そもそもインタビューで直接的な原因よりただ走る姿を見てほしいという事が言われているので、考察の域を出ないのでいいとして
後者は本当になんで?二人が一緒に居たいからとか?そもそも母親が死んで父親はしらないがそういう状態を警察は放置するのか
ここら辺は普通にキャラ描写という観点から描かれないのは疑問
映像は相変わらず凄い。今作は前作よりも東京という都会の花形的部分から路地裏までを繊細に描いており、それを見ているだけでもワクワクする
特に警察から逃げるシーンは10年代ベストと言って良いほどちゃんとカーレースしており、映像に関しては見たいものがたくさん見れて満足
音楽もRADが好きなのもあるけれど、今作もやっぱり凄い
前作とは対照的に抑えめの曲が多いけれど、盛り上がるところでしっかりと上げられる曲になっており、曲も含めて没入できる
セカイ系×ジュブナイル というゼロ年代を彷彿とさせる作品を19年に公開して大ヒットしたという事は、物語の主人公らが持つ要素や憧れに関してはやっぱり昔から変わってないのかもしれないと思わされた
それは良い事だと単純だが思う
新作も観に行きます