「明日ちゃんのセーラー服(TVアニメ動画)」

総合得点
80.6
感想・評価
452
棚に入れた
1412
ランキング
439
★★★★☆ 3.9 (452)
物語
3.7
作画
4.3
声優
3.9
音楽
3.8
キャラ
3.9

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ネタバレ

蒼い星 さんの感想・評価

★★★★★ 4.4
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

おんなのこ図鑑。

【概要】

アニメーション制作:CloverWorks

2022年1月9日 - 3月27日に放映された、全12話のTVアニメ。
原作は、漫画家・博によって『となりのヤングジャンプ』でWeb連載中の漫画作品。

監督は、黒木美幸。

【あらすじ】

名門女子中学・私立蠟梅学園(わたくしりつろうばいがくえん)は、
田んぼだらけで家がまばらの田舎にある。
地元の小学校に通う最後のたった二人の児童姉妹の姉である、明日小路(あけびこみち)。

小路の夢は、 母が昔に通っていた学園の憧れのセーラー服を着ること。
物語は、小路の中学1年生の春から始まる。
洋裁の仕事をしている母親が仕立てたセーラー服を着ての入学式。
学園の制服はブレザーであり、旧制服のセーラー服を着てるのは小路だけだった。

廃校寸前の小学校でわびしい思いをしていた小路は中学生になって生まれて初めての同級生。
彼女らとは、ただのクラスメイトではなくて友達になりたい!

田園と緑に囲まれた、小路のワクワクの中学生生活。
これは少女らの青春の物語である。

【感想】

原作者の博先生の前作の「ゆめくり」を見るに、少女の全裸と生足を描いてて、
美少女と人体デッサンが好き!という後年の原型が既に出来ていましたね。
そこから更に画力を高めた本作品では、最高の美少女としての明日小路を描きたい!
との作者の強い信念。

スウェットを脱いでセーラー服に着替えるまでの一連の細かい所作に5ページを費やし、
全段ぶち抜きサイズでのセーラー服姿の明日ちゃんのお披露目までに計7ページ。

これらの動きのある本気の絵による美少女グラビアイラスト集にストーリーをつけた、
この漫画をアニメ化しようとすると、アニメーターも本気の仕事で応えようとしたわけで、
原作の世界観と作画をアニメで表現するのに、
美麗な背景と写実的な作画カロリーだらけの映像という方式を選択することで、
物凄く手がかかって、まるで実写アイドルドラマをアニメの世界に当てはめたかのような、
美しくも活動的な映像になっていますね。

純粋で真っ直ぐ、男性作者の理想の美少女像の明日ちゃんが原作絵では綺麗で可愛らしいのですが、
それをもとにした小顔でスリムで手足の長いお人形さんみたいなキャラデザがアニメでは、
私の主観では写実的な映像表現と融合しきって無くてアニメではアンバランスと言いますか、
明日ちゃんのタレ目の大きさや大口が映像の生々しさとの相乗効果で不気味の谷に思えたり、
腋チラ、臍見せ、しっとりとした唇などで12歳の少女キャラたちに艶を見せようとする、
男性作者視点の盗撮にも近いフェチズムを監督らの女性スタッフらの尽力でも、
ねっとりした感じに思えてしまったのは、私の心が濁っているせいですかね?

とはいえ、数々の日常芝居や楽器の演奏シーンなどを見るに、
この作品の映像の力は特級品であるのには異論なく認めざるをえないですね。

1クールの前半はアイドルビデオとしか思えなくてこのアニメもこんなものか?でしたが、
後半に入ってからが良かったですね。

適当に生きてきた一人の少女に自分を肯定して頑張ることを、
明日ちゃんの心が背中から押してくれたり、
明日ちゃん自身の他人の言葉や行動で影響されていく。

少女らがお互いに干渉し合うことで一喜一憂する、群像劇としてのドラマ。
実はアニメでは原作とエピソードの順番を大幅に変えているのですが、
ストーリー構成の妙と個別エピソードの積み重ねで、
友情ドラマとして芯ができたことでラストの感動へと繋がっていますね。

実は視聴前は、作画が良いだけで男性向きに媚びたフェチアニメだろう!
と思っていましたが、そういった先入観で一刀両断にするのは愚かしいな!
とこのアニメから学ぶところがありました。


これにて感想を終わります。
読んで下さいまして、ありがとうございました。

投稿 : 2022/12/27
閲覧 : 199
サンキュー:

39

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