「プリマドール(TVアニメ動画)」

総合得点
67.3
感想・評価
137
棚に入れた
419
ランキング
2440
★★★★☆ 3.4 (137)
物語
3.2
作画
3.7
声優
3.5
音楽
3.4
キャラ
3.4

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ネタバレ

take_0(ゼロ) さんの感想・評価

★★★★☆ 3.6
物語 : 3.0 作画 : 4.5 声優 : 3.0 音楽 : 3.5 キャラ : 4.0 状態:観終わった

期待値上げて観ちゃったのかなぁ・・・。

第1話
導入部からの流れは悪くない感じ。
もちろん。まだなにもわからない事は言うまでもない。
ただしっかりとした作画と愛らしいキャラの造形は期待値を多少上振れさせてくれた。あとは、やはりKey絡みと言う点も期待をしてしまう点ではあるかな。
ただ、近年あまり響かない事があるのが気がかりではある。

1話では夕霧と千代のエピソードがポイントとなったかな。
少し薄いというか、軽いという感じもしないではないが、記憶を持った「ドール(モノ)」達と人間の間でしばしば描かれる様なタイプのエピソードとなっている。(あえて「モノ」という冷たい言い方をしています)
ただ、おっさんになってくるとね、それぞれの立場をしみじみと理解できるようになっているのか、切なさや、どうしようもない悲しみなんてものを、そこはかと無く感じてしまってね…。
まぁ、それなりに感情移入してしまいました。


第2話は月下のエピソードと言うことになりますかね。全体的な物語の中で描かれていくのでそれほど強く前面には出てきませんが、月下が「笑うことができない」というエピソード、過去の出来事、そして兵器としての一面も描き出されます。
エピソードエンドで月下がうっすらと微笑んだ様に見えたのは印象的でした。


第3話は箒星のエピソードでしょうか。
この娘は序盤から顔を出してはいたのですが、筆談が気になっていたキャラでした。エピソード後半では話せなくなっていた理由が明かされ、大きな悲しみと共に歌声を取り戻しました。
戦争にからむエピソードであり、なかなかにツライ物語でした。
これも、ありがちなエピソードではありますが、押さえるべくして押さえられた物語なのでしょう。
この作品、オーソドックスな泣かせポイントを短くシンプルに盛り込んでいる様子です。
今のところですが、よく言えばあっさりとシンプルに盛り込んでいると感じました。
このまま進捗していくのか、変化が起こるのか、興味深く見守ろうと言う気持ちです。

第4話は鴉羽のエピソードという事でしょうか。
鴉羽の過去の記憶とそこから始まるオーナーナギへの思いが語られました。
そしてドールにまつわるとある陰謀が明らかになり始めてきました。
灰桜と鴉羽のデュエットは様になっていました。
少し楽しい気分になりました。


第5話この回ではレーツェルと言う新人さんのドールが登場します。
登場する経緯も描かれてはいるのですが割愛、お店を手伝う中でレーツェルは優秀なドールで、教育係となった灰桜よりもよっぽど活躍するのですが、大きな闇を抱えています。
ドールの兵器としての一面を色濃く持ち「任務」に対して今なお忠実に行動しようとします。
戦争が終わっている今となっては、過去に捕らわれた悲しいドールの姿と言って良いでしょう。
今回もまた、戦争とドール、そして時代、環境の変化に翻弄されるドールの姿が描かれていました。
でも、やっぱりテイストはあっさり寄りですね。

第6話 中締めっぽい。
最後の乙女ちゃんのセリフが無かったら、そのまま終われたくらい。
全話をとおして、ここまでドールのワチャワチャ系以外のハートに訴えかける要素は割と薄め。
個人的には「テーマ的な意味」で、私の好むレベルまでの深掘り、重さがなく、少し残念。
私の好きな「人ではないヒト」的な哲学的な問いや迷い、そういったテイストの物語とは違うようだ、と現時点では思っている。

ただ、残念とは言ったものの、兵器として創られたドールたちが、戦争を引きずっているとはいえ、平時を取り戻した世の中でどのように生きていくのか、そのように周囲の人々と関わっていくのか、どう自身の存在意義を認めていくのか、といった観点はやはり興味深い。

第7話この回のエピソードは割と好きだった。
メインのストーリーラインの方では、オーナーのナギ氏にちょっとしたトラブルが発生したようだけど…。
黒猫亭では月下が中心となって物語が進行していた。
とあるきっかけで知り合った老夫婦と交流を深める月下、しばし和やかなムードで時は過ぎていくのだが・・・。
って感じ。

途中で何かイヤな予感はしたんだけどなー。
月下にとっては少しツライ出来事になってしまったかもしれませんね。
しかし、箒星が言った様に「全部がウソだった訳ではない」。
きっと月下の心には残ったモノがあったはずです。
きっと月下に変化が訪れる、そんな気がする回でした。

それにしても、この月下と言うキャラは不器用ですが、かわいらしい魅力的なキャラだとおもいました。
途中で披露した歌も思ったよりハスキーな感じ+アクティブで個性的で良かったです。

第8話灰桜と鴉羽のオーナー求めて大冒険!!って感じでした。
大きなストーリーの方に絡んでくるのでしょうかさかんに「桜花」型と言うドールの情報が描かれます。

余談ですが「桜花」と言うと、私的にはついつい特攻兵器「桜花」を思い出してしまいます。多くは語りませんが「大和」に並ぶほど日本人には知っておいて欲しい名だと思っています。
何があって、どうなったのかと言う意味を含めてね。
もっとも、このあたりのお話は「回天」「伏龍」「震洋」・・・etc.
まだまだあるのですがね・・・。

また、いらぬことを書いてしまいました。

とにもかくにも、灰桜と鴉羽の活躍?によってオーナーのナギ氏も救出され一件落着、という事なのでした。

大きい物語としては、これから・・・と言う事なのでしょう。

第9話アバン部分で大きなストーリーラインにからむシーンと思われるものが挿入されているもののこのエピソードでは、オーナーの元から黒猫亭に帰って来た際に出会ったドールの灰神楽が黒猫亭に馴染んでいく過程が描かれていました。
灰桜が教育係(と言うかお姉さん的立ち位置)として関係を築いていく。
そして終盤にはアバンで描かれていた大きなストーリーについて動きが・・・、オーナーの口から拐われた際に修復を強要されたドールが桜花型であった事明かされる。
その頃、黒猫亭でも不穏な気配が・・・。

まあ、灰神楽自身が何者か?桜花型とは?何が起ころうとしているのか?と言う点は残ったまま、後に続くと言うことのようだ。
灰神楽にスポットを当てながらの繋ぎ回的な印象。

第10話なんと黒猫亭が火災により全焼。
それぞれのドールはそれまでに築いてきた人間関係(ご縁)を頼りに、それぞれの場所にて生活をつづけていた。
ここら辺はいろいろと培われた関係が見え隠れし、いい感じ。
でも少し薄いかな・・・。
そして鴉羽が皇都博覧会に向けてのステージ練習場を確保し、再び皆の居場所が出来た。
この事をオーナーが「きちんと黒猫亭を守ってくれた」と評価していたのは、なかなかにイキな計らいで印象に残った。

いよいよ本ステージというところで・・・って感じ。

メインのストーリーラインが繋がってくるのだろうけど、あんまりいい予感がしないねぇ。

11、12話については・・・。
あまり多くは語らない事にしよう、そうしよう。

今作は結構真剣に視聴をしてきた経緯から、そういうようなお話になるのだろうとは思いつつの視聴ではあったのだけれども・・・。
どうにも、しっくりとこないと言うか、ダメじゃないけど、好きじゃない展開と言うか、なんというか・・・。

KEY作品だということ。
第1印象の絵面で「いい感じじゃん」と思ったこと。
作品のコンセプト、テーマ的なものが好みかも、と思ったこと。
実際視聴を継続していく中で、それなりの満足度があったこと。

あたりが理由となって期待値をあげすぎてしまったのかもしれない。


本当にダメじゃあないんだけど・・・っていう感じが一番しっくりくる感想。
あえて言うならば「惜っしぃなぁ」に近いかも。


この作品の少し前に観た「ルミナスウィッチーズ」のレビューにも書いた気がするけど、意表を突く展開やサプライズ、今までにない展開なんかを描き出すのもクリエイターの大きな才能だとすれば、同様にありがちなありきたりな着地点であっても、視聴者が望む着地点にしっかりと説得力を持って着地させるのもクリエイターの力だと思うんですよねぇ。

もちろん、今作のクリエイターさんが「俺は」こういう風に表現をしたかったんだ、と言われてしまえばそれまでなのですけどね、もちろん。

このことは当たり前なのですが、どちらがいいとは言えないことで最終結果として作品がどうなったか、さらに視聴者にどう受け取られたかによってのみ評価されるポイントで、結局、博打的と言いましょうか、運と言いましょうか、コレがモノを生み出す皆さんにとっての大きな苦しみと喜びの根源なのでしょうれども。

そういう意味では、私の好みに合う終わり方では無かった・・・と言う事になります。
まぁ、あくまでもこの感想は「私にとって」のものとなりますので悪しからず。

ただ、他の作品に負けない良い点が多くある美しい作品であるのは間違いないと思います。
機会がありましたらご覧くださいませ。

投稿 : 2023/02/01
閲覧 : 139
サンキュー:

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