「機動戦士ガンダム 水星の魔女(TVアニメ動画)」

総合得点
75.1
感想・評価
384
棚に入れた
1227
ランキング
821
★★★★☆ 3.7 (384)
物語
3.5
作画
3.9
声優
3.7
音楽
3.8
キャラ
3.6

U-NEXTとは?(31日間無料トライアル)

ネタバレ

ハウトゥーバトル さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 4.0 作画 : 5.0 声優 : 5.0 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

祝福(笑)

質問来てた!「彗星の魔女って、ガンダムを見たことない人でも楽しめるの?」
結論!「ガンダムを知らない人でも楽しめる、というのは事実ですが、かといってこれがガンダムのきっかけに必ずしもなるという訳でも無さそうです」
(ごめんなさい。ネタ知ってるだけでご本人のヨウツベ見たことないです...)

ガンダム、といえばおじさんおばさん大好きなアレ、という認識の若者が多い現代において、「明らかに若者向け」という作品が出るのは必定だとちゃんと理解していても、元々のファンからの「ちょっと...」という懸念はやはりありました。XWGからあったんですから、AgeやGレコや本作では尚更でしょう。まぁ結局AgeもGレコも上手くは行かなかったっぽいですが。しかし本作は割と成功したと言えるでしょう。ガンダムをよく知らない人でも何となくタイトルは知ってる、みたいな現象がやや起きてるらしく、私の友達も「あ、ガンダムやってたよね!」と話題を合わせてくれるあたり、知名度が伺えます(今までは放送されてたのすら気づかれませんでしたが)。

内容としても、宇宙世紀ではなく全く新しい歴史(ガンダム公式の解釈としては他の作品も一応は繋がっている?世界が滅んでまた再生しての繰り返しの中の一つのストーリーという設定らしいので、正確には全く別の話、という訳では無いのですが、話の内容には微塵も関係してこないため、独立した一つの作品として進ませて頂きます)なので、初心者にも優しく、尚且つストーリー内容も優しいものになっています。戦争というよりかは「学園モノ」という印象が強く、恐らく今後メインとして展開されるだろう「差」の要素を散りばめながら、爪痕を残し、終わった優秀な1クール目だと言えるでしょう。
主人公が女だったり(ポケ戦の主人公はバーニィだと私は思ってます)、機体デザインが基本的にまるっぽい(これに関してはターンAやGレコもそうでしたが)だったり、私の記憶では2クールの約25話のガンダムは無い(ユニコーンは元々は映画ですし、35話くらいあったはずなので、カウントしません)ので、何もかもが新しい試みとも言えるでしょう。
故にガンダムを全く知らなくても楽しめると言えるでしょう。ただ、本作が好きだからと言ってほかのガンダムが好きになれる保証はありません。というか可能性は正直低いです。本当にそれくらい今までのガンダムとは異なります。

正直な話、これがガンダムなのか?というのは感じます。もう名前だけ借りてる感が凄く、富野監督(最近はその本人が暴走していますが)やファーストガンダム制作陣(ククルス・ドアンリメイクでヤバさが露呈しましたが)が目指していたものとはかけ離れているような気がします。果たしてほかのロボットアニメではいけない理由があるんでしょうか。まぁガンダムなんて途中からそんなんばっかですし、宇宙世紀以外の作品で毎度言われていることなので今更ではあるのですが。

プロローグ(エピソード0)を見れば大抵の雰囲気は分かります。が、なんか見たことある設定ばっかなような気がします。{netabare}地球以外の惑星、ガンダムを犯罪扱い、角をおれば勝ち、幼少期からファングが自由自在、システムの使用による身体の負担、{/netabare}なんか見たことある要素てんこ盛りですが、別にパクリとかでは無いので「あ、こんな感じの設定どっかの作品にあったなぁ」とノスタルジーを感じるくらいがちょうど良いと思います。

結構明るいエピソードが多いことに変わりは無いのですが、それ故に残酷さが際立ちます。恐らくこのシナリオ書いた人は人間の心なんて持ってないんでしょうね。ね!

結構関係の無い話になるのですが、この作品が放送される前期に「リコリスリコイル」という作品がアニメオリジナルのくせして物凄く人気が出ました。ネタバレはしませんが、主人公は女の子2人で、2人が衝突(広義)しながら成長(広義)していく、みたいな話でしたのでその余波が本作に流れているらしい。本作を好きになった方はリコリスリコイルも見てみると良いかもしれません。またはその逆もオススメです

{netabare}
スペーシアンとアーシアンの差別がハッキリしている学園に編入した主人公(スレッタ)は、ホルダー(グゥエル)と戦い勝利する。その影響でその婚約者(ミオリネ)が主人公の婚約者となる。再びグゥエルに勝った主人公は冷徹男(エラン)と仲良くなるが、エランを作った企業の思惑により戦闘し、主人公が勝つ。エランは消滅し、グゥエルは寮から追い出され、企業の思惑により禁止されたガンダムを使用したとして主人公を避難するが、ミオリネの起業と父親(ダブスタクソ親父)への懇願により危機回避。アーシアンをメンバーにガンダムの医療技術開発を勧める一行とそれを戦闘で止めようとする会長(シャディク)に勝利。シャディクの指示によるテロによりダブスタクソ親父が瀕死、メンバーの1人(ニカ)が怪しいとこを見られ、グシャ!からの主人公「助けに来たよ」ミオリネ「どうして...笑ってるの...」

ひええ
人の心ないんか?グゥエルとエランが何をしたっていうんです...
エランが消滅する時、一瞬無音になって「エランさんまだかなぁ」はやばいでしょ。人の心無さすぎる。
あとグゥエルね。スレッタとガンダムっていう相手が悪かっただけなのに結局ボブとして父親殺しちゃうって...初めての人殺しが父親って...
ただただしんどい。グゥエルとエランのことを考えるととても辛いです私。もうエランは叶いませんが、グゥエルにはもっと幸せになって欲しい。

主人公ね。最後。びっくりしたわ。母親の(ほぼ)洗脳を物凄く前向きに捉えたのは紛れもない狂気です。しかもそのシーンは(わざとでしょうけど)明るい雰囲気で描かれています。この構成(演出)を思いついた人は控えめに言って尊敬と同時にドン引きします。

さてまだ1クールですが、主題が見えてきましたね。「差」が今回のメインテーマでは無いでしょうか。家庭の差、貧富の差、個性の差、実力の差、出身の差。
何を持って差なのかは当人だけが把握しているのでしょうが、それを予想し寄り添うという名目で個人に干渉する現代においては、差というのは許されざる、淘汰されるべきものなのです。
その差に対して(果たして主人公が差を認識するのかは微妙なところではありますが)登場キャラクターがどう立ち向かうのか、というのが今回の目玉ポイントでは無いでしょうか。まぁ展開上の要素と言うだけで実際は深い意味がない可能性だって十二分にあるのですがね。

主題歌はYOASOBIさんの「祝福(笑)」
皮肉ですね
OP詐欺アニメの結構上位に入ると思います
そうだよね!カテジナさん!
その内爆弾解体に失敗して死ぬキャラ出るんじゃないんですかね。
{/netabare}

どうでも良い話なのですが、水星の英語マーキュリーはローマ神話メルクリウス(Wのメルクリウスは100パーこれ由来でしょう)からきてるそう。このメルクリウスはギリシャ神話におけるヘルメスに該当するそう。そしてヘルメスは「学術」・「発明」・「体育」・「旅人」・「羊の群れ」・「死者の魂」なんだと。そしてこのヘルメス、生まれた瞬間からほかの神から牛を盗むんですけどそのやり方と嘘が上手かったんでゼウスから「嘘」と「盗人」の才能があるとされたんですって。暗喩でないことを願います

投稿 : 2023/05/23
閲覧 : 321
サンキュー:

9

機動戦士ガンダム 水星の魔女のレビュー・感想/評価は、ユーザーの主観的なご意見・ご感想です。 あくまでも一つの参考としてご活用ください。 詳しくはこちら
機動戦士ガンダム 水星の魔女のレビュー・感想/評価に関する疑問点、ご質問などがございましたら こちらのフォーム よりお問い合わせください。

ハウトゥーバトルが他の作品に書いているレビューも読んでみよう

ページの先頭へ