nyamu さんの感想・評価
4.4
物語 : 4.0
作画 : 5.0
声優 : 4.0
音楽 : 5.0
キャラ : 4.0
状態:今観てる
「持っている」作品
制作会社、スタッフに大幅な変更がない以上、刀鍛冶の里編の出来は約束されているも同然で、同時に路線変更もないことから今の時点で興味の無い人、見たけど特に興味を引かれなかった人が今後評価を変えることもないと思います。
なので今更評価することもないと思っていたのですが2話目を見てちょっと感動してしまいました。
今回は緣壱零式のカラクリ人形を巡って音柱時透無一郎と一悶着あった後に小鉄くんの限界無視のど素人指導を炭治郎が受け、最後には緣壱零式の中から刀が出てくる、という週間連載の少年漫画に普通にありそうな話。
ストーリーとしては序盤も序盤、無一郎については顔見せ回、激しい戦闘シーンがある訳でもなく今後の繋ぎの話でしかありません。なのに、しっかりアニメとして面白く見せてくれました。
これはもちろん監督及び制作に関わった方々の技術と努力と熱意の結晶であるのはもちろんなのですが、それを引き当てた「鬼滅の刃」という作品が「持っている」ということを改めて感じました。
アニメ化において制作会社は重要です。いい原作でもハズレの会社を引き当てた結果、悲惨なアニメ化となった作品は数え切れません。
制作会社を引き当てたあとは監督、スタッフがどのような面々になるかも重要です。特に監督が原作への理解のない場合、原作ファンとしては噴飯もののアニメが出来上がります。
あとはアニメ化の時期。
同じ制作会社でもその監督やスタッフが別の仕事を抱えている場合は担当できません。別の人が担当になれば別のものが出来上がります。タラレバでしか語ることができないものですが、優れた人材というリソースは限られている以上、そういう時期的な運要素もあります。
人の行動や考え方、流行は変化します。
同じ内容でも人の心に訴える力は時代で変わります。10年前、20年前に多くの人の心を掴んだものが今でもそうとは限りません。
刀鍛冶の里編とは別の話で、こちらはかなり特殊な例となりますが無限列車編が日本映画史上最高の400億円越えを叩き出せたのは、そのポテンシャルに寄るものだけでなく上映時期の状況が関係していたのは間違いのないことでしょう
そういった諸々のことを考えた時に、力のある原作が最高とも言える恵まれた形でアニメ化されて、さらにそれをリアルタイムで見ることが出来ているという幸運に、他愛もない話の回だったからこそ感動してしまいました。
鬼滅の刃の場合は前クールの成功が正のスパイラルとして次クールに還元される形になっているのも見ている側としては嬉しくあります。
鬼滅の刃という幸運な作品が今後も幸運であり続け、最後までアニメ化されることを祈っています。
まだまだ刀鍛冶の里編は終わっていませんが、テレビアニメとして圧倒的な出来になるのは間違いないので最終評価となります。