Shino さんの感想・評価
4.2
物語 : 3.5
作画 : 4.5
声優 : 5.0
音楽 : 4.0
キャラ : 4.0
状態:観終わった
古き良きラノベアニメといった感じ
アニメオタク歴が長く、ラノベアニメが多かった時期を経験しているととても見やすく面白い。
パッとしない主人公、3人程度のヒロイン、やきもきする恋愛模様、時折お色気シーン。
もちろん個性的な内容であるがどちらかというと王道に感じた。
また、SNSや動画サイト各所でも話題になっていたがメインヒロインが作品の魅力の大部分を担っていると思われる。
第1話からフルスロットルで面白く、可愛く、それでいて真剣なシーンではしっかりメインヒロインらしい振る舞いを見せる。
そして輝く担当声優さんの演技力。これは人を選ぶかもしれないが。
ただそれ故に、惜しいなと思ってしまった部分もある。
これはあくまで個人的な意見だが、ひたすら負けヒロインを観察する作品だとさらに面白かったかもしれない。
それぞれ最初こそ主人公に矢印が全く向いていないヒロインたちの負けっぷりを見ることになるが
ラノベ作品の王道故か、そんな彼女たちが主人公とやたらと親しくなっていく。
負けヒロインたちは作中でも「人気者」「男子にモテる」「顔が整っている」など明確に美人と表現されている。
そしてそれぞれ惚れていた相手は、1人は不良呼びされる陽キャ、1人は賢いイケメン、もう1人は面倒見のいい部長。
そんな彼らにご執心だった彼女たちがあの主人公をあっさり友人以上恋人未満レベルまで気に入るだろうか?
しかも(アニメの都合かもしれないが)好感度が高まるまでが早すぎる。
あと一歩が足りてないだけでこれもう主人公に落ちとるやろ、といった雰囲気で物語が進む。
一応本筋は負けヒロインの負けっぷりをちゃんと繰り返してはいるのだが主人公が絡み過ぎてて正直薄く
もうええやん、彼女いる男への未練より主人公とくっついちゃえよと言いたくなる。
実際主人公は良いやつなのでヒロインたちと仲良くなるのはおかしいというわけではない。
親密になる展開が早すぎて違和感があるのだ。
モブみたいな主人公が美少女に好かれていくアニメならよくあるといえばそうなのだが
この作品の少女たちは負けヒロイン、開始時点で大好きな相手が存在しているので
主人公との恋の矢印的にはマイナスから始まっていると言える。
だから余計に早いと感じてしまうのかもしれない。
そしてそんな主人公だが第1話でとてつもなく陰キャであることをアピールする描写が続くが
あまり全体的には生かせているとは思えず、単に主要メンバー以外と関わるシーンを省ける便利な設定に近い。
ぼっち特有の挙動は水道関係の変な趣味くらいしかなく普段は明るくも暗くもない平凡男子。
でもここぞという時には男気を見せてめっちゃかっこいいのもよくある陰キャ主人公という感じ。
それなら過剰な陰キャアピールなんてせずいっそいわゆるヤレヤレ系主人公のように
クラスで浮いてもいないが上位グループでもない真ん中くらいの少年の方が気にせずに見れる。
ただ原作を知らないので後々重要になってくるかもしれない。
あとこれもまた個人的な感想だが、ヒロインの1人がやたらスケベなネタをぶっこんでくる。
具体的には本人無意識な過剰な露出なのだが、特に第2話冒頭の体育倉庫のシーンはやりすぎだ。
第1話でなるほどこの作品面白いかもと思ってめちゃくちゃ期待した直後だったのですごく邪魔に思えた。
しかし彼女が嫌いというわけではない。自分がそういう露骨なシーンが苦手なだけで
彼女の物語自体は他の2人と比べて特にキュンキュンする。
総括するとタイトルの通りに落ち着く。
決して悪いアニメではない。ラノベアニメとして十分以上の内容だ。
アニメとしてのクオリティ、メインヒロインの強烈なキャラクター性で抜きん出る評価を得た作品だと思った。