ヨッシャア! さんの感想・評価
1.4
物語 : 1.5
作画 : 2.0
声優 : 1.5
音楽 : 1.0
キャラ : 1.0
状態:観終わった
ジャンルに設けられた低いハードルくらいは超えてほしい
【物語】 1.5 / 5.0
飼い犬を失い、日常から彩りを失った絵本作家のもとに、犬のような形をしたキノコ?の「きのこいぬ」が現れる、というハートフル日常系(を狙って失敗した)作品。
いくらなんでも話に緩急や起伏がなく、極めて退屈で平凡。
日常ものにしても、もっとやりようがあったはず。
調理次第では泣きアニメとして大成しそうな設定だったのだが、テンポや緩急の演出が極めて下手で、それらを活かしきれずじまいだった。
脚本という点では全くオススメできない。
【作画】 2.0 / 5.0
キャラデザインが複雑ではないため、作風も相まって作画崩壊はなく、最終回まで安定していた。
ただ、人間キャラも「きのこいぬ」も、特別何か魅力があるデザインではなく、背景・美術周りもこれといって語る点はない。
なんというか、ビジュアル面に関して個性が見えてこない。
【声優】 1.5 / 5.0
ゆるキャラのようなデザインの「きのこいぬ」に男性声優を当てるというチャレンジングなキャスティングをしている。(声優個人を批判したいわけではないので、具体的な声優名は控えます)
個人的には、これがミスキャストだと感じた。
時折、裏声のために無理をしているような力みを声から感じたり、地声を隠しきれない瞬間がチラホラあり、「なぜこのキャラに男性声優を…?」とキャスティングに疑問を抱くことが何度もあった。
原作者含め制作陣の趣味なのかもしれないが、たとえそうだとしても無難に女性声優を当てていたほうが自然な演技ができたのではと1話時点で思っていた。事実、後半から登場したきのこいぬの仲間を女性声優が演じていたのだが、やはり男性声優よりも違和感が少なかったため、改めてきのこいぬのキャスティングに関しては失敗だと強く感じた。
【音楽】 1.0 / 5.0
印象に残らない。
加えて、時折音量の調整に失敗した?シーンがあり、音楽がうるさいと感じるシーンがある。
【キャラ】 1.0 / 5.0
デザインにもバックボーンにも個性があまりない。
主人公は「飼い犬を失った絵本作家」以外の個性がほとんど見えず、その個性のなさから、先の展開に対して悪い意味で期待も想像もできなかった。
また、主役兼マスコットの「きのこいぬ」にも、視聴者によっては「生意気だ」と感じられるだろうシーンがいくつかある。「このキャラ可愛いな~」と純粋に思わせてくれない、何か嫌な性格がちらほら見え隠れする。日常もの作品で、なおかつ主役兼マスコットにそういうのはあまり求められていなかったのでは…?
この生意気な性格は特に伏線というわけでもなかったし、後半に登場するきのこいぬの仲間が素直で可愛らしい性格だったため、主役のきのこいぬが余計に生意気に感じる。
また、昨今のポリティカルコレクトネスに配慮してか、ゲイのストーカーがレギュラーメンバーとして登場する。善人を装い、主人公の絵本作家に近づき、下着に手を出すという犯罪行為を行なう等、個性だとしても不愉快さが群を抜いている。(この点により、途中評価から点数を下げた)
総じて、この作品のキャラクター作りはキャスティングも含めて何かと下手くそに感じる事が多い。
【総括】 7.0 / 25.0 (平均 1.4)
そもそも日常アニメに、没入感のある美麗なグラフィックや、続きが待ちきれなくなるような脚本などは求めていない。
ジャンルに対して設けられているハードルはかなり低いのだが、それすら満足に超えられていないように感じた。
「きのこいぬ」が二足歩行をするため、ペットの日常ものというジャンルとは何か違うし、かといって育児の日常ものというわけでもない。
なんだか作品の芯のようなものがなく、日常ものとしても出来がいいどころか及第点とは言えない。
よほど強烈なモチベーション(原作者が親戚etc)がなければ、最後まで視聴するのはかなりしんどいと言わざるをえない。