ようす さんの感想・評価
3.3
物語 : 3.0
作画 : 3.5
声優 : 3.5
音楽 : 3.5
キャラ : 3.0
状態:観終わった
サイダーのような、心地よい刺激に包まれた夏休みの出会い
「フライングドッグ」の設立10周年記念作品。
夏に観るのが季節的にはぴったりかもしれませんね。
90分ほどの作品です。
● ストーリー
人と会話をするのが苦手な少年“チェリー”は、
趣味の俳句でなら気持ちを表現できる。
矯正中の大きな前歯がコンプレックスな少女“スマイル”は、
かわいいものが大好きな配信者。
二人は夏休みに、
地元の大型ショッピングモールで知り合う。
足りないものを自覚し合っている二人は、
自然と惹かれ合い、相手のことをもっと知りたいと思う。
しかし、チェリーは8月の半ばで引っ越すことが決まっていた。
スマイルにそのことを言い出せないまま日が過ぎていく。
ボーイ・ミーツ・ガールのお話のようで、
でも甘い雰囲気むんむんではない。
互いに気楽に過ごせる間柄という感じの仲の良さ。
作画の色使いなども相まって、
全体的にポップな印象。
ストーリーは残念ながら面白いと思えませんでした。
良く言って平凡。
山場と言えるシーンもありますが、
個人的には刺さらず。
むしろちょっとさむかった^^;
また、主人公の趣味が俳句ということで、
彼の感情等は俳句で表現されることも多かったのですが、
俳句である必要あった?と疑問。
ただの特徴づけに使われただけかな。
その俳句も上手というわけでもないし、
(高校生が趣味で作っている、という設定だからいいんだけど)
時々季語の説明は入れてくれますが、
特に勉強になるものでもなく。
総じて微妙なストーリーという印象です。
主役2人よりも、
フジヤマさんの物語の方が感動しました。
フジヤマさんのエピソードを
もっと丁寧に見たかったです。
● キャラクター
チェリーくん。
本名が佐倉くんだからみたいです。
(さくらんぼ?)
人と話すのが苦手、
大きな音が苦手、
だから普段はヘッドホンを身に付けている。
気持ちは俳句でなら伝えられる、
でも読み上げることは苦手。
シャイボーイと言えば聞こえはいいですが、
彼がこれほど音が苦手な理由は語られませんでした。
ただの性格ということかしら。
私も自分の気持ちを伝えるのは苦手な方だから、
共感できるところもありました。
大切な相手だからこそなかなか伝えられなかった。
一緒にいる時間が楽しかったから。
大事なことが伝えられなかったときにほど相手を傷つけてしまう。
だから伝える側も辛い。
ほんとは伝えたかったのに。いっぱい伝えたいことがあるのに。
傷つけたいわけじゃないのに。大事に思っているのに。
人気配信者のスマイルは、
大きな前歯がコンプレックスで、
外出するときはマスクで隠している。
可愛くて私は好きなキャラでした。
そこまで矯正のことを気にしなくても、と言いたくなりますが、
思春期の女子は気にしますよね。
意識が高い子ならなおさら。
スマイルのキャラは好き嫌いが分かれるかもしれません、
特に男性からは。
● 音楽
【 主題歌「サイダーのように言葉が湧き上がる」/ never young beach 】
爽やかなEDでした。
作品名の「サイダーのように言葉が湧き上がる」が
歌詞で使われていて、耳に残りました。
● まとめ
発見や学びがあるわけでも、
大きく胸を打たれるわけでもなく。
見終わった後にサイダーのような爽やかさがほしいところでしたが、
それもなく。
残念ながら大きく印象に残る作品とはなりませんでした。
でもストーリーの構成は悪くなかったので、
退屈には感じませんでした。
スマホで配信が手軽にできる時代。
その現代っ子のツールの使い方も上手でした。