ようす さんの感想・評価
3.9
物語 : 4.0
作画 : 4.0
声優 : 4.0
音楽 : 3.5
キャラ : 4.0
状態:観終わった
新しい生活の始まり。すべてが金色に輝いて、目がくらむような、そんな毎日が送れるような気がする。
「とらドラ!」と同じ著者である、
竹宮ゆゆこ先生の小説が原作の作品。
大学生活を舞台にしたラブコメですが、
ストーリもしっかりしています。
青春と呼ぶには大人びていて、
大人と呼ばれるにはまだ青臭くて。
そんな狭間の年代がリアルに描かれていました。
全24話です。
● ストーリー
大学生になって東京に出てきた多田万里(ただ ばんり)。
友達になった柳澤光央(やなぎさわ みつお)には、
子どもの頃から付きまとってくる女の子がいた。
美人で、親は大きな病院で働いているお嬢様、加賀香子(かが こうこ)。
しかし光央には全く相手にされず、
高嶺の花だと周りも距離をとっていて、
ひとりぼっちな香子を万里は気にしていた。
新しい場所で始まる生活、
きっと楽しいことがいっぱい待っているはずだと、
万里は期待で胸を膨らませていた。
美人だけどちょっと変な女の子・香子と、
大学生活にわくわくしている平凡な男の子・万里。
二人が中心となるラブなストーリーかと思いきや、
それだけで終わらないのがさすが「とらドラ!」の作者さんです。
万里は実は{netabare} 記憶喪失で、高校の卒業式以前の記憶がない。 {/netabare}
そして大学の先輩・ 林田奈々(はやしだ なな)、通称リンダ先輩が、
{netabare} 万里の高校の同級生であり、過去の万里が告白した相手である {/netabare}ことがわかると、
ただ香子と万里がラブラブしていればハッピーとは言えない状況になっていくわけです。
万里自身、知らない自分に戸惑いながらも、
今いる自分を精一杯楽しみながら生活していくけれど、
{netabare} 記憶が戻ってきて、今いる自分は消えるかもしれない {/netabare}という恐怖によって不安定になっていきます。
ネタバレ隠し多くてすみません。
でも万里の秘密が明かされていくと、この物語がただ楽しいもので終わらないことがわかるので大事なポイントなのです。
恋の行方に最後まで目が離せませんでした。
そして大学でできた友人たち。
彼ら彼女らもまた、何か悩みや迷いを抱えていて、
互いにぶつかることもあるけれど、
誰かが苦しんでいたら力になりたいとも思い、
徐々に絆は深いものになっていきます。
● キャラクター
派手なお嬢様、香子と、
地味で平凡な男の子、万里。
はじめは光央しか見ていなかった香子が、
万里に対して友人として親しみを覚え、
関係性が変わっていく。
どうも不思議なコンビに見えましたが、
二人が幸せそうなら何も言えない。笑
お似合い…とは言えないと感じていた二人でしたが、
幾多の困難を乗り越えて確かな絆を深めていきました。
私は周りのキャラの方が気になる子が多かったです。
サークルの先輩のリンダ先輩の面倒見のよさと言ったら。
彼女の胸の内をもっと見たかったとも思いますが、
結果として大事なポジションだけど物語の邪魔をしないというちょうどいい塩梅でした。
一番のお気に入りはリンダ先輩でした^^
万里に対しては、境遇には同情したいところではあるけれど、
行動に共感するのは難しかった。笑
あまり好きになれない主人公でした^^;
でもその行動の痛さもまた若さゆえの青春と呼ぶ?
● 音楽
【OP】
「Golden Time」/ 堀江由衣(作中では香子役)
「The♡World's♡End」/ 堀江由衣
前半OPは明るく可愛い曲、
後半OPは夢の中にいるような不思議な曲でした。
前半OPはラブラブなのがわかりやすかったですが、
後半OPは二人がどのような結末を迎えるのか、
予想することができないふわふわした印象にさせられました。
【ED】
「Sweet&Sweet CHERRY」/ 堀江由衣
「半永久的に愛してよ♡」/ 堀江由衣
EDはどちらも香子の恋する気持ちが込められた可愛い曲でした。
OPよりもEDの方が好きでした。
堀江由衣さんの歌声好きなので、
全部歌ってくれるのは嬉しかったです。
● まとめ
終盤はラストに向けて壊せるだけ壊せ―!な気概を感じるほど、
めちゃくちゃにしてくれましたが、
最後はハッピーエンドだと感じられる良いまとめ方でした。
見終わって満足感が残る、
見ごたえを感じさせるストーリーでした。
うだうだ大学生活してるように見えただけの時もあるけれど、
それはそれで友情が育まれた大事な時間だったのかなと思えました。
すべての思い出は過ぎ去れば過去になる。
幸せだ、楽しい、そう思える瞬間はゴールデンタイム。
でもそのゴールデンタイムも過ぎ去れば過去のものとして消えていく。
大事なのはやがて訪れる瞬間をゴールデンタイムにするためにどう行動するか、なのかな。
ゴールデンタイムは若者だけのものではないのだから、
自分もその瞬間のために頑張りたいなと思えました^^