「とらドラ!(TVアニメ動画)」

総合得点
90.9
感想・評価
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ランキング
43
ネタバレ

テナ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.5 キャラ : 4.5 状態:観終わった

この世界の誰一人見たことがない物がある

この作品は凄いです。
とにかく友情に恋愛に本気過ぎてヤバいです。
涙なしには見えません。
しかも、名言も多い作品で本当に魅力の詰まった作品

ヒロインである大河は、暴れるって印象があります。
単に暴れるのではなく優しさの裏返し、クラスで大河と竜二は手乗りタイガーとヤンキー高須と恐れられていました。
でも、竜児はヤンキーではないし、関係も誤解だと言い大暴れをします。

大河からすれば、そんな風に言われる竜児の気持ちもわかるのでしょうね。
自分も恐れられているから……でも、自分の事より竜二の為に暴れる。

他にも北村くんが生徒会長に告白するのですが返事を無視される。
実は大河は北村君が好きだった。
だから、会長に告白=失恋に繋がる。
でも、彼女は知っている。
北村君の抱えてきた物の重さと辛さを……

北村君の告白が失敗に終わった。
もしかしたら、それは北村君が好きな人にはラッキーかも知れない……でも、大河は、そんな事より真剣に気持ちを伝えた北村の気持ちを無視した会長が許せなかった!

何故なら、大河は、いつも片思いばかり。
櫛枝実乃梨が「なんで!そんな簡単な事が言えないんだよ!大河!」なんてセリフを言われるくらいに片思い。

何故なら、彼女は自分が大切なものは壊れると思い込んで居るから伝える怖さと、伝える勇気が必要なのを知っている。
だから、北村くんが出した勇気に答えない会長が許せなくて、悔しくて……

だから、木刀を手にして会長のクラスに殴り込む。

そうして、彼女は自分に出来る事を考える。
大河は北村君が好きだから、傷付いた北村君の傍に居られないと感じたのかもしれません。
今、自分が傍に居るのは傷付いた心に漬け込む事にしかならないから……
だから、北村君の傍は竜児に任せて。

私はこのエピソードを見て、やり方は乱暴かも知れないけど、本当に大河は優しい奴なんだと思いました。
人の痛みを理解して立ち向かう。
これは本当に勇気と覚悟が必要です。
一歩間違えたら事件です……それでも自分の事より誰かのために行動出来るって素敵だと感じました。


高須竜児も、大河の父が大河と仲直りして一緒に暮らしたいと聞き。
大河は家族で色々とあり一人暮らしをしていましたが、父が迎えに来てくれた。
でも、大河はそれを嫌がり否定する。

でも、竜児には解ってる。
家族の有難みと家族の居ない寂しさ。
竜児には父は居ません……母が1人で竜二を育ててくれたのです。
だから、竜児は大河が父と暮らせるかもしれないと喜びで、大河を説得する。
ただ、大河の親友の櫛枝実乃梨だけは反対する。

文化祭に父が来ると知りステージから大河の父へ呼び掛けたけど……現れず。
そう父は、大河を捨ててまた蒸発した。
ステージの空気は静まり返る……

そんな中、パチパチパチって手を叩く音がする、それは竜児でした。
更に奥から手を叩く音がする……櫛枝実乃梨

事情を知る2人だから叩ける手に私は、ここでも泣いてしまいました。
櫛枝実乃梨の手の叩くシーン、彼女は本当に辛そうにしてて、それでも少しでも大河が嫌な想いをしないで済むようにって気持ちが伝わって来て。

そして、いきなり始まる福男を決める競走。
様々な特典がある大会に竜児は参加をして優勝を狙う。
大河を元気付ける為に彼女にダンスを申し込む為の切符を。

この競走には櫛枝実乃梨も参加して2人は友達の為に走るのです。
途中、卑怯な手で転ばされたりもしましたが2人は必死に走る。

櫛枝実乃梨も去年同じ理由で大河を傷つけた。
高須竜児も同じく傷つけてしまった。
だから、罪滅ぼしにもならないし出来事は変えられない。
それでも、傷ついた心に寄り添えるのは、この2人しかいないのだから。

そんな姿を見た大河の「大丈夫だよ」って心の言葉にも感動しちゃいました。
きっと、自分を元気づけようとする気持ちが嬉しかったのだと思います。

櫛枝 実乃梨も彼女は、普段は本当に面白い子で明るくて元気な女の子です。
彼女は幽霊が見たいそうなんです。
幽霊は恋愛的な意味の例えなのですが、彼女は幽霊を見る事になる(恋愛的な意味)

でも、見えた物は幸せなだけの物では無かった。
凄く悩んだし、凄く苦しんだ。
彼女は、いつしか高須竜児を好きになっていた。
高須竜児は元々は櫛枝実乃梨が好きだったのですが、櫛枝実乃梨が高須竜児を好きになった頃には高須竜児は相坂大河が好きだった。
高須竜児は、自分の気持ちの変化に気付いて居なかった。

櫛枝実乃梨には、相坂大河も高須竜児を必要としているのが見えたのです。

何故なら、櫛枝実乃梨は大河の親友で竜児が好きだったから……2人をずっと傍で見てきたから。
多分、途中までは、大河の気持は可能性の話で確信に変わったのはクリスマスの夜にマンションで竜児の名前を叫びながら泣き喚く所を見たあたり。

バレンタインデーの日に自分の気持ちに目を背けようとしてる大河に自分の気持ちに嘘を付かないで欲しかった。

大河もまた櫛枝実乃梨の気持ちに気付いて居たから……素直になれなくて、みのりんの為にって考えた結果隠していた気持ち。

櫛枝実乃梨の為に自分の気持ちを伏せて譲ろうとする。
大好きな、みのりんの為に……

「私の幸せは私がこの手で!この手だけで!掴み取るんだ!私には何が幸せか私以外の誰にも決めさせねー!」
櫛枝実乃梨の名言級のセリフ……

この言葉に込められた幸せ。
幸せの意味。

親友同士で好きな人が被ったら、どちらかしか幸せにはなれない……そうじゃない違うんだ。
幸せはそれだけじゃない……

好きな人を親友に譲る……
自分の気持ちを伏せたまま?
仮に、それで2人が付き合って喜べる?
本当に祝福の言葉を心から言える?
明日も親友のまま笑顔でいられる?
これから先、親友として何一つ変わらずいられる?
少しの後悔すら無しでいられる?
幸せでいられる?

仮に、親友に譲られた側は、それを知っても親友にたいして、少しの罪悪感はない?
ありがとうって言える?
幸せだと自信を持って親友に話せる?

結局、そこなんです……譲側も譲られる側も……押し付け押し付けられた幸せを誇れる?
親友だからこそ、ぶつから無ければならい場面はあって、「あの子にはあの人が必要だ」なんて勝手に決めつけて……
櫛枝実乃梨は、「それは私の勝手な傲慢で大河を嘗めてた!」って発言して居ました。

だから、櫛枝実乃梨が選んだのはそんな道かもしれません。
これからも大河の親友でいる為に。

選ばれ無かった方は泣くんだ……悲しくて辛くて……でも、長い目で見て時間が流れたら、いつか本当に心から祝福出来るんだ。

でも、気持ちを伏せたままでは後悔しか残らない……だから……次の恋にも踏み出せないかもしれない……いつまでも羨ましいだけの思い出になっちゃうかもしれないんだ。
だから、伝える大切さってのはあるんだ。

多分、櫛枝実乃梨は後に高須竜児に告白するつもりだった。
でも、大河に雪山での事で嘘をついてる竜児を見て不公平を感じた。
このまま告白しても結果はともかく自分も大河を幸せになれないから。

だから、逃げ出した大河に、櫛枝実乃梨は高須竜児に大河を追いかけるか、追いかけないかを聞く。
竜二の追いかけると言う選択を聞いた櫛枝実乃梨は、少し悔しそうな顔を浮かべた気がします。
それが彼女にとっての竜児の気持ちの確信。

だから、廊下で走りながら「高須竜児が好きだ!好きだった」と本人ではなく大河に伝えた。
好きだった……だった……たった3文字に込められた意味。
高須竜児の気持ちが確信に変わったから。

そして、櫛枝実乃梨には叶えたい夢がある。
それを彼女は意地だと言う。
幸せは1つじゃない……好きな人にフラれたから幸せになれないなんて事は無い。
幸せの形は沢山あるのだから。

そして、もぅ一つ。
親友に遠慮をして気持ちを伏せるなんて告白しないなんて……気持ちを伏せる理由を親友のせいにしてるようなものだもの。
親友だからこそ後悔しない選択肢を選ぶべきなのだ。

夕方の教室の出来事は本当に優しいエピソードだと思いました。
逃げ出そうとする大河の進路を塞ぐ北村君と亜美、友達が一丸となって自分の気持ちに気付かせて応援しようとしてくれるなんて、本当に大河は幸せ者ですね。

大河と竜児が結婚を決めて駆け落ちする時に櫛枝実乃梨は涙します。
彼女は理由が解らないと言いましたが、あれは当人には解らない涙です。

大好きな人と大切な親友が結ばれた嬉しさ。
大事な2人が自分の元から離れて行く寂しさ

自分の初恋が叶わなかった辛さ。
当人の心は、たくさんの物が渦巻いているから「解らない涙」なんでしょうね。


川嶋亜美は、第一印象は実は私の中では最悪でしたw
でも、作中の中で私は彼女が1番好きになった気がします。
1番、周りが見えていた人です。
多分、高須竜児の理解者だった様にも思います。

周りが凄く見える人だったから友達の本心を聞き出そうとしてトラブルになったりしました。夏休みの別荘や修学旅行などでもw
でも、高須竜児にも沢山の助言をくれた人ですよね。

最初は大河とはかなり犬猿の仲でしたが、最後は割と打ち解けていたし、でも周りが見えていた分、自分の気持ちも伝えられなくて諦めていました。
竜児のチョコレート屋のバイト先に来た時の「皆……じゃなくてよかったんだけどなぁ」
って心の声が印象的でした。

1番言って欲しくない人に1番言われたく無いこと言われちゃいましたね( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
本当に皆から好かれるより……本当に好きな人、1人から好かれる方が嬉しい時もあるけど……そんな人程、好きな人の気持ちは手に入りにくいのかもしれない。

でも、彼女の理解者は居てくれた。
櫛枝実乃梨……彼女が大河と高須の駆け落ち後に、亜美の家に残ったのは、自分と同じ気持ちだと解ってたから……
亜美は覚悟が決まっていて、高須が家に来た後に高須に自分が諦められるセリフを言わせたりしてたので、決心も付いたのでしょうけどね。

北村君も彼はいち早く誰かの変化に気付ける人ですね。
大河が凹む度に、それとなく手を差し伸べたり、竜二とはまた違う意味で助けてくれた人でした。

会長の告白に答えられない意味にも涙しました。
北村君を本当に大切に思っていて、この学校には必要な人だから……彼は真っ直ぐだから会長の気持ち知ったら……結果的に北村君も聞いてしまいましたが、彼は本当に会長が好きなのですね。
会長を困らせない為の言葉がありました。

後、やっちゃんも竜児のお母さんです。
やっちゃんは、女手1つで竜児を育てて居ます。
この人は、自分の両親と疎遠になっているからか、唯一の息子の竜児を大切にしています。

職場はBARだと思いますが、BARで働く意味が素敵で彼女が言うに「親子でご飯を食べないと生きている意味がない」と言います。

彼女は竜児が学校に行っている間に寝て、竜児が帰って来て一緒にご飯を食べて竜児が寝てる間に働く、しっかり家族の時間を作ってる部分に家族を大切にしてるのが伝わりました。

ある日、彼女が貧血で倒れます。
竜児はそれは負担を掛けた自分のせいだと自分を攻めます……頼りにして貰えないからバイトさせて貰えないと……バイトより勉強をするべきだと言われて……

でも、違うんだよ。
きっと、やっちゃんは竜児に選択肢を増やしてあげたかったのです。
自分は、竜児を身篭って、家族から降ろせと言われても大切にしたくて選べる選択肢に限りがあったから、竜児には好きな道へ進んで欲しかっただけで……自分の分の希望と夢を託して。

でも、バイトはしないと約束した竜児と喧嘩して、大河と駆け落ちしちゃって……
唯一の家族に見捨てられて本当に1人になってしまいそうで……

だから、竜児達が繋いだ、やっちゃんと両親の絆を再び繋ぎ直して帰れる場所を用意した。
これって最高の親孝行ではないでしょうか?

後、駆け落ちを後押しする友達の姿もカッコイイ!

櫛枝実乃梨は通帳
北村君はお米券
川嶋亜美は別荘の鍵

櫛枝実乃梨も言って居ましたが駆け落ちが正しい選択肢ではありません。
でも、間違えているとも言いきれない。
駆け落ちして幸せになれた人も世の中に居るハズです。

立ち向かう強さも逃げる勇気も正解や間違は、2人にしかない……だから、友達としては応援するしかない!
いつか、2人が戻る事を信じて。

でも、そんな中、竜児と大河は駆け落ちを辞めて周りの人に認めて貰える様にしようと決める。
2人だけが、幸せな未来ではなく、皆が幸せになれる未来を選ぶ為に

私は、とらドラ!のキャラは皆、優しいのだと思います。
人の気持ちに向き合って、自分の気持ちに向き合える。
友達だからこそ時には応援出来て、間違えに怒れて、お互いにお互いが、想えるから時には傷つけて、傷ついて……泣いて笑って……

優しい人しか居ない世界って、こんな感じなのかもしれません。

私は正直に羨ましいです。
こんなに想える友達が居てくれるって本当に有難いし、幸せな事だと思います。
彼らを見ていると本当に青春って感じがしてきます。

私も人の気持ちに向き合える強さと、人を想える優しさと、人の為に動く勇気を持った人になりたいです。

私は、この作品を1人でしか見ないと決めています!
この作品を見ている姿を見てもらいたくないのです!
何故なら!凄く泣くからです!
涙はともかく泣き過ぎて鼻水も出るからです( ´•̥̥̥ω•̥̥̥`)
鼻血なら心の汗なのにw

所で北村君は何故、駆け落ちの場に、お米券を持っていたのですか?
駆け落ちの話は亜美の部屋で聞かされたから用意したとは思えないし、北村くんのお米券が謎です(*/∇\*)キャ
原作読んでる方か、気づいた人は教えて欲しいです。

「私、気になります!」

あれ?違うキャラのセリフになった?

投稿 : 2021/05/21
閲覧 : 533
サンキュー:

25

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