ぽ～か～ふぇいす さんの感想・評価

3.7
物語 : 3.5 作画 : 3.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 4.5 状態：観終わった

♪こぉとぉばぁなんか～いらないであろ～～～

キューティクルってなんでしょう？
キューティクルというのは生物の表皮を覆う丈夫な膜のことです
え？よくわからない！？
それでは誰でもわかる例を出してあげましょう
深夜に台所を徘徊するあの忌まわしき茶色い悪魔を思い出してください
あのぬらぬらした体表こそまさにキューティクルそのものです！
・・・まぁそんな例を出さなくても
植物の葉の表面や哺乳類の毛髪なんかにもキューティクルは存在するんですけどね
そしてこのアニメに出てくるのは最後のやつです

主人公は毛髪から持ち主の様々な情報を読み取る能力をもった狼男
元は警察犬（シークレットドーベルマン）として働いていたが
とある事情から引退、私立探偵事務所を開設しある男の行方を追っている
・・・とか設定だけ書いてみると
すごくシリアスなハードボイルド探偵アニメなんですが
実際のところは完全にギャグアニメです

序盤は設定や人物の紹介に時間を割きすぎて
どうも今一歩な印象だったのですが
尻上がりに面白くなっていき中盤以降は
ギャグアニメとしてかなりの水準に達していました

主人公サイドよりも敵役サイドのほうが質的にも量的にも
いいキャラが揃っていたと思います
そしてそれらは序盤から中盤にかけて少しずつ登場していくので
序盤のパッとしないうちに切らずに
それらが登場しきる中盤までは見てあげていいと思います

ただ、なんかシリアス回の話が無駄に重たくて
そんな中にも無理やりギャグを挟んできて
空回りして痛々しい感じだったのはマイナスポイント

あと登場キャラの大半が男性で
直接的な描写こそ少ないものの（一人ガチホモがいますが）
全体的には腐女子をターゲットにした作品という印象
BLを連想させるような男同士の友情表現があちこちに含まれており
それらが網の目のように張り巡らされていた多角関係状態でありつつも
明確な公式カップリングがほとんど存在しない（夫婦が一組だけ）という
想像力をかきたてるのに十分な条件が揃えてあります
実際どれくらい効果を上げているかはともかく
そういう層を狙って作っているのは間違いないんじゃないかな？

全体的にはギャグアニメとして及第点だったと思います
敵組織のボスであるドン・ヴァレンティーノの歌うEDも
最初はちょっと受け入れ難いものがありましたが
気が付いたら病み付きになっていました
まぁ過度に期待しなければ十分楽しめるアニメじゃないでしょうか？