「プラネテス - ΠΛΑΝΗΤΕΣ(TVアニメ動画)」

総合得点
90.7
感想・評価
3111
棚に入れた
15522
ランキング
51
★★★★☆ 4.0 (3111)
物語
4.3
作画
3.9
声優
3.9
音楽
3.9
キャラ
4.0

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ネタバレ

フィーート さんの感想・評価

★★★★★ 4.5
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 3.5 キャラ : 5.0 状態:観終わった

スペースデブリという”偉大”な仕事

2070年代という近未来で宇宙を舞台にスペースデブリの回収、廃棄を生業とする人達のはなし。

スペースデブリとはいわゆる宇宙のゴミで宇宙旅行が当たり前となった2070年代にその旅行宇宙船にたった1本のネジが窓に当たり、破れ、大事故になるという大惨事があり、そういったスペースデブリが問題となった経緯からデブリ課という部署ができた。

しかし、このデブリ課、会社内では半課と呼ばれている。
表向きの理由は「課内の人数が他に比べて”半分”しかいないから」だが裏では「半端者、半人前、反抗的」等の意味合いも持つ。
つまり、会社ではいわゆる窓際族と呼ばれるポジションにあたり、そこには主人公である社会人3年目の「星野八郎太」と女船長のヘビースモーカー「フィー」と礼儀正しいが影のある男「ユーリ」、そして係長補佐と課長と派遣社員、そして、第1話の始まりでドタバタと新入社員がデブリ課(半課)に配属される。ヒロインの「田名部愛」だ。
この7人で物語は送られる。

星野八郎太こと「ハチマキ」はこの新入社員田名部とコンビを組む事になるのだが、天然だが真面目で思った事は先輩であっても物申す「愛」で全てを結論づけてしまう田名部に対しハチマキは仕事はできるが現実主義で怠慢な性格と相反しておりいつも衝突していた。それは仕事に支障をきたすことも。
性格だけではなく{netabare}恋愛対象として見てしまった二人も十分仕事に支障をきたしてましたね(m´・ω・`)m{/netabare}

この物語の面白いところは会社に使われるサラリーマンという立場で、会社組織である上下関係が垣間見える所だと私は思っている。
成分タグにもあるがまさに「大人向け」のアニメだと思う。
働いてみてやっと分かる会社の仕組みや現状等まさに現実世界と重ねて観ていました。

テーマが宇宙で近未来という事なのでもっと複雑でSF要素満載だと思っていましたが意外とコメディー感があり、観やすくむしろ宇宙関係なく「仕事」という事に対してテーマ性をもったアニメだと思います。

ただ後半にかけては鬱展開となる。
でも悪い展開ではないというか主人公の自問自答がリアルでいいです。

恋愛要素も物語の一角を担う重要な要素だがドロドロではなくラブコメというわけでもないのですんなりと観れました。

とメインキャラにもスポットを当て、日常系もあり恋愛もあり、欝展開もある。かなり絶妙なバランスです。

{netabare}4話序盤でのハチは一ヶ月経った田名部の事をまだ"新入り"と呼んでいた。
これはおそらくまだ田名部の事を信用していなかったからだと思う。
というのも半課と呼ばれる部署で誇りなど持てるはずがないであろう、どうせ違う部署を望んでいたからであろうと田名部は思っているとハチは考えたからだ。
ハチの心理としては「新入り=知識や技術が未熟」ではなく「新入り=デブリ回収の仕事をいかに好きになれるか誇りを持てるか」であったんだろうとうかがえる。
そう思わせたのが4話終盤のお坊ちゃんがデブリ課を逆撫でした事件であろう。ハチはデブリ回収の仕事に誇りがあるからこそそれを馬鹿にしたお坊ちゃんを許せなかった。だがそれはフィーもユーリも同じであった。ハチがお坊ちゃんを殴りかけたその時、殴ろうとしたのはハチではなく他の誰でもない。
「デブリ回収はかっこいい仕事です!!」そう田名部だったのだ。
これをみたハチ含めフィー、ユーリは笑顔が浮かんでいます、お坊ちゃんを殴ったという一大事であるはずなのに。それは田名部がデブリ課の一員となった瞬間だったからだ。
それを証拠にその後のみんなで飯を食いに行くときのハチの一言が胸に響きました。

「おい、"田名部"も来いよ。」


{/netabare}

{netabare}好きなストーリーは8話で有能な船長フィーが上に引っ張られるという話を小耳に挟んだデブリ課のみんなはフィー無しでもやってやれるんだ!という意気込みでほとんど現場にでない係長補佐を連れてフィー無しで現場へ向かう。
回収する物ははどこの会社のデブリ課でも回収できなかったまさに厄介者、係長補佐はペーパーなのにアームを使わされたりと四苦八苦、時間切れで回収できずに終わるその時だった!フィーが管制課のマイクを通して指示を送るわけです。その的確な指示はすごいのなんの。鳥肌が立ちました。アニメながら尊敬しちゃいますね。

指示で動くハチマキと田名部がまさに現場と中の人間の連携、しょせん管制課ごときにデブリ課という現場の大変さ偉大さというのはわからんのですよ(´・ω・`)

結果的にはグッドEDなわけだが月に降り立った二人が死ぬのもどうなっていたのか観たかったかも。

あとは最終話最後のしりとりかな。
「結婚しよう」→「うん」 「よっしゃ!お前の負け!」 (´・ω・`){/netabare}

こうやって見るとデブリ回収をするのも一人でやっているわけではないので連携プレイが素晴らしく決して半課なんかではない、全課なんだ!!と、私は思う今日このごろです(´・ω・`)
こんな命懸けの仕事を半課と馬鹿にする会社ってどうなんでしょうね。
冗談はさておき本当偉大な仕事だと思いますね。

このアニメも是非BDで観たい作品の一つです。

投稿 : 2016/11/01
閲覧 : 350
サンキュー:

15

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