「CLANNAD AFTER STORY-クラナド アフターストーリー(TVアニメ動画)」

総合得点
92.4
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22
ネタバレ

ぽこやん さんの感想・評価

★★★★★ 4.8
物語 : 5.0 作画 : 5.0 声優 : 4.5 音楽 : 5.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

なぜ神アニメといわれるのか?それは・・・

泣けるアニメと聞かれて、このアニメの名前が出ないことはないだろう・・・くらいの有名作品、原作はプレイしていません。

神アニメと評されることが多いですが、良し悪しもハッキリするアニメです。

まずは前作から見ることをオススメします。
というか、見ないとまず主人公・ヒロインの成り立ちが把握できません。

「クラナドは人生」

という言葉も生まれました。

分類的には学園モノ恋愛アニメですが、その先の人生、卒業後のエピソードまで描いた作品は、そう多くありません。

なぜそこまでの評価を受けたのか?
ここからはネタバレです。

※長いですw
{netabare}これは前作からの流れになりますが、最初にいうと、高校生活→出会い→恋愛→成長→卒業→社会→結婚→出産・・・というところまで描かれています。

前作も通して楽しめましたが、すべて今作のための布石、といっても過言ではないでしょう。

神アニメといわれる一番の理由は、

18話・大地の果て

この一話に詰められたものの大きさです。

もちろんこの18話以外にも泣ける話はいくつかあります、が、やはりここが最強でしょう、実際自分も何度見なおして泣いたかわかりません。

もちろんここだけを見ても泣けません、通して見てからこそのことです。

このアニメの欠点を先にあげるならば、

「キャラデザの好み」
「前作今作合わせて4クールによっての中だるみ」
「少し不可解なパラレルの内容」
でしょうか。

実際自分も、2期最初の頃はそんなに面白いとは思って見ていませんでした。
しかし、物語が後半になり、ヒロインの古河 渚(ふるかわ なぎさ)が妊娠する前後くらいから、大きく物語が動きます。

掘り下げればもっと前から、主人公の岡崎 朋也(おかざき ともや)が社会に出た頃から、すでに全ては始まっているのですが・・・

岡崎 朋也という主人公には、賛否両論があると思います、単純に性格が好きか嫌いかです。
自分の場合は好きではありませんでした。
「なにこのスカしたキャラ」
ぐらいの感覚です。

ですが古河 渚や多くの友、仲間と出会い、人間として大きく成長して行きます、ここも見どころのひとつですね。

その岡崎 朋也を支え続けた古川 渚、前作では逆の立場が多かった気がしますが、今作は渚が朋也を支えている場面が多くみられます。

このあたりのエピソードは省略し、結婚後の話に移りましょう。

当然お互いが好きで結婚し、その後で子供が生まれます。
しかしこの出産で物語が大きく変わる出来事が起こります。

渚は生まれた時から体が弱く、子供の出産には大きな危険が伴うと説明を受けますが、二人は子供を産むという選択を選びます。

そして時間が過ぎ、陣痛が始まり、二人の子供が生まれる場面になるのですが、不運にもその日は大雪、交通手段が遮断され、渚は自宅出産という選択を余儀なくされます。

その結果、子供・汐(うしお・女の子です)は無事に生まれますが、それと引き換えに渚は命を落とします。
なにかあるだろうという予想はしていましたが、命を落とし、その後のストーリーが続くとは思いませんでした。

そして渚が死んだことが原因で朋也は気力を失い、5年間、汐を渚の両親に預け、育児を放棄し生活を続けます、仕事までは放棄しなかったようです(本人曰く・そのほうが気が紛れるから)。

そしてとある日。

渚の母親が、旅行の話を朋也に提案、朋也は乗り気ではありませんが、渋々それに付き合うことに・・・

ですがこれ実は渚の母親の計画で、朋也と汐を二人で旅行に行かせるための口実でした。

18話、結果、二人で旅行に行くことになるのですが、この時点で汐が朋也をパパと認識している時点で、育児放棄とはいえ、何度も会ってはいたのでしょう。

朋也の汐への態度はそっけないまま、この時点では自分の子供・・・という扱いには見えません。

列車の中、近くで「ママ~」騒ぐ親子に対して「うるせぇ!」と怒鳴りつけます。
汐はこれに驚いて、朋也の気づかないうちにトイレに逃げ込んでしまいます。
探しにきた朋也との会話、

「泣いちゃダメって…」
「あ?」
「早苗さん(渚の母親)」
「マジか…意外に厳しいな、あの人」
「でも泣いていいところがあるって」
「ふーん、どこだよ」
「…おトイレ」

最後のセリフまでに一瞬間があり、汐は朋也になにか訴えているように見えますが、朋也はそれに気づきません。

そして朋也のセリフ、
「そりゃ、トイレなら誰にも気づかれずに泣けるけどな。
 泣きたい時には泣いていいんじゃないのか?
 今のうちに泣いておいた方がいいぞ。
 泣きたい時に、泣けないことなんて、
 大きくなったらたくさんあるんだから…」

朋也は渚がいなくなって、一度も泣いていないのでしょうね。

そして進み、電車の乗り換えの駅、二人の空気は重いまま。
朋也は空気を変えようと、汐にロボットのおもちゃを買ってあげます。

汐はおもちゃを気に入ったのでしょう。

「うん、これがいい!これ好き!」
笑顔を浮かべる汐、しかしこの笑顔の意味を、朋也はまだ知りません。

旅先の旅館のシーンの中で、夜に汐がトイレに行く場面、その最後に、

「ママのこと教えて」

汐は朋也にそういいます。
朋也は動揺したでしょうね、一番辛いことを思い出すわけですから。
渚の母親は、自分から渚のことを汐に伝えず、朋也から聞くようにしていたようです。
ですが朋也は、汐の問いかけに答えることはできませんでした。

旅の最終地、そこは朋也の故郷でした。
そこにあった大きなお花畑。
圧巻の風景、朋也は汐を肩車し、花畑を見せてやります。

そして汐はロボットを片手に、花畑の中を走り出します、本当に楽しそうに。
しかし途中、ロボットを花畑でなくしてしまいます。

二人でロボットを探すのですが見つかりません、朋也はロボットを諦めるようにいいますが、

「あれがいい」

汐はロボットを探し続けます。
朋也は花畑を離れ、遠くからロボットを探す汐を見つめるのですが、その途中、

なんだろう、覚えがある・・・

目の前に広がる景色に、幼い頃の記憶が蘇ります。
そしてこの先は・・・

随分長い説明になりましたが、18話はここで中盤くらいです。

後半の描写、演出、ストーリー、会話、BGM、全てが神がかっています。
説明をしたいのですが、ここから先は文字では表現できません。

朋也と汐、そして朋也の渚への想い、全てが完璧に演出され、これ以上にない感動を生み出しています。
自分が最もアニメに求める、アニメにしかできないことの全てが集約されています。
{/netabare}

全てのクラナドの物語を見ていれば、涙なんか流れて当たり前です。
この先、おそらくこれ以上アニメで感動することはできない・・・とまで思いました。

是非みなさんにも、この感動を味わって頂きたいと思います。

期待以上の素晴らしい出来栄えでした、このアニメに出会えて本当に良かったと思います。

投稿 : 2013/06/18
閲覧 : 600
サンキュー:

30

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