こたろう さんの感想・評価

4.1
物語 : 4.0 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態：観終わった

美人という設定が霞んでいく

少女漫画原作。競技カルタを扱った（実質の）スポ根アニメ。第２期です。
原作コミックの売れ行きも好調で評判も上々。
アニメの１期も評判はいいようで、２０１３年冬～春の鉄板大本命の期待作でした。
主人公達が２年生に進級して、また高校選手権大会で戦うお話が中心です。


序盤でカルタ部に新キャラ（１年生）が加入したりのエピソードはありますが、この２期は舞台の半分以上が近江神宮。
つまり、２クールあるうちの中盤ちょっと前から、ずーーーっと、カルタの試合が続きます。
各試合で対戦相手のドラマがあり、それにまつわるエピソードを魅せてくれるわけですが、最後まで通してみたあとで冷静に振り返ってみると、いくらなんでもちょっと試合が多すぎたように思います。
毎話、毎話、楽しんでワクワク視聴できたのは確かだし面白いのは間違い無いのですが、２クールで消化してしまうには勿体無かったかな、と。
特に近江神宮に行ってからは、間髪無く試合が続くので、後半ではさすがに少々マンネリ化した嫌いがあります。
合間に１話ぐらい、人物を深堀したり、対戦相手の事を紹介したりのエピソードが入ればだいぶ違ったと思うのですが・・・息抜きは総集編を１回挟んだだけでしたね。
矛盾した事を言うようですが、あの総集編はいらなかった。
というか、何故あのタイミングで総集編が入るのか甚だ疑問。興醒めもいいところです。
制作側の大人の事情でしょうか？

とは言いながらも、やはり全般的には期待を裏切らない品質でした。
スポーツ系のベタなパターンですが、解っていてもなんだかんだで結局毎回涙ぐんで見てしまいます。
己の涙腺の緩さに呆れるばかりなんですが・・・・一生懸命なコ達の想いというのは伝わり方がハンパない。
カルタ馬鹿達の情熱的な青春。
好きなことだから、努力してきたことだから、勝ってうれしい、負けて悔しい。
そんな等身大のわかりやすさが、本作の幅広い人気を支えているんでしょう。いや、ほんと素直に面白いと思います。

作画もわりとキレイです。
ときどきキャラ絵が崩れるときはありましたが、光の使い方や歌の情景を表現する手法は美麗です。
ただ、贅沢を言わせてもらえれば、もう少しスピード感のある試合の動きに注力して欲しかったです。スポーツ（っぽいもの）が題材のアニメなんだから。
速さを表すのにスローモーションやキャラのアップや解説に頼りすぎでは芸がない。
せっかくのアニメなんですから、映像で試合の迫力を表現する工夫が欲しいところです。
そうじゃなくても、領域が狭くてイマイチ盛り上がる魅せ方が難しい競技
「さすが、アニメにすると違うね」
って言わせたくありませんか？＾＾


とまぁ、ベタ褒めばっかりも芸がないので、多少粗探しして注文はつけてみましたが、細かいところに文句をいいたくなるのも存分に楽しめたからこそ。
期待に違わぬ充分な出来の良作です。
性別や世代、アニオタから一般人までの違いを超えて、幅広くオススメできる一作。

原作も続いてるようだし、３期も期待していいですよね＾＾