「とある科学の超電磁砲S(TVアニメ動画)」

総合得点
88.8
感想・評価
3548
棚に入れた
20677
ランキング
94
★★★★☆ 4.0 (3548)
物語
3.9
作画
4.1
声優
4.0
音楽
4.0
キャラ
4.1

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ネタバレ

ギータ さんの感想・評価

★★★★★ 4.6
物語 : 5.0 作画 : 4.5 声優 : 4.5 音楽 : 4.0 キャラ : 5.0 状態:観終わった

このアニメに求められている期待の多さと大きさは他のアニメとは比べ物にならないのではないかと

全部消して書き直しました。改めてレールガンSの感想を。


○総評
すごくすごく良かったです!やっぱこのアニメスタッフすごいですよ!
この物語構成には心から凄いと感じました。
とにかく原作とオリジナルをどう絡めるかという所が一番気になってたので、そのことについて詳しく書きます。

①原作シスターズ編のさばき方
{netabare}原作を知っているだけに、このシリアス満載、美琴単独行動かつ他のキャラ全く登場しない話をどう構成するのか凄く気になりつつ、不安に思ってしました。
期待されている要素が多いだけに、どういった展開にして期待にこたえるか、2クールの物語を仕上げていくのか。

シスターズの問題を美琴が“1人で解決しようとした”という事実に焦点を当てましたね。
美琴が1人で解決しようとした気持ちもすごく分かります。
自分がDNAマップを提供したせいで何の罪もない2万体のシスターズが殺されていく、自分が何とかしなくちゃ、他の人を巻き込むわけにはいかない、この考えには共感せざるを得ないです。
人が1人で悩んだり、迷惑かけまいと相談せずに抱え込んでしまうのは、話の規模は違えど同じ摂理だと思います。
だからこそ誰かが気付かなくちゃいけない、相談できないからこそ悩んでる人にアプローチしなくてはいけないと私は思います。
今回気付いた、救ってあげられたのは上条さんですよね。
黒子、初春、佐天さんももちろん気付いてましたが、一歩踏み出せませないというか、見守ることしかできませんでした。
その気持ちも分かります。大変なことは一目瞭然、それでありながら相談してこないのに、自分が聞くのは野暮ではないかなという感じで。
美琴は上条さんのおかげで人に頼ることの大切さと、1人では見出すことのできない可能性に気付けたと思います。
ここまでは途中の黒子ら3人の回を除いて原作通りの展開ですが、話の肝であり、私が気になってたのはこの後のフェブリとかが出てくるアニメオリジナルです。
それは次の②で書きます。 {/netabare}

②学んだ教訓を実際に行動に移す
{netabare}後半のオリジナルでスポットがあたったのは、布束砥信でした。1期でいう完全な木山春生ポシションですね。
以前の美琴のように1人でなんとかフェブリとジャーニーを助けよう、自分の罪を償おうとしていた布束砥信、その彼女に対して以前の自分に語りかけるように他の人に頼るよう美琴は諭しました。
同じ経験、同じ境遇、同じ気持ちを味わったからこそ美琴の言葉には重みと説得力がありました。
何かしらの経験があって色々学んだり、新しい考えを見つけたりしても中々行動に出せなかったり、そのうち忘れることってあると思います。
まぁ今回の事例は忘れようがないし、タイムリーなタイミングで経験が生きる出来事が起こっていますが。
自分の心の中で思っているのと、実際に言葉に出したり行動したりするのでは意味の強さが全く違うと思います。
美琴に学んだことを行動に移させたのは、凄くストレートでありながらも好感のもてる展開だったと思うし、布束砥信の起用法もすごくうまいと思いました。
レールガンは4人全員が活躍するアニメっていう感じでしたが、シスターズの問題を美琴1人で戦わせるという原作通りの展開をしました。
その1人での解決は間違いだったと美琴は感じ、みんなで協力しようというオリジナル展開はただいつもの空気に戻そうと言うだけでなく、言い分にも筋が通っていて良かったと思いました。
あの原作から全員解決型のアニメレールガンの形に戻せるんだなぁと感心しました。 {/netabare}

③美琴以外の3人の描写
{netabare}7話に日常回が一回入りましたよね。
その回を視聴した時は美琴1人の描写に偏らせすぎない、他の3人はどう思っていたのかという心情描写をするための回だと思っていました。
でも、全話視聴後なら17話とかも含めてもう少し意味があった回だったように感じました。
「お姉さまの力になりたいですの」
黒子たちは美琴の異変に気付き、心配そうにしていました。
そして、何かしら力になりたいと、助けたいと思っていました。
終盤フェブリを助けるために美琴に頼まれた時はすごく嬉しかったんじゃないかなと思います。
ようやく相談してもらえた、頼られたという感じで。
終盤、こういうふうに思えたのは、美琴を心配し、力になりたいという描写をした7話や17話のおかげだと思います。
だから、全員で解決しようとした最後の戦いは美琴だけでなく、他のキャラの気持ちも伝わってきて、ご都合とかは感じませんでした。
ここは俺ガイルの文化祭、雪乃と結衣の関係にすごく似てるなぁと思いました。
誰かに頼られる、それが力になりたいと思っている人ならなおさら嬉しいことだと思いました。 {/netabare}



○このアニメに期待されているもの
レールガンシリーズは様々な要素から成り立っているアニメでありながら、どの要素もハイクオリティですよね。
さらに原作は人気作でありながら、その上でオリジナル要素も上手く絡めて料理していると私は思います。
ですが、視聴する人によってはこのアニメに期待しているものが違い、自分が期待しているものだけに目がいってしまい、他の要素を邪魔に感じる、それが批判につながっているのかなと今回思いました。
期待されているであろう要素をいくつか挙げてみると
・原作ストーリーの再現
・バトルシーンの描写
・原作キャラクターの活躍(今回でいうitemなど)
・日常パートの充実
・キャラの可愛さ
・ほのぼの空気
・黒子を筆頭としたギャグシーンとお約束
・佐天さん
・いつもの4人組の絡み
・登場人物全員の活躍と全員による問題解決
・登場人物の心理描写と成長
・オリジナルストーリーとの絡め方
・主題歌
ざっと挙げてもこれくらいあると思うんですよ。
そりゃこれだけのものを全ての視聴者に満足いくように展開しろって言う方が無理あると思います。
なので、ある程度許容する心をもったり、期待するものを絞り込みすぎないようにしなければ、期待より楽しめないのではと思います。
原作のストーリーだけに期待して「オリジナルとかマジいらねーから。日常パート飛ばせよ。」とか思ってたら楽しく視聴できないはずです。
日常パートを期待している人もいるし、原作準拠ストーリーやバトルだけなどいくつかに絞って展開できるアニメではないはずです。
視聴するからには、他の視聴者がいることと、求められているものの多さを分かった上で視聴するべきアニメかなと思います。
1つの要素だけでなく、全体を見て評価するべきかなと思います。
まぁこのアニメに限ったことではないし、自分にも言えることだし、アニメはやっぱりどれも楽しく視聴したいので寛大な心をもって多くのアニメを楽しめればなぁと思いました。

それから、批判の多さは期待が大きいからこそだと思います。
ニコ動で見てきて終盤までずっと批判コメントがありましたが、期待してなかったら途中で視聴やめてると思うし、期待して見ている人が多いからこその批判の多さだとは思います。



○最後に
私は視聴途中で批判コメントに流されかけました。
今回のオリジナルは微妙かなぁとか思ったりしてました。
他人の意見を尊重することも大事ですが、それはまず自分の意見をもってからかなぁと思いました。
自分の意見をもっていなければ、尊重とは言わず、ただ相手に合わせているだけだと思います。
他のレビューでも特に俺ガイルを見てからは自分の意見を貫くことは大事にしていますが、今回のレールガンは流されかけながらも最終的に自分の感想をもてたかなと思います。
この自分の感想をもった上で他の方の意見を参考に出来たらなと思います。
まだ評価したいところとか、不満だった点もいくつかありますがこのへんで終わっておきます。

19090号の伏線回収も良かったですね。
砥信がやってきたことは失敗ばかりではない、確実に届いていたこともあったんだと。
そして、19090号は禁書本編でダイエットをしていた個体なんですよね。
そういう個体による違いが生じるつながりとかもよく考えられていて凄いなと思いました。

投稿 : 2013/10/05
閲覧 : 295
サンキュー:

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