「サカサマのパテマ(アニメ映画)」

総合得点
70.3
感想・評価
659
棚に入れた
3136
ランキング
1551
★★★★☆ 3.8 (659)
物語
3.9
作画
4.0
声優
3.7
音楽
3.6
キャラ
3.7

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ネタバレ

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★☆ 4.0
物語 : 4.5 作画 : 5.0 声優 : 3.5 音楽 : 3.5 キャラ : 3.5 状態:観終わった

ジブリ作品の様なファンタジーアニメ

『サカサマのパテマ』はファンタジーアニメ映画です。


この作品は『イヴの時間』で有名な監督による映画だそうですが、その辺は良く知らないので省略。あらすじに関しても公式HPをご覧下さい。

この作品はファンタジー作品であり、端的に言えばジブリ系の作品の様な世界観。特に『天空の城ラピュタ』によく似ていました。

『天空の城ラピュタ』はヨーロッパをイメージさせる(実際、舞台となっているのはウェールズの街やカンボジアの遺跡)世界における冒険や、"飛行石"・天に浮かぶ"天空の城ラピュタ"といったその世界の神秘などに目が惹かれ、ボーイミーツガールよりは世界観や設定に重きが置かれていたように感じました。
一方で、『サカサマのパテマ』は、ラピュタという作品に新しい映像技術を用い、ファンタジー世界観の方向性をもっと現代的した感じの作品。現代風と感じたのは、SFで少々複雑な設定を用いていたからだけではなく、舞台が比較的現代の日本風になっていたからかもしれません。また、【地上と地中、互いにサカサマな二つの世界】と【その真実】についての設定に力を多く注いでいた事は分かりましたが、99分という上映時間中の2人の出会い方や会話、その後のシリアスな展開などを観ていても、ラピュタよりはボーイミーツガールに多く視点を当てていたように感じます。出会い方はある意味ラピュタと全く正反対ですが(笑)
ラピュタとの類似点は、地上と空の関係、何らかの形で空を飛ぶこと、主人公とヒロインの出会い方や敵との対峙シーン、全体的な流れ、そして同じボーイミーツガール型のファンタジー作品であること等々です。
それらの点を見るとラピュタをリスペクトしているかのようで、もっと率直に言えば、この映画の構成・展開のさせ方はラピュタをベースに少々色を加えているだけであり、設定もどこかラピュタに似ていたため、ラピュタをがっつりとパクっているような印象もありました。
しかし物語の内容・設定に関して、斬新な所はかなり斬新でした。なぜ二人はサカサマに立っているのかについての理由や、その世界の真理については自分の予想を2度ほど覆された程で、そんな設定に関してはかなり満足出来ました。

この作品に登場する主要キャラクターに関しては主に7人という必要最低限の人数に抑えられており、人物相関図も簡潔で最後にはスッキリとなっていて良かった。因みに、主人公の幼なじみっぽいキャラも出て来たがそれは単なるその他大勢の一人だった。そんな残念なキャラもおり、上映時間の関係もあってか、主人公とヒロイン(強いて言えばキーパソンであるもう2名)以外はあまり掘り下げられていなかったため、この作品の登場人物の印象は全体的に薄めに感じました。

『サカサマのパテマ』は斬新な設定でジブリ系に近いファンタジー要素。ラピュタのようなジブリ作品が好きな人は楽しめる作品ではないかと思います。


↓この映画の自分なりのまとめ(ネタバレ)
{netabare}1964年に重力をエネルギーに変換する研究に失敗したために重力が反転、人や建物、地面などが空へと落ちていったとしている。そして、主人公がその事故現場である"地上"だと当然の如く思っていた側の世界の方が、実は、"実験に失敗して重力を逆ベクトルに受けてしまうようになった人類"が新たに避難場所として作り出した"地底の世界"であり、彼が"宇宙(空)"だと思っていた"天"は、大気か何かを作り出している場所、またはその地中の世界における天上に当たる場所だった。つまり、彼らは実験に失敗し影響を受けた人類の末裔であり、地中に住んでいたパテマ達がその被害から逃れた一部の人類の末裔であった。また、最後のシーンにおいて、パテマ達(地中で暮らしていた人類)が地上に立っていることから、その世界が本当の地上であったことが分かる。
しかし、映画を見終わった直後にその最後のシーンに関して疑問点があった。それはなぜ建物が地上に残っていたという点。だが、ゆくゆく考えてみると、それらの建物の残骸はは重力の反転では抉られなかった建物の一部だったのだろう。重力反転で空へと消えた建物の残骸は月の引力に引き寄せられ、土星の輪の様にグルグルと月の周りを回っていたのだと思う。{/netabare}

投稿 : 2013/11/12
閲覧 : 547
サンキュー:

20

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