「輪るピングドラム(TVアニメ動画)」

総合得点
83.3
感想・評価
2089
棚に入れた
10550
ランキング
325
★★★★☆ 3.8 (2089)
物語
3.8
作画
3.8
声優
3.6
音楽
3.9
キャラ
3.8

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ネタバレ

ぱるうらら さんの感想・評価

★★★★☆ 3.9
物語 : 3.5 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 4.0 キャラ : 4.0 状態:観終わった

前衛的なアニメでした(;´ω`)ゞ

『輪るピングドラム』はオリジナルアニメ、2クール(全24話)の、ジャンルは……ダークでカオスなラブコメディ?

このアニメはただ1話を見ただけや、それどころかその暫く先を見たとしてもどういったアニメなのかを理解できる人はまずいません。 まだ未視聴の方はそれを覚悟の上で視聴あれ...。 



このアニメは笑いを求めるのか、シリアスさを求めているのか。 ピングドラムとは何か、それの回収目的は何にか、あのペンギンの帽子は一体何か、そして生存戦略とは何なのか…。 疑問点を上げれば切りがないですが、それもこの2クールアニメで自ずと分かってくるでしょう。
序盤を見てどうしても自分の肌に合わないという人は仕様がありませんが、先ほども言った通り、そもそもこれは2クールアニメです。 序盤で面白くし過ぎると途中で視聴者の熱が冷めてしまったり、終盤に近づくに連れて視聴者はそれ以上のものを求めてしまう。故に余程のクライマックスでない限り視聴者のその場面における感動が薄れてしまいます。 中には例外もあるかもしれませんが、序盤から終盤までずっと同じペースで面白さを維持できるアニメなんてそうそうありません。 故に、2クールアニメというものは気長に見るべきもの。クライマックスを期待しましょう。



ここからは感想です♪
一番最初に印象に受けることは、あの独特でカオスな作画。刻に『生存戦略』の場面です。 最近のアニメでは見られないような前衛的過ぎる場面でした。 アレを見て何だか恥ずかしさも感じるかもしれませんが、何度も見ていれば段々と慣れてきます。 若干の愛着も私は出てきました。 果たして、あの場面にどれほどの意味があるのか…。


ある程度、ストーリーが進むにつれて、このアニメは笑いとシリアスを組み合わせた難易度の高いであろうアニメであると認識しました。 笑いとシリアスは対照的ですからね。 そして、話が進む毎に今まで特に何も考えていなかった事・モノについてが少しずつ明らかになっていきました。


第21話という終盤に差し掛かったのにも拘らず、未だに“ピングドラム”とはどういったものなのかはわかりません。
やはり“ピングドラム”とはこのアニメの最大のテーマであり、最後に明らかになることによってこの“輪るピングドラム”というストーリーの根本を知ることが出来るようでしょう。 私が知る限りにおいてはこういった構成のアニメは未だになく、新鮮な感じがしました。
しかしこの構成の仕方には、見方によっては問題点もあるように思えました。
それはいつになっても物語りの中核が見えてこないということ。これは3話や5話どころの話ではありません。

前衛的な作画、序盤の印象の大きさ、混沌として先が見えない展開として知名度は高くなりましたが、カオス過ぎる展開といつまでも話の方向性が見えてこない構成故に、視聴者は減少し評価も段々と下がっていきました。 未だに視聴しているのはコアなファンまたはこのストーリーに何とか付いていけた人が多数を占めているような気がします。

いつまで経っても話はずっと混沌としていて一歩引く様な感じ。回収をするどころか折り返し地点に差し掛かっても逆に次々と張られていく伏線。 大きな流れに差し掛かってもそれでもみえてこない方向性。これが視聴者の減っていく原因かもしれません。 特に激動の展開を求める人にとっては苦しい展開でしょう。
と言っても、やはり折り返し地点まで達するとガラッと雰囲気が変わっていきました。そう、あるキーパーソンの存在が頭角を現していくことによって...。 ギャグで明るい感じがなくなりシリアスでダークな展開への移行。


ここで考えた事はペンギン達の存在。折り返し地点以前では特にペンギン達の暴走ぶりが目立ち、視聴者をちょっとした笑いによって明るくしようとしていました。これは前半部のストーリーがカオス過ぎたり話が全然進まない・わからないという難点を笑いでどうにか視聴者の気を惹こうとしていたのかも知れません。
また、それまでの明るい雰囲気は後半のシリアスさをより一層引き立てるためにあったのでしょう。これに一役買ったのがあの3匹のペンギン達ということなのかもしれません。
不可解な行動をし、そして何気に頑張っているあの子達には毎回笑わせてもらいました♪ あぁ、可愛いなァ~(〃'∇'〃)ゝエヘヘ
ホントに大好きです♪あのペンギン達は…。


ここ最近、特に第20話からは伏線の回収作業も一気に進み、衝撃的な展開が繰り広げられクライマックスに向けてかなり面白くなってきました。
しかし、このアニメは相変わらず直接的な表現をしません。最後までこの有耶無耶感を貫き、最後の最後まで結局ピングドラムについて言及されることはありませんでした。最後くらいもう少し分かり易くしてほしかった…という点で心残りです。
ピングドラムの見解については既に多くの人が語っていますので、割愛させていただきます。最終話前後に関して簡単に言えば、その時の自分の運命を乗り換えて(なかったことにして)運命の至る場所を改変した、という事でしょう。シュタゲで言う世界線の移動みたいな感じで…。


私が結構気になっていた、主要登場人物以外の一般peopleを顔無しの駒の如くして周りの背景と化せたような人物の表現方法について、私は当初違和感を甚だ感じましたが、この表現方法はの収容登場人物の存在を際立たせるために意図的にしたことなのかもしれない、と考えるようになりました。(まぁ、ただの簡略化の可能性も無きにしも非ず…ですが。 (^^;)
また、この作品の構成について“次回が気になる終り方”を序盤から展開していた各回の構成は非常に評価すべき点だと思います。


この“輪るピングドラム”というアニメが面白くなり始めるまでが長かった故に、私はこのアニメを過大評価し過ぎたのだろうかと少々思い始めていました...そして、どうも最後に関しても、スッキリしたと言えばスッキリはしたのですが、どちらかと言えばかなり有耶無耶なパッとしない終わり方で、これで終わりですか…と感じられました。
何だか残念だったような?これはこれで良かったような?

とにかく、前衛的なアニメでした。

投稿 : 2012/02/06
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サンキュー:

32

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