「名探偵コナン 絶海の探偵(プライベート・アイ)(アニメ映画)」

総合得点
63.8
感想・評価
190
棚に入れた
1210
ランキング
4042
★★★★☆ 3.7 (190)
物語
3.6
作画
3.8
声優
3.7
音楽
3.5
キャラ
3.8

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ネタバレ

HG anime さんの感想・評価

★★★★☆ 3.7
物語 : 4.0 作画 : 4.5 声優 : 3.5 音楽 : 3.0 キャラ : 3.5 状態:観終わった

海自全面協力!

舞台はイージス艦の艦内という異色の劇場版コナン作品。
イージス艦の外見や艦内はすごく良い描写となっており、隊員の艦内社会の様相も海自のアドバイスがあったことが良く分かるくらいリアルで、上官が指揮をとっているシーンなんかは迫力がある。
国家にとって政治的にも軍事的にも最高クラスの機密そのものであるイージス艦を舞台にしているので、その機密性を上手く物語に織り込んでくるだろうと視聴前から予想していた。案の定の展開ではあったが、とても面白かった。
現在自衛隊は各種銃器をはじめ、歩兵随伴兵器、戦車、装甲車両、対空戦闘車両、潜水艦、早期警戒管制機など、およそ防衛において軍事的に考えうる兵器のほとんどを国内生産体制(一部ライセンス生産を含む)を固めている。こんな国は世界でも10か国くらいしかない。戦後レジームの産物である憲法9条があっても、国民に無能だと罵られても、実は日本の政治家は裏ではやるべきことは一応やっている。H-2ロケットという事実上全地球上を射程に収めている弾道ミサイルもあるくらいだ。ただ、上記に『(一部ライセンス生産を含む)』としたが、ここをとりあげているのがこの作品。特に各種ミサイル、軍艦、戦闘機などは、アメリカの技術がふんだんに盛り込まれており、国内生産をしているにもかかわらず、事実上アメリカの監督下にある場合がある。イージス艦に通称ブラックボックスという合衆国の戦争経験や血のにじむ技術開発努力の結晶が収められている部屋があることは有名。イージス艦を国内生産しているからといって、この部屋だけは日本人は限られた者しか入れない。もしこういう機密が自衛隊から流出したら、程度によるが、当然アメリカは輸出する技術をより限るようになる。この作品では笹浦という自衛隊幹部がイージス艦の情報を他国に売り渡そうとするが、それはメリットとしては日本の独自開発が進むことだが、アメリカとの外交関係が悪化することと、地政学的に大きな変化を招いて世界平和を悪化させる可能性を生じさせるという大きなデメリットを引き起こすだろうからとんでもないことですね^^; しかもインターネット上のクラウドに一時保存するという、足跡をたどれるようなド素人の手法をとるとは恐れ入った。かなりのアクロバティック犯罪だったが、面白かった。
話がそれるが、私は日本は今かなり大きな岐路に立っていると思う。隣国の急激な軍拡に対して、平和憲法と国際的な好印象を盾にするか、軍事力を盾にするか・・・ 私は政治的にも経済的にもかなり中道なので、どちらも正しいことにしか思えない。難しい問題ですね。この作品は普段は政治や軍事に関心がない人が、コナンという親しみやすい媒体を通して少しでも多くの人が関心をもつ機会を得られる良い作品だと思う。この作品を通してイージス艦見学や富士での陸上自衛隊総合火力演習見学などの参加抽選倍率が上がることがあれば、歓迎すべきことだろう。(そんならボクちゃんまた抽選落ちるかもしれないけど ಠ_ಠ)

投稿 : 2014/04/30
閲覧 : 367
サンキュー:

10

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