「ちはやふる(TVアニメ動画)」

総合得点
91.1
感想・評価
4125
棚に入れた
18755
ランキング
39
★★★★★ 4.1 (4125)
物語
4.4
作画
4.1
声優
4.1
音楽
4.0
キャラ
4.2

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ネタバレ

れんげ さんの感想・評価

★★★★★ 4.2
物語 : 4.5 作画 : 4.0 声優 : 4.0 音楽 : 4.0 キャラ : 4.5 状態:観終わった

『友情・努力・勝利・ちょびっと恋愛』を体現した少女漫画のアニメ版

2011年10月より放送。
全25話。
続編である第2期は、2013年1月より放送。
全25話(原作単行本の第22巻限定版には、テレビ未放送の第26話付き)。


【前置き】

本作が放送される前、まだ原作を見ていなかった私の個人的な作品の印象は

『原作がとても持て囃されている作品』

でした。

原作者は以前の作品で、トレース(絵の模写)が原因で単行本の回収騒動が起こった方でしたので、実際そこから這い上がるのは並大抵のことではなかった筈。
そういう点も含め、本作「ちはやふる」に対しては、かなりハードルが上がっており、見るのを少々臆してもいました。

ただ…いざ見始めると、プロローグにあたる幼少期編から、もぅガッツリ心を掴まれたのでした。

その熱が、今も冷めることが無い程に。



【あらすじ】

(プロローグ時は)小学6年生の綾瀬千早は、福井から来た転校生の綿谷新から教わった。『競技かるた』の魅力に惹きこまれていきます。

再び転校した新とは離れ離れとなりながらも高校へ進学した千早は、幼馴染の真島太一も巻き込むカタチでかるた部を設立。

『競技かるた』を通して自身の夢を導き出し、かるたの頂点を目指していく、というストーリーです。


一応、全体の流れとしては、現状では

◆小学生編(1~3話)

◆高校1年生編(4~25話)

◆高校2年生編(2期の1話~)

という、内容となっています。



【「ちはやふる」から見る、競技かるたの世界】
{netabare}
初見では(失礼な話ですが)、将棋や囲碁ならまだしも、この「競技かるた」というマイナーな競技に対し、どう視聴者に対しアプローチしていくのかと疑問でした。
しかし、マイナーであるからこそ、第1話で新が言い放った

「日本で一番になったら、世界で一番ってことやろう?」

という台詞が光りましたね。
特に小学生の子供には、この「世界で一番」というネームバリューは計り知れないものもありますし。
いやっ……、やっぱり大人でも十分魅力的ですね…。。。


高校生編を期にストーリーが本格的に動き出してからも、この(本っ当に失礼な物言いですが)マイナーな「競技かるた」という競技を、こうも上手く、そして楽しく描けるものか…、と感心してしまいました。

競技かるたの面白さ、難しさ、そして辛さ。
記憶して動いて、一旦全部忘れて、また記憶して動いてと…。
なんとまぁ恐ろしい競技でしょうか……。
全くの無知から入ったが故に、一度魅力に取り込まれれば、知らないことが逆に内容の面白さに拍車をかけてくるんですね。


流れ的には、部員集めから、友情、努力、勝利…と実に王道らしく、こういう点は少女漫画原作というより実に少年漫画らしく感じます。

私的には、大好きなスポーツ漫画「スラムダンク」と、同じようなカテゴリーとして終始楽しめていました。
(※主人公は赤い髪でも無いし、頭突きもしません。あくまで雰囲気です。)


しかし本作の何よりの魅力は、競技に挑むキャラクターが、それぞれの個性の元で辛さを味わいつつも競技に立ち向かう様にあると思います。
というか、このシナリオセンスとキャラクターセンスなら、ぶっちゃけてしまえば他のどんなマイナーな競技でも面白く描けそうだとも思っちゃう程でした。

キャラデザに関しても、いわゆる萌系というより少女アニメ的ですが、実は美形キャラはそんなに多くありません。
後述にもありますが、いわゆる男前無双というか…見た目が良いキャラをドンドン出していき押していくような展開では一切無いの作りになっておりました。
{/netabare}


【机くん】
{netabare}
この作品を見た目の色眼鏡抜きで見たら、私的に一番カッコイイと思ったのは、駒野勉 通称『机くん』でした。

ただ勉強だけをやってきた男の子が、初めて必要とされ挑んだ部活。
一番必要なものは才能だと名言される競技の中にほうり込まれながらも、その才能の壁に怯まず、緻密なデータと経験則を積み重ね、真剣に取り組む様が堪りません。

途中、かるた熱に負けてテスト勉強をほっぽり出した主人公に言い放った台詞である

「やりたいことを思いっきりやるためには
 やりたくないことも思いっきりやんなきゃいけないんだ。」

これは、机にかじりついてきた彼だからこそ、とても響く台詞でしたね。

こちらは、これまた大好きなスポーツ漫画「アイシールド21」に登場する雪光に、雰囲気は近いかもしれません。
(※机くんはアメリカ横断していないし、糞(ファッキン)ハゲでもありません。あくまで雰囲気です。)
{/netabare}


【原田先生】
{netabare}
机くんだけでなく、この作品は見てくれでは描けないカッコ良さを表現するのが、非常に上手いように感じました。
私的に一番好きなキャラクターである、主人公の先生である『原田先生』も、これまた良いんです。

(実は)体力も大きく勝敗を左右する競技である中、自分の半分以下の年齢であるピチピチの高校3年生を相手に、「知的な熊」との異名をとって勝ちをもぎ取る。
主人公♀の丸坊主を賭けた闘い(笑)だったワケでしたが、そんなことは記憶の彼方へ。
あくまで、自分が勝ちたいが為、この唯我独尊な姿勢は見ていて実に気持ちが良く魅力的です。

しかし、試合後に一呼吸置いてから主人公に言い放ったのは、先の試合での礼儀作法の注意なのでした。

「いけないよ。どんなに悔しくても、礼を大事にしなさい。」

ここの一連の流れは、個人的に一番シビれたシーンかもしれないですね。

原作者さんも単行本の巻頭ページで語っていらっしゃいましたが、主人公達の美形を表紙で飾ることより、机くんや肉まんくん、ましてやオヤジである原田先生がいつか表紙を飾ることを念頭に置いて作品を描いていたようで、その少女漫画らしからぬ人間臭いキャラへのアグレッシブさに、私はとても好感が湧きました。
{/netabare}



【総評】

最初から最後までテンションが下がることなく、続きがすぐ見たくなってもぅ仕方ない、大好きな作品になりました。

ただ、ストーリーに関しては、最終話は(高校1年生編終了のタイミングで綺麗に終わりながらも)まだ描かれていない部分を多くはらんでいる終わり方で、当時は歯痒い思いをしました。
放送終了直後は、まだ2期の制作が発表される前でしたからね。

私は当時、先が気になり過ぎて原作を大人買いしちゃいました。
どうせなら帯のカラーを統一しようと、本屋の引き出しを開けて店員に注意を食らいながら購入したのも、今は良い思い出ですね。
いや、本当にご迷惑をおかけしました。
(1期放送終了直後では、15巻まで発売されていました。)

改めて原作と比べて本作を見ても、アニメ版は作画は勿論のこと、音楽や間の使い方も非常に上手いと感じました。
当時まだ高校生でもありました、主人公を演じてエンディング曲まで歌い上げた瀬戸麻沙美さんも、これまた年齢を感じさせない名演でしたしね。
原作のおまけページにもありましたが、演技中はよく手が動くようで、まさに体全体で綾瀬千早を演じていらっしゃるようでした。

勿論、アニメから入ったからそう感じるだけなのかもしれませんが、良い原作を違和感のある改悪もせず描けたという点は、間違いないと思っています。

売り上げ的に見ても、正直ディスクを買う層とは結びにくい作品だとは感じますが、それでも作画、演技、演出、音楽と、全てにおいて高水準というよりはクオリティーを一つも落とすこと無く、どれも手を抜くことなく丁寧に作られているように感じました。
そう感じる作品は、見ている側としても非常に気持ちが良いものです。
何より、製作陣の心意気が伝わりますしね。


今なら2期でワリと良い区切れ目まで描かれていますので、安心して1期からオススメ出来るストーリー構成です。

熱く面白いだけでなく、心にグッと響き泣かせてもくれる。
そんな青春ド直球な競技アニメが好きな方なら、きっと好きになる作品だと思いますよ。


私と同じく、「競技かるた」に対し無知で特に魅力を感じないという人にこそ、それをひっくり返してくれる衝撃を楽しめるという点でも、オススメしたいですね!!!
加えて、本作を週毎に1話ではなく一気に見れることが、私は羨ましくて仕方なりません。


続編である2期からは、後輩の(「今年の1年、めんどくせぇ…!!」と一同から思われる)新入部員も入りますので、また新たな展開が勃発しながらも、高校生の頂点を目指します。

それでは、最期まで読んでいただいて、ありがとうございました。



◆一番好きなキャラクター◆
『原田 秀雄』声 - 石塚運昇さん


◇一番可愛いキャラクター◇
『大江 奏』声 - 茅野愛衣さん



以下、駄文なので〆ます。
{netabare}

本作に登場する、かるた部創立メンバーであり小柄で可愛らしく古典オタクな点も魅力な、大江奏(通称カナちゃん)。

本作のアニメ版を制作するに辺り、原作者の末次由紀さんは、「とにかく、カナちゃんの胸を大きく描いて下さい」とお願いしたという逸話があります。

そして実際に描かれた、製作陣の「望むところだ」と言わんばかりの、カナちゃんのその胸の膨らみよう。
小柄であるからこそ更に、その突出ぶりは目を見張るものがあります。

推定Hカップと言われる彼女のその膨らみは、本作を女性だけでなく男性もその大らかなハートで包み(挟み)込みたいという、製作陣一同の意志が如実にあらわれた結果なのかもしれません。

声を演じられた茅野愛衣さんは、貧しめのキャラより豊満なキャラをよく演じられますが、実際でもそうであったり……ね……。


………ふぅ、今日は良い夢が見れそうです。

本当にありがとうございました。

ぷるん、ぷるん。
{/netabare}

投稿 : 2014/06/05
閲覧 : 528
サンキュー:

46

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